一陽来福  ~齋藤一陽による截金の日々~

伝統工芸。截金職人齋藤一陽が、日々の物創りの様子を紹介します。

平櫛田中と六代目尾上菊五郎

2011-01-28 02:48:26 | よきもの
田中美術館の資料を整理していたところ。http://www.city.ibara.okayama.jp/denchu_museum/index.html
有名な鏡獅子の記事が出てきました。


すると、そうでした。この方は六代目尾上菊五郎さんだった。。
と、今頃ハっとしたのでした。

そういえば、奉納演奏の記事覧の、ご恩のあるお三味線奏者の某先生よりのコメントにお名前があったという事を思い出したのです。

奉納演奏

http://blog.goo.ne.jp/ichiyo_raihku/e/5050780bd4e5e20cdeca2c51d1f54911

先生よりのコメント
”私が三味線に細工することを思いついたのは、私の弟子の現中村勘三郎丈が若いころ祖父の六代目尾上菊五郎丈より譲り受けた三味線のの天神に「菊」「六代菊五」と金文字で署名してあったことが心に残っていたからです。”

と、先生からのコメントを改めて拝見して、ご縁て不思議だな~と思うのでした。




そもそも田中美術館さんからの講演の依頼は、ブログを見てメールを頂いたというだけの、何のコネもツテもない。それこそ無名の私になぞに、棚ぼたのお話しでした。

田中美術館での講演

http://blog.goo.ne.jp/ichiyo_raihku/e/529541f4baf462fd18afce311b9424fa

まあ。そんな講演依頼の話しを田舎の家族に伝えると、その住所は聞いたことがある。
と言い出し、前年暮れに他界した、祖母の書類提出の際に本籍地として載っていたそうです。
ちなみに一陽の田舎は群馬、講演地は岡山で、住まいは京都です。

そこは祖母さえ知らない土地でした。
これも何かのご縁と思って、祖母の遠縁(東北地方)にあたる方に、思い切って連絡をとってみましたところ、なんと元禄からあろうという先祖代々のお墓が雑木林の中に何十基もずらりとあることが判明。
参ってみてびっくり仰天ですが、美術館のほん近所なのです。
その昔、平櫛田中さんとも同じご町内だったようです^^
何というか、ご先祖代々が住まっていた土地というせいなのか、考えてみれば小さな村であったわけで、血縁の方もいるのかもしれず、その所為かは分かりませんがご縁を頂いた方はとても親切にして下さって、講演も緊張はしていたものの、どこか安心していられるような温かい気持ちでいられた事。
今思い出しても、ありがたく感じています^^

その後もこまごまとした、驚きのご縁がつづいていましたが、

平櫛田中→六代目尾上菊五郎→三味線奏者の先生→弦楽器への装飾
と、ここでもまだうっすらとしたご縁が続いているようで、何だか嬉しいような心もちを、今頃になっても味わっているのでした。
ご縁ってとても不思議なものですね~

弦楽器の装飾

http://blog.goo.ne.jp/ichiyo_raihku/e/b1ff137ea84b80fe3ffe4a642e06b551

平櫛田中という方は、老いてなお益々盛んといった感じを地で生き抜いた方で、確か107歳というご長寿。
80歳なんてひよっこだ!と、おっしゃり^^お体が動かなくなるその日まで彫りつづけたような方で、そのバイタリティーたるや素晴らしい!あやかりたいものです~

何かで栄誉を受けたとき、陛下?からお言葉を賜って、
何が大変でしたか?と尋ねられたそうですが、
おまんまを食べることが一番大変でした。
とのこと。

^^


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京都国立博物館に行こう~vol.2

2011-01-15 03:15:15 | 京都国立博物館に行こう!!とその界隈
筆墨精神!!1月8日(土)より2月20(日)まで
京都国立博物館にて



『筆墨精神・中国書画の世界~王羲之から呉昌硯まで~』

特集陳列『生誕125年記念 篆刻家 園田湖城』

詳しくはこちら→http://www.kyohaku.go.jp/jp/index_top.html

正直なこと言って、今回の作品展は私にはさっぱりわかりません^^
音声ガイドを聴いてみましたが、謎が謎を呼びなぞが深まるばかりでした。

ですが、書や中国の歴史に明るい方であれば、ガイドは充実の50分というところだと思います。50分て驚きです。聴き応えたっぷりです。
音声ガイドは カセットミュージアム→ http://www.ca-mus.co.jp/index.shtml 
高僧と袈裟のときも、ここだったようです。
内容がとても濃いので、とてもいいのですが、専門用語が少し多いので、多少知識がないと、厳しい事になるかもしれません。

いつもは、なんだかんだと取っ掛かりを見つけて、それなりに楽しいのですが、私に書の心がさっぱりなのでしょう。。
でもいい機会なので、中国の歴史にちょっとでも触れることができたらいいかな。。と、思います^^
個人的には
文字の美しさを鑑賞する。

ということであれば一昨年のシルクロード展の方が好きだったかな?
ですがさすがに、7世紀くらいの文字がきれいでした。
三国志の貴重な残巻が出ています。
蘭亭序がでています。
十七帖がでています。
どれもこれもとても貴重なもの、紙の残巻なんて大陸ではナカナカ残らないのですが、やはり日本に渡ってきて大切に保管され素晴らしい状態で残っているものばかりだそうです。


土曜講座では、どんな筆が使われていたか?のお話をされていて
「狸とか兎とか硬い毛が使われていました」
え~~?兎って硬いの~?と思いましたが、画材屋さんに尋ねてみたところ、筆屋さんにまで電話してくださって^^;。。。
なんと!
すごーく硬いんですってー
それは、筆の命毛という芯に使われるほどで、つまりはピンとしてコシがあり、シナヤカという事になるのです。
兎ってすごいんですね~


今回は、主題の人物からも、中国文人たちの世界であり、文人画や漢詩などもでています。
曲水の宴というのは王羲之の時代であったのか~と。。
350年頃ってことなんですよね~

私がどこかで見た、曲水の宴の絵。。
川に、杯に注がれたお酒が流されています。お酒が流れ着くまでに、詩歌を詠まなければ罰杯です。中国の文人たちが、川端でへべれけになっていて、男の童子?たちが、給仕をしていて、老人?が次々にお酒を注いでいたかな?
なんだかとても面白く感じて、ずっと覚えていた絵です。
私も詩歌が詠めたなら、こんなことしてみたいな~って思ったので^^

ただ何処で見たやら、お寺だったか、博物館だったか?
襖絵だったか、襖絵をお軸に直したものだったか。。
どなたか知っている方がいたら、教えてください~~

漢詩は訳したものしか解らないけれど、その荒涼として、悠々とした大地や河、大陸を吹き抜ける清々とした風を思わせる世界観が好きです。
できることであれば、私も中国古代の歌、詩経や楚歌の世界を解ってみたいものです~

中央の吹き抜けのお部屋では、日本の貴重なものも出展されていて、久しぶりに「山越阿弥陀」さんを拝見しました。截金の施された仏画です。
思わずお久しぶりです。と、こっそりご挨拶してみたり^^
そしてとなりの法華経の金界(金の罫線)が、私には截金に見えるのですけれど。。
それにしても中国の写経には截金してあるもの見た事ありませんが、あるのでしょうか?

特別陳列、園田湖城
たくさんの篆刻郡です。コレクションの中には、秦漢時代の印もあってかわいいです。
いろいろな素材の篆刻をみることができます。
篆刻の文字の知識がまったくないので、説明が出来ずに申し訳ないのですが、博物館正面の文字も園田湖城だということです。
南画・富岡鉄斎の絵もちらほら観ることができます。
けっこう盛りだくさんですね。



本来今の時期なら、常設展にて十二天(総截金の美しい仏画)やら狛犬さまやらの展示なのですが、今は新館建替えの為にありません。
早く常設館を、と心待ちにしていますが、まだ影も形もありませんね。
遅れているので、まだ3~4年はかかりそうだということです。



夕方の博物館のようす。
友の会の会員なので、いつでもお庭には入れてもらえます。
京都に住まうようになってからずっと友の会の会員なので、もうかれこれ15年以上は会員なんですよね。

友の会はお得なのでお勧めです。今は常設館がお休みなので、お好きな特別展が無い場合には、お勧めできませんが、

年間3000円。奈良国立博物館と共通で計6回の特展に使えます。※注:各特展一回きりです2回目以降は団体割引で入れます。
東京国立博物館と九州国立博物館も6回のうち計2回分の枠が設けられています(東博2回、九博2回、或は東博1九博1の計2回として使えます)。

※各博物館の常設展は、いつでも友の会のカードで観覧できます。


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【webラジオ昔話】むかしむかしのものがたり 第11話「わらしべ長者」

2011-01-14 16:37:14 | webラジオ昔話むかしむかしのものがたり
今回は、わらしべ長者~^^
これ実はリクエストしていた一人だったので、とても嬉しいです~

石田彰さんと氷上恭子さんがたったお二人だけで、昔話をwebラジオで語ってくれます。

「むかしむかしのものがたり」→
http://radiotomo.typepad.jp/old/
『わらしべ長者』→http://radiotomo.typepad.jp/old/2011/01/11-a051.html
配信は過去2回までとなっていますので、お気を付けください。

これは、彰さんのおっしゃるように、japaneseドリームのサクセスストーリー♪とても小気味の良い物語になっているので、聞いて楽しいお話だろうと思ったし、登場人物も多めなので、演じ分けされるお二人の演技も聞き応えあるだろうな~~
って思ったんですよ^^(実際とても楽しく語られていました、これはぜひ聴いてみてお楽しみください♪)

ですが私がこのお話が好きなのは、ただの棚ぼた式のお話では無くって、その奥にぼやっと横たわるメッセージ的なものなんです。これはもちろん人により感ずるところは違うので、正解などないのですが、
まあ一陽の感ずるところをひとつ。。


以降ネタばれが含まれますので、お気を付け下さい。




南無観世音菩薩 念波観音力 


お話にでてきたこれは観音経の一節です。

仏教ではすべてのものには仏性が、宿っているといわれています。

わらしべ長者のもとは「今昔物語」にもあるそうです(もっと地道な物語ですが)。
そして今昔物語では、法華経の教えが色濃く出てくるようです。
さらには観音経というのは、法華経の中に出てくるお経なんですよ^^

あくまでも男はもともとの努力があっての、はじまりであること。
観音菩薩に祈願したといっても、観音菩薩はわらしべを一本つかませるだけです。
成功をつかむきっかけでしかありません(なかなか努力の報われない男への菩薩からの唯一の救いはここまでです)。

あとは、男の行う行動により、ちゃくちゃくと道を歩むことになるのです。

◆泣いている赤ちゃんを、笑顔にしてあげる(喜ばせてあげる)。

◆病に苦しむ娘さんを助けてあげる(昔みかんには薬効がありました)。

◆死にそうな馬の命を献身的な看病で救ってあげる(命をつなげる)。


温かい心と、他者の力になろうと思う心を起こし、実際に行動することで、その報いが返ってくるという。。。至極あたりまえなことで。。
自らの損得を考えず、他者に尽くす心思いやる心は、菩提心に通づるものだと思います。また起させる心のある物語だとも思っています。勝手にね♪

笠地蔵も同じ意味で好きなお話です。

私は真理だと思うけれど、石田さんにはまた夢や希望と言われちゃいますかね?^^(笑)

ところで藁というのも象徴的に感じてしまいました。
藁は稲。古来より神さまの依りますところですもんね。


やれやれ抹香(まっこう)くさい話になってしまいましたが、平安末期に土台の出来たであろうこの物語の時代には、この法華経が大流行だったんですよ~
神仏習合の時でもあり、その時代背景も匂わせる、とても面白いお話だと思います。

ちなみ厳島神社に納められているなどで、有名な平家納経も法華経で、
截金装飾も含まれている、煌びやかな装飾写経なんです。


補足
私の中で、発菩提心とは菩薩の心を自らの内で起すことと解釈していて、観音信仰とは身の内より観音菩薩(慈悲・慈愛)を出現させる心を起させる信仰だと、観音経をよんでいて、ぼんやりと感じているだけなので、
まともな解説・解釈とは違っているとは思いますが、
そこは一陽の感ずる一つの説として、さらっと流してくださるよう、よろしくお願い申し上げます^^



そしてまたどーでもいい話ですが、お金というものの価値にどうもしっくりこない私としては、この物々交換の方が逆に身近で、きちんと等価交換な気がしてしっくりきます。
なにせ壊れたフライパンを直したら、卵焼きになって返ってくるような生活ですからね。

なので、一生懸命拵えた作品たちが、印刷の紙に変わった時、いつも何だか奇妙な気がしてしまいます。
まだ聖徳太子とか、五百円札とかだったら、きれいで好きだったから、ちょっと嬉しいかもしれませんけどね~

ですがお金があって生活が出来るんですから、大切なありがたい物だとももちろん思っているんです。
でもやっぱり、沢山あるのはあんまり好きじゃないので、むこうも寄って来てはくれませんね(笑)








京都国立博物館に行こう~vol.1

2011-01-08 02:25:13 | 京都国立博物館に行こう!!とその界隈
『高僧と袈裟展』



ええ^^もうとうに終わりました。秋の作品展ですから。。(汗)しかし感想をば~♪


当初、高僧と袈裟??なにゆえに?とか、
また地味なな~??とか
???でいっぱいに成りましたが、
これがどうして~もう2度と拝めないんじゃあ。
という作品ばかりの歴史的にも美術的にも、価値のある素晴らしい作品展でした^^


日本に残っている裂というのは本当に貴重なんです!!
何が貴重かといいますと、通常絹織物・生地というものは、100年ほどの寿命だそうです。それが平安期のものからざっと並べられているわけですから、圧巻です。
正倉院の裂などもそうですが、大陸から渡ってきたものを大切にコレクションし保存してしまいっぱなし^^;まさしくJAPANクオリティーです。
なので世界的にみても日本に残っている裂というのは、本当に貴重なんですよ~

さすが京都国立博物館!!
ですがとてもいい作品展だったのに、残念ながらあまり人は沢山入ってなかったようでした。でもその道の玄人さんとか、リピーターが多そうで、テキスタイル系のデザイナーさん風の海外の方も見かけましたし、織物関係・染色関係の人らしき方もかなり熱心に、それはもう食いつくように観ておられる方もいました。

私も何回もみましたし~^^

でも人がただ沢山入ればいいってだけの作品展では無いことも、また京博ならではの良いところであります。
ただ、良さが広まらない事が、少し残念ではありますが。


とくに海外の方たちが集まっておられたのが、上記の写真にもちらりと載っている『刺繍九条袈裟屏風』だったでしょうか~
重源請来 京都 知恩院 
奈良東大寺を復興した重源が法然に贈ったという伝承を持つそうです。
道教と仏教が習合した文様・諸尊・神仙が美しい刺繍で施され、とても面白い世界観でした。


截金師にとって、袈裟というものの文様が、そのまま截金の文様になるともいえるので、今回の作品展はとても為になりました。
いままで各尊像別に使われ易い文様など、ざっくりとではありますが、頭にぼんやりとは入ってはいたのですが、
こうやって袈裟の文様を時代別に把握できるって、とても貴重でした。
それが実際の織物として目の前にあるので殊更です。
もう、文様を必死で描きとめましたよ~^^


今回注目したのが、中国宋代の頃より、かなり多く目にした「山茶花」の文様です。
日本では文様としてほとんどみたことがない~と、思って文様帳をひっくり返してみましたが、やっぱり無かったです。
そして意外にも、椿の文様もずいぶん時代が下って室町以降から、よく出てくることになります。

しかしながら椿の歴史は古く、古事記・万葉集などには大変に神聖なものとして現れているようです。
ちょうど椿をモチーフにしたいと思っていたので、これは少し椿について調べて、また記事にアップしてみたいとおもいます。

日本古来の椿は日本人が愛してやまない、やぶ椿や雪椿なのだそうですが、
面白いことに山茶花というのは日本から渡った植物で、逆に今私たちが一般に目にする椿が中国から渡って来たのだそうですね。



《お知らせ》
1月8日(土)より2月20まで
京都国立博物館にて

『筆墨精神・中国書画の世界~王羲之から呉昌硯まで~』

特集陳列『生誕125年記念 篆刻家 園田湖城』

詳しくはこちら→http://www.kyohaku.go.jp/jp/index_top.html

こんどは会期中にレポートしてみます。
でも書はさっぱりなもんで、今度はとても難しそうです~^^



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間に合った。。

2011-01-07 01:07:25 | 作品公開
昨日発送して。。
なんとか間に合うそうです。。ふ~



指定の木地を頂いて、実験がてらということで、また漆をかけてたわけなのですが、
なにせ寒いもんで、案の定。。

全く乾きません!!

乾くとはいっても、漆の場合乾燥ではなくて湿度をもたせないと乾かないんですよね。
生き物なんですよ^^面白いですね~

今度のものは、木地物ではありますが割れは入りそうもないので、火鉢コタツではなくて、
漆たちの為に電気コタツを拵えました。

人間のコタツはありません(笑)寒いです^^←でも、嬉しそう

今回細工せず、サラッと野毛や切り箔を蒔いた感じにしてみました。
ふーん。。。逆に、こんな感じも面白いかもしれませんね。

もっと漆を斑にしたりして、雰囲気を出してみようか。。
雰囲気を出せれば、こんな方が色んなものに合わせやすくていいのかも。


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とうとうたらり~

2011-01-04 02:15:08 | Weblog
皆さま^^

新年明けましておめでとうございます~



 翁  とうとうたらりたらりら。たらりあがりいららりどう。
 地  ちりやたらりたらりら。たらりあがりららりどう
 翁  所千代までおハしませ
 地  我等も千秋さむらハふ
 翁  鶴と亀との齢(よわい)にて
 地  幸(さいわい)心に任(まか)せたり
 翁  とうどうたらりたらりら
 地  ちりやたらりたらりら。たらりあがりららりどう
 千歳 鳴るハ瀧の水。鳴るハ瀧の水日ハ照るとも
 地  絶えずとうたり。ありうどうどうどう
 千歳 絶えずとうたり。常にたうたり(千歳の舞)
 千歳 君の千年を經ん事も。
    天津をとめの羽衣よ。鳴るハ瀧の水日ハ照るとも
 地  絶えずとうたり。ありうどうどうどう
 翁  総角(あげまき)やとんどや
 地  ひろばかりやとんどや
 翁  座して居たれども
 地  まゐらふれんげりやとんどや
 翁  千早振(ちはやふる)。神のひこさの昔より。久しかれとぞ祝ひ
 地  そよやりちや
 翁  およそ千年の鶴ハ。萬歳楽(ばんぜいらく)と歌うたり。
    また萬代(ばんだい)の池の亀ハ。甲(こう)に三極(さんきょく)を戴き。
    渚(なぎさ)の砂(いさご)さくさくとして朝(あした)の日の色を朗じ。
    瀧の水冷々と落ちて夜の月鮮やかに浮んだり。
    天下泰平国土安穏。今日(こんにち)の御祈祷なり。
    ありハらや。なじょの。翁ども
 地  あれハなじょの翁ども。そやいづくの翁どうどう
 翁  そよや(翁の舞)
 翁  千秋万歳(ばんぜい)の。悦びの舞なれば。
    一舞まハふ。萬歳楽
 地  萬歳楽
 翁  萬歳楽
 地  万歳楽



昨年は仕事により仕方ないとはいえ、部屋を散らかしすぎた事、
暮の大掃除をもっていたく身に沁みました。


侘びしい住まいとはいえ、本年は

もっと清浄を心がけ、室礼に尽くすこころをもって過ごしていきたいと
思っております。



本年もどうぞ宜しくお願い申し上げまする~



お正月3日目は、『翁』奉納を八坂神社にて拝させて頂きました。
能にあって能にあらず、昔、翁奉納に先立ち7日間の潔斎をし、臨んだそうです。
そのルーツは、お能より更に遠く、深いルーツがあるようですね。

そして私はどうしても装束の文様に目がいってしまいます。
能と歌舞伎では盛況の時代背景の違いからか、装束文様の意味するところが少しですが、
違っていたりして面白いのです。

翁の装束には必ず蜀江文(しょっこうもん)という文様が使われています。
蜀江は中国の蜀の首都を流れる河のことで、この織物の盛んな土地からの文様であると考えられているようです。
文様は八角形と四角形をつなぎあわせたような形をとっていて中に唐花が配されていることが多いです。

しかし能にしろ歌舞伎にしろ、演目、役柄によってそのほとんどが、使われる文様(装束)に決まりがあるのです。
文様を扱う截金師にとって、このことはとても興味深い。。

歌舞音響にはまるで明るく無いのですが、このへんも少しづつでも勉強していきたいと思っております^^


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