日本画グループ『尖』さんで、伝統技法と画材を学ぶの講座が開かれました。
全5講座、10日と17日に分けられました。
10日一日目
《1》長谷川派の技法。
長谷川等伯末裔17世でおられます仲正夫先生により、代々受け継がれてきた技法を披露していただけました。
ああ。こんなことめったに拝めることではありません。
たいへん貴重なもの。拝見させていただきました。
《2》日本画と時代
日本画とは?今後の日本の絵画とは。日本画が訴える力?
絵をとおして、人というものを真直ぐに捉えておられるように感じました。
《3》色と化学
染料と顔料の違い。有機顔料と無機顔料。
初歩的なことから、分かりやすく教えていただきました。
学生時代に聞いたことのある、専門用語がちらほら。忘れています。
少し、勉強しなくては。
17日二日目
《1》天然染料について
染料からできる顔料。ずっと使ってみたいと願っています。
でも、きれいな色をとりだすことがどれだけ難しいことか理解できました。
吉岡先生の工房では、ほんとうに美しい色の染料をあつかわれておられ、憧れてやみません。
色は化け学により裏付けがあるものの、本当にきれいないろは、まるで奇跡のようだな。と感じました。
《2》箔の話
尾形光琳の紅白梅図屏風の箔技法についてのお話。
以前。NHKで、尾形光琳の紅白梅図屏風は箔押しでなく、刈安の染液で塗ったあと、金泥を塗る。それが金箔の騙絵となっている。というものが放映されました。
テレビでは、復元した様子も映っていましたが、正直なところどう見ても箔押しには見えず、また当然の事ながら、金泥をあんなにたくさん使うほうがコスト的に高く付くので、まったく意味が分からない。というのが当時の感想でした。でも、えらい学者さんが科学的に証明したことなのだろうと思い、面白がって私も実験してみました。
やはり、それはとうてい箔を押したものには見えませんが、なんとも上品な仕上がりになり、わたしはホクホクとしてそれきりすっかり忘れてしまいました。
そんな中。真実は箔押しであろうと箔の職人さん達は、がんばっておられました。
私も、個人的には箔だと思います!
前に修復をやっていたお友達から聞いた話を思い出しました。
とあるお寺で建物を復元することになり、宮大工さんと学者さん達の間で意見が分かれてしまいました。東と西を別々に建てたそうですが、残念ながら学者さん達の建物は、まともには成らなかったそうです。
文献にもとづき、資料どうりに作る事で当時の姿がそのままによみがえる。
そこには、もちろん情熱もあって立派なことだと思います。
でも、ものを作ったことのない人に、その資料がどれだけ読みとれるものなのか疑問です。やはりその道のスペシャリストに伺ってみなければ。
どうも学者さんたちは、そこを省いてしまっているように思えてならず。
今後の文化財保護にも、漠然とした不安を感じます。
もっと力を出し合える環境と、体で体験しているひとの話も柔軟に受け入れる姿勢をもって欲しいと感じました。
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