一陽来福  ~齋藤一陽による截金の日々~

伝統工芸。截金職人齋藤一陽が、日々の物創りの様子を紹介します。

【webラジオ昔話】 むかしむかしのものがたり 第28話「月のウサギ」

2011-10-08 00:22:11 | webラジオ昔話むかしむかしのものがたり
石田彰さんと氷上恭子さんがたったお二人だけで、昔話をwebラジオで語ってくれます。

むかしむかしのものがたり 第28話「月のウサギ」

http://radiotomo.typepad.jp/old/2011/09/28-10a4.html
↑ここからクリックして入って、緑の矢印のとこをポちっと押すと昔話を聴くことができます。
配信は過去2回までとなっていますので、お気を付けください。


このお話を知ったのは、まだ子供の頃で、何かの童話集ででした。
なんだろう。胸につまされるというか、説明のつかないものが深くずっと心に残ったままのお話です。

恭子ちゃんうさぎがとっても可愛くて、よけい哀しくなりましたね。
私にはとやかくいえるお話では無いので、まず是非聴いてみてください^^

仏教説話ということで、最後の方にお話して下さっています。最近いろいろ物語の説明をしてくれるので、楽しいです。
私もただ聴かせて頂くだけでなくて、ちょこっとでも勉強できると嬉しいですし。


このお話を聞いて、截金師として即思い起こしてしまうのは、


法隆寺 玉虫厨子

このお厨子には、いまのところ現存する日本最古と言われている、截金が施されているからです。
といっても、連弁というところに大きく菱形に切ったものが貼ってあるだけなので、截金といえるのか?というところもありますが。。^^

そしてこのお厨子の須弥山部には、おそらくこのお話の元になったであろう、インドの仏教説話「捨身飼虎」と「施身聞偈」というお釈迦さまの前世のお話が、密陀絵(みつだえ)で描かれています。


一方は、腹を空かせ、立ち上がり狩りをする事さえできなくなった幼い子をもつ母虎、太子はその身を高所より投じてあたえたという、菩薩の姿を描いたもの。


もう一つは飢渇に苦しむ羅刹、童子は羅刹より教えを受ける代わりに樹木より飛び降り、その身を施そうとするが、その羅刹の正体は童子の道心を確かめる帝釈天であったため、寸でのところで救われる。というものです。


なんだか、この二つをまとめたようなお話ですよね。
こういった、インドの古いお経の中のお話というのは、今私達が知っているような、小難しいお経ではなくて、その土地の民俗や神や風土を取り込んだ、詩歌のようなやさしく説いてくれるようなお話だったと思うのです。
その昔インドの一部の地域にはウサギを族霊とみなし、奉尊する民俗もあったそう。
日本でも気比宮や白山の神使、熊野では山の神の巫女、なようなので面白いですね。

ですが月に兎、となってくると途端に中国経由な匂いに変わってきます。
日本に現存する古い仏画の中には、仏さまの持つ月の中に仙兎が月で不死の妙薬をつくっていて、枯れない桂の木が描かれていたりします。蝦蟇(がま)も描かれていることが稀にあるかな?
これはもとは中国のお話なんですよね。
有名な中宮寺の天寿国繍帳(てんじゅこくしゅうちょう)にも、月の兎さんがいますよ♪



日本でも月と兎はとても縁が深いのか、。文様にも沢山でてきます。
月は水気、私は自動的に龍もイメージしてしまいます。能・謡曲「竹生島」の所為かもしれませんが^^

緑樹影沈んで魚樹に登る景色あり 月海上に浮かんでは兎も波を走るか        謡曲竹生島より




深閑とした夜半ころ 月はのぼり 月光が銀の鎖帷子の道をつくり 白く波面を ゆらゆらとゆらす




草臥れきった仕事明け、帰宅しようと仕事場を後にし、山の中腹から望んだ琵琶湖の景色。
生涯忘れられない美しさのひとつです。




昔話をwebラジオで!
次回配信は、10月14日(金)「絵姿女房」

RADIO TOMO!
感想・リクエストページ→ http://www.radiotomo.com/mailform/mukashi2.html
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【webラジオ昔話】 むかしむかしのものがたり 第27話「聴き耳頭巾」

2011-10-08 00:21:38 | webラジオ昔話むかしむかしのものがたり
石田彰さんと氷上恭子さんがたったお二人だけで、昔話をwebラジオで語ってくれます。

むかしむかしのものがたり 第27話「聴き耳頭巾」
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今回のお話^^
私には、とても好みのお話でした~いいお話でした。ほっこりします。

そして物語状のことで偶然なのかもしれませんが、きつねさん親子に声が充てられていないことが、すごく効果を発揮されていて、とてもよかった!
想像力を掻き立てられ、それもとうぜん演技のなせる技なのでしょうが、愛らしいきつね親子の様子が浮かびました^^
こういうのがとても好きです。
余白の美、とでもいうか、余裕の美というか、こういう効果を待っていましたよ~

効果音も同じことで、お二人の語りで十分感じ取れるところは、控えてもらうとか、突然の無音などもむしろ効果大かもしれませんねー
また、こういった。語りをいかすようなお話づくりを楽しみにしています。



そして昔話に、お爺さんは山にしば刈りに。というくだりがよく出てきますが、
柴刈りの柴は、芝刈りではないですよ~
ということで、
次回宿題として柴刈りのこと石田彰さんが、調べて下さっているそうですので、次回分も是非聴いてみてくださいね~^^



妄想族の私には、お爺さんは翁、お婆さんは媼として理解しています。
山を育み水源をもつくる翁と、川で祓いと清めをおこなう媼です^^

昔の人にとって山に入るということは、とても神聖で、畏怖と畏敬の念をもってのぞんだ事なのだと思います。
いま私たちが、山に登るなんて簡単にいっていますが、昔の人が聞いたらとんでもないことなのでしょう~

柴は、卯杖などの元となるもの(卯杖は花の眠る場所~椿の章~で少し説明しています)。文様に携わる者としては、とてもシンボリックでそそられるものです。
お神楽や、古舞などにも、お道具としてでてきますね。

柴と呼ぶものは、総称となるのか結構範囲が広くなるみたいですが、枝や杖、あとは垣根などにも使われていて、
平安絵巻や源氏物語画帖などにも、柴垣が描かれていますし、実際文様にもあらわれてきます。

それに青柴垣神事(あおふしがきしんじ)という国譲りの神話の故事にちなんだ、船に青柴垣をのせた行事もあるということなので、随分古い伝えのあるものなのだと思います。
柴を乗せた船の文様もこのあたりから来ているのかな~^^

字訓をながめていると、山道や聖地にかかるところには柴神を祀ったり、南島には、青い芒(すすき)をさして祖霊を迎えることなども書かれてありました。

そしてとても古くには、束薪を水に投げる水占の神事なるものが伝わっていたそうです。


昔話をwebラジオで!
次回配信は、もうとっくに配信されています。「月のうさぎ」

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一陽ぐるりのこと。~帰郷篇~

2011-10-07 01:35:15 | Weblog
ただいま~

群馬の田舎に帰っていました。(と、随分ネット離れをしていました)


今回心配事もあって、里帰りしていたのですが、大分ほっとして帰ってきました。

というのも、実の父が脳溢血になったと、父の家族より連絡を受けていたのです。
取りあえず命は、大丈夫だから。と言ってはくれていたし、状況は聞いてはいたものの。
大仕事を抱えていてナカナカ帰れず、心のうちはすぐにでも飛んで行きたいのに、今は目の前にある仕事が大優先で、一切心は鎮めて集中すること。
截金の仕事が終わってからは、自分では人から言われるまであまり気付かなかったけれど、かなりイライラしていたようでした。

でも、お見舞いに行くと、父は一生懸命リハビリをしていて、社会復帰するのだと言っていました。
職人である父が、手が思うように動かないという事。
どれほど歯がゆく辛い事だろうと思います。

そして最後には父の奥さんも、二人でこれからもがんばっていくわ!と、明るく力強く言ってくれて、心底嬉しかったです。
何せ心を元気でいてくれて、とても安心したのです^^よかった。。



山へ行きました。
母とともに、川場村の山へ。。少し取引のある、木工工房へのご挨拶も兼ねて行ってきたのです。

川場のお寺の花々の様子。




トリカブト

京都ではあまり味わえない、閑静なお寺でした。
お薄をよばれましたが、とても価値がありました。京都だったらぜったい嫌ですけどね!!



そして家の裏山の赤城山へも行きました。一人で行くのは危ないからダメっ。と言われて、育ての父と一緒に行ってきました。
覚満淵のとんぼたちと遊びたかったし、何より小沼の静けさの元に行きたかった。。


ツバメが小沼の湖面を飛びまわっていましたが、さっぱり写ってませんねー

しかし私はほんと、赤城のお山が好きなんだな~
そしてとんぼと遊ぶのが大好きです♪


鳥居峠からの覚満淵


いつも沢山なのに、あまり覚満淵にとんぼたちを見かけませんでした。珍しく小沼にちょこっと群生していたので、頭や肩にまでたくさん留まってくれて遊んでくれました。
山のとんぼたちは、素朴で疑いもないのか、相手してくれます^^





小沼の静けさは 心に 体に 深く沁みます

私も静かになります





そしてただいま京都^^東山から陽がのぼりそう。鴨川をわたります~


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