ICANまにらブログ~第二巻~

日本のNGOアイキャンまにら事務所の日記。

「世界結核デー 08'」①

2008年03月20日 | スタッフとオフィス
すずき@まにら

1882年3月24日、コッホ※が結核菌発見の発表をしたことに因んで、1997年に3月24日を「世界結核核デー」とし、毎年この日の前後に世界各地で結核に関するイベントが開催されています。

世界結核デーを間近に控えた3月11日、ICANのスタッフであるマデットとテスが、RIT/JATA Philippines, INC.(Research Institute of Tuberculosis / Japan Anti Tuberculosis Association)が主催するワークショップに参加してきました。RIT/JATAはフィリピンの結核対策の中核を担うNGOとして、昨年設立されたばかりの新しいNGOです。

このワークショップの目的は公的医療機関(保健省・公立病院・保健所)と、私的医療機関(私立病院・NGO・住民組織)が協力し、各機関や団体が持っている特性を活かし、医療サービスの手が届きにくい地域における結核対策を行っていこう、というものです。

今年度はマニラ市のトンド地域と、ケソン市のパヤタス地域に焦点をあてて実施していく予定で、ICANも実施団体の一つとなっており、この日のワークショップには各地域の政府関係者やNGOスタッフが約50名ほど集まりました。(ただ、、、この日はマニラ首都圏のバスとジプニーのストライキがあり、参加者が会場に辿り着けず、開始時間が遅れた上に、参加出来ない団体もいくつかありました。。)



ワークショップでは「マニラ市チーム」と「ケソン市チーム」に分かれ、それぞれの地域を管轄する行政の結核対策従事者(主に医師・看護師)と、NGOの関係者に分かれて行われました。今回は前述したストライキの影響もあってケソン市から参加したNGOはICANともう一団体だけで、しかもその団体は先に帰ってしまったため、途中からNGOはICANのみとなってしまいました。



ワークショップの最中、様子を見に行くとマデットもテスも難しい顔をしています。休憩時間になって、「ワーショップはどう?」と聞くと、2人ともぷんぷん怒っています。話を聞いてみると、「保健局の職員は型にはまった結核対策しか出来ない」とのこと。例えば、DOTSを実施するのはNGOではCHVs(コミュニティ・ヘルス・ボランティア)や住民が、看護師などに代わって患者さんの服薬管理を行いますが、保健局の人は「結核対策従事者は医師・看護師、それに保健師であるべき」と言い切った、とのこと。「もう!わからずやばっかり!」とテスは言います。

今回の参加者にNGOが少なく、意見が受け入れられづらい事もあったと思いますが、保健局の職員にとってNGOがどんな活動をしているのか、コミュニティに入って、どんな役割を果しているのか、まだ認識が薄いのかな、と思ったり、やはり行政はマニュアル通りの結核対策を行いたいのかな、と思ったり、私にとっては興味深かったのですが、マデットやテスにとっては歯がゆい1日だったようでした。

※ドイツの医学者。結核菌、コレラ病原菌を発見し、ツベルクリンの発見をし、ノーベル賞を受賞した。

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