一陽来福  ~齋藤一陽による截金の日々~

伝統工芸。截金職人齋藤一陽が、日々の物創りの様子を紹介します。

追記:ヘレニズム文化とゴールド・サンドウィッチ・ガラス。

2011-12-30 16:36:11 | 截金の歴史を探る
今年秋。残暑の残る中。
念願の
中近東文化センターに行って参りました~^^
http://www.meccj.or.jp/

あまり時間がなくて、図書館に心残り。。
ま。
すごい蔵書で、一陽にわかる本なんてほとんどありませんが、蔵書に囲まれているだけでも幸せっていうか、
よい本に出会えるのって、とてもわくわくする事だから。

目的は、こちらに所蔵されている。截金らしきものが施されたゴールド・サンドウィッチ・ガラスだったのですが、一陽のもっていた情報が古すぎて、近頃ではめったに展示をされていないとの事。
当時の担当の学芸員さんも、もういらっしゃらないご様子でした。

このゴールド・サンドウィッチ・ガラスを調査された、こちらの文化センターの刊行物のコピーを以前に頂いていて、やっぱりせめて本だけでも本物がほしいな~と思ったのですが、それも廃刊。。絵葉書も廃版。。
振られっぱなし。

京都から来たのに。。と、しょんぼりしていると。受付の方が学芸員さんを呼んでくださり。廃版になった本を、時間をかけて発掘して下さいましたー^^ありがとうございます。
こんなに博物館・美術館で親切にして貰ったのははじめてです。

そういえば、この時一陽は、田舎から京都に帰る途中で立ち寄ったのですが、田舎で手作りだという座敷箒(ほうき)を購入~
箒をキャリーバックにくくり付けた、とても変な人でしたよ~
でも優しくして貰いました^^



ローゼット文様のゴールド・サンドウィッチ・ガラス 紀元前3~2世紀 東地中海地域

学芸員さんといっても、美術というよりは、考古学の先生なのかな?
美術館は、体験コーナーがたくさんあって楽しめる感じになっていました。
お部屋に何人もボランティアガイドさんがいて、説明もしてくださるし。学芸員さんも常にウロウロしているご様子。ギャラリートークもあって、充実しています。

しかし文様がかわいい~^^そして質感が乾燥した感じでなんともいえないですー

結局は、この辺りから何でもシルクロードを渡って、日本にたどりついている訳なのですから、原点はすべて西アジアにあるのですね~

この技法のガラスボウルも、紀元前3~2世紀くらいのもの。ヘレニズム期のテーブルウェア。
文字通り、ガラスとガラスの間に金箔を細工したものが挟んであります。
ギリギリ宙吹き技法が発明される以前のもので、ガラスは鋳造し研磨したもの。
金箔が挟んであるのですから、ガラスボウルは2つ。
これをピタッと合わさるように鋳造し、研磨するのは、大変な技巧です~
その当時の超絶制作技法については推察に過ぎず、いまだ不明瞭な点があるということです。


そして以前紹介した大英博物館のものなどの、出土地域を考えると。


アカンサス文様のゴールド・サンドウィッチ・ガラス 
紀元前3~2世紀 南イタリアのプーリア、カノッサのカタコンペ

やはりイタリアが優勢で、一般にはアレキサンドリアとされているそうですが、南イタリアに工場があった可能性が高いということです。


ヘレニズム時代ならではの、文化や技術がたくさんの行き来をしていた様子が浮かびますね~
しかし世界史まったく追いつきません。日本でさえままならないのに~

そして次の截金技法の行き先を、中国に追っていきたいと思います。
まだ、全くの資料不足と勉強不足ですが~^^



追記:ですが二つのガラスボウルをみるに、なんだかまったくタイプが違いますよね。この時期流通も盛んであったでしょうが、作られた場所。民族は違うように、妄想族は思わずにいられません。
だって手が、まったく違うし、匂いもまったく違いますよ~
用途だって微妙に違うかもしれませんね~
私はシリアやその地中海近辺にも、生産地があったのでは。と思います。文様とか匂いとか。
妄想と勘によるものですが(笑)。。







着付け教室をはじめたお友達たちがリンクを貼ってくれました。
ふあふあくらぶ 奈良の生駒で着付け教室・苔盆栽・パン教室

京女さとこはんは一陽の帯留めを身近に実際に使って下さっています^^
記事で紹介してくださいました。ありがとうございます。
さとこの着物まわり
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