一陽来福  ~齋藤一陽による截金の日々~

伝統工芸。截金職人齋藤一陽が、日々の物創りの様子を紹介します。

香合に截金

2009-02-27 02:24:07 | 木地物-作品群-
京木地師、綾部之さんの轆轤細工の香合に截金装飾をさせて頂きました。ありがとう御座位ます。
木地の美しさを生かすため、文様はサラッとあしらった程度です。

しかし綾部さん!もちょっと時間を、下さいっ!!^^
自分勝手な文様にするより、木地の木目に添わせたかたちにしたいので、もう少し木地と過ごす時間が頂きたいのです。



雲を思わせる木目には空を舞う花喰い鳥を。
黒柿の木には、黒柿の黒に高貴に映えるプラチナを中心に霊芝唐草風文様を散らしてみました。
時間の許す限り精一杯はやりましたが、やっぱりもう少し詰める必要があります。
どちらかの百貨店に出展して下さっている?そうです。

神代杉への截金装飾パート2

2009-02-21 01:02:34 | 木地物-作品群-
おなじ天平風でも趣きをかえて、ガッツリと、私にしては豪快?な感じにしてみました^^
今回は、とくによい集中力をキープできたように思いました。
そもそも作業中は無心になるものですが、心も良い状態でした。
でも、文様は早くにきまって下絵も出来ていたのに、なかなか出てきてくれない代物でもありました。
出てくるというのは、降りてくるというか。う~ん。詰まってくるというのか?な?
いつもはしっとり降りてきてから作業に入るので、作業しながら詰めていくのは初めてのことでしたが、少し荒削りにはなるけれど開拓にはいいかもしれないという体験でした。
やっぱり納期もありますし、自分時間という訳にはいきませんものね^^


楽しかった神代杉との生活も終わってしまって、少しさみしいです。
もちろんスッタノハゲタノと、色々不甲斐無くも思う時もありましたが、結局最後は感謝で終わりました。
ありがとう御座位ます。

神代杉への截金装飾。

2009-02-13 21:52:44 | 木地物-作品群-
ある日。
文箱へ截金装飾のお仕事がきました。
素材の木はどんなのが良いのですか?とのご連絡を受け、神社の境内で電話を受けました(熊野曼荼羅を依頼されている神社で打ち合わせ中でした)。
”作家さんたちは神代杉などでされています。桐でも目の細かいものや、細工栄えする木なら何でも”とお答えしました。
後日。神代杉なんて高価過ぎるし、貴重で材が無い!とのお返事で、内心がっかりしていましたが。
熊野(和歌山)の旅にでる数日前に何と、手に入りました!とのご連絡でした^^それもほんの偶然で、和歌山の木こりさんからゆずっていただけたのだそうです。
う~んありがたいことです。
そんな神代杉をせっせとヤスリで肌をなめらかにして、文様は天平風にしてみました。あんまりカッチリしないよう。かわいい感じに。でも繊細に^^
神代杉さん。私の手元に来てくれて、本当にありがとうね;;


神代杉とは
神代の昔から眠りつづけているという意味で、天変地異により、偶然出来た貴重な環境により、千年単位で生きたまま腐らず埋まってしまった木といわれる。主に秋田、山形、伊豆半島などで採掘され、高級日本建築の装飾や、工芸品の製作に用いる。のみを打った瞬間の木目は白いが、数十秒の間に空気と光に触れ、みるみるうちに黒くなる。生命の息吹を感じさせる、神秘的な木である。とのこと

熊野ツナガリで一つ話^^
先日作家の原秀雄さんにオーガニックレストラン・マチャプチャレさんでバッタリお会いしました。
原秀雄さんは蔓・流木の他、流石も使って作品を作っておられます。
熊野には石の信仰があって、窟のご神体を目にしますが、神さまに石の玉(魂)を捧げるって慣わしがあるそうです。
神社に玉(石)を置いてくるって玉置神社そのままではないですか~(笑)


冬のアイテム誕生。

2009-02-06 19:41:17 | お道具考-截金工程を探る-
冬のキリ金は、膠がゼリー状になってしまうので、毎年苦労しています。
なにせ金箔ですから、風が出たり、空気が対流してしまうような暖房器具はもちろんバツなので、火鉢はよく使っていました。
が、今年はふと思いついて、ステンレスの板を渡してみると~
なんということでしょう!!毎年の難を解消です~
今までは湯煎や電熱器などで温め返していました。しかし水分を取られ糊である膠や布海苔が濃くなって、これまた問題だったのですが、今では手間無くうまく温度調節ができるようになりました。
最近では、膠まで炭火で溶かしています。これもまた具合が良いのです♪