一陽来福  ~齋藤一陽による截金の日々~

伝統工芸。截金職人齋藤一陽が、日々の物創りの様子を紹介します。

【webラジオ昔話】むかしむかしのものがたり 第11話「わらしべ長者」

2011-01-14 16:37:14 | webラジオ昔話むかしむかしのものがたり
今回は、わらしべ長者~^^
これ実はリクエストしていた一人だったので、とても嬉しいです~

石田彰さんと氷上恭子さんがたったお二人だけで、昔話をwebラジオで語ってくれます。

「むかしむかしのものがたり」→
http://radiotomo.typepad.jp/old/
『わらしべ長者』→http://radiotomo.typepad.jp/old/2011/01/11-a051.html
配信は過去2回までとなっていますので、お気を付けください。

これは、彰さんのおっしゃるように、japaneseドリームのサクセスストーリー♪とても小気味の良い物語になっているので、聞いて楽しいお話だろうと思ったし、登場人物も多めなので、演じ分けされるお二人の演技も聞き応えあるだろうな~~
って思ったんですよ^^(実際とても楽しく語られていました、これはぜひ聴いてみてお楽しみください♪)

ですが私がこのお話が好きなのは、ただの棚ぼた式のお話では無くって、その奥にぼやっと横たわるメッセージ的なものなんです。これはもちろん人により感ずるところは違うので、正解などないのですが、
まあ一陽の感ずるところをひとつ。。


以降ネタばれが含まれますので、お気を付け下さい。




南無観世音菩薩 念波観音力 


お話にでてきたこれは観音経の一節です。

仏教ではすべてのものには仏性が、宿っているといわれています。

わらしべ長者のもとは「今昔物語」にもあるそうです(もっと地道な物語ですが)。
そして今昔物語では、法華経の教えが色濃く出てくるようです。
さらには観音経というのは、法華経の中に出てくるお経なんですよ^^

あくまでも男はもともとの努力があっての、はじまりであること。
観音菩薩に祈願したといっても、観音菩薩はわらしべを一本つかませるだけです。
成功をつかむきっかけでしかありません(なかなか努力の報われない男への菩薩からの唯一の救いはここまでです)。

あとは、男の行う行動により、ちゃくちゃくと道を歩むことになるのです。

◆泣いている赤ちゃんを、笑顔にしてあげる(喜ばせてあげる)。

◆病に苦しむ娘さんを助けてあげる(昔みかんには薬効がありました)。

◆死にそうな馬の命を献身的な看病で救ってあげる(命をつなげる)。


温かい心と、他者の力になろうと思う心を起こし、実際に行動することで、その報いが返ってくるという。。。至極あたりまえなことで。。
自らの損得を考えず、他者に尽くす心思いやる心は、菩提心に通づるものだと思います。また起させる心のある物語だとも思っています。勝手にね♪

笠地蔵も同じ意味で好きなお話です。

私は真理だと思うけれど、石田さんにはまた夢や希望と言われちゃいますかね?^^(笑)

ところで藁というのも象徴的に感じてしまいました。
藁は稲。古来より神さまの依りますところですもんね。


やれやれ抹香(まっこう)くさい話になってしまいましたが、平安末期に土台の出来たであろうこの物語の時代には、この法華経が大流行だったんですよ~
神仏習合の時でもあり、その時代背景も匂わせる、とても面白いお話だと思います。

ちなみ厳島神社に納められているなどで、有名な平家納経も法華経で、
截金装飾も含まれている、煌びやかな装飾写経なんです。


補足
私の中で、発菩提心とは菩薩の心を自らの内で起すことと解釈していて、観音信仰とは身の内より観音菩薩(慈悲・慈愛)を出現させる心を起させる信仰だと、観音経をよんでいて、ぼんやりと感じているだけなので、
まともな解説・解釈とは違っているとは思いますが、
そこは一陽の感ずる一つの説として、さらっと流してくださるよう、よろしくお願い申し上げます^^



そしてまたどーでもいい話ですが、お金というものの価値にどうもしっくりこない私としては、この物々交換の方が逆に身近で、きちんと等価交換な気がしてしっくりきます。
なにせ壊れたフライパンを直したら、卵焼きになって返ってくるような生活ですからね。

なので、一生懸命拵えた作品たちが、印刷の紙に変わった時、いつも何だか奇妙な気がしてしまいます。
まだ聖徳太子とか、五百円札とかだったら、きれいで好きだったから、ちょっと嬉しいかもしれませんけどね~

ですがお金があって生活が出来るんですから、大切なありがたい物だとももちろん思っているんです。
でもやっぱり、沢山あるのはあんまり好きじゃないので、むこうも寄って来てはくれませんね(笑)









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