ICANまにらブログ~第二巻~

日本のNGOアイキャンまにら事務所の日記。

母乳は赤ちゃんのためお母さんのため環境のため?!

2008年07月31日 | ひとりごと
ちぇろ@まにら。

8月1日~7日は「世界母乳育児週間」です。
WHO(世界保健機構)は、生後6ヶ月までは母乳だけで育てること(完全母乳)を推奨していますが、フィリピンでは完全母乳の期間が平均1ヶ月未満となっているようです。

母乳は赤ちゃんへの一番最初の「予防接種」となり、身体の免疫力を高めます。さらに、お母さんとのつながりも強めます。産まれたばかりの赤ちゃんをお母さんの胸元にのせると、赤ちゃんは45分以内に自分からお母さんのおっぱいを飲みにいくのだそうです。フィリピン保健省ではこういった映像をビデオにして、ヘルス・ワーカーやお母さん方に機会あるごとに見せて、母乳をあげることの大切さを広めています。

カトリック教会では避妊をすることを中絶と同様にとらえるため、教会は自然避妊法以外の避妊方法を認めていません。完全母乳で育てるとお母さんが次の赤ちゃんを妊娠するまでしばらく間隔をおくことができるので、人工的な方法を避けた自然避妊にもつながるのです。

もし母乳ではなく市販の「ミルク」で赤ちゃんを育てるとすると、1ヶ月あたり3千ペソ(約2500円))かかると言われています。かなりの出費です。ミルクはこちらでは大きな缶で売られているので、ミルクを買えば缶のゴミがでて環境にやさしくありません。また、哺乳瓶などを洗うのに安全な水や洗剤、熱湯などを使って殺菌する作業も必要になります。経済的にも環境配慮のためにも、母乳は良いのです。

ちなみに、赤ちゃんが哺乳瓶を吸うことに慣れると、お母さんのおっぱいを吸うのを面倒くさがってしまうそうです。ミルク、もしくは母乳でも、衛生面も考慮して哺乳瓶よりコップであげることをWHOは推奨しています。しかし、哺乳瓶から飲むよりお母さんのおっぱいから飲む方が赤ちゃんの口の筋肉が鍛えられるという効果もあり、やはり母乳が理想的です。

ICANでも月2回の助産師による検診やアウトリーチの際、あるいは保健教育の母親教室で、積極的に母乳を勧めています。事業地ではなにより経済的だからということで、母乳で育てる人が少なくないのですが、それが具体的にどんなによいかは、知らない人が多いそうです。ですから、母乳が出にくいとすぐにあきらめて粉ミルクにしてしまうこともあるといいます。私自身、まだ実際に事業地でお母さん方とお話する機会をあまりもてていないのですが、世間話などを通じて「母乳のよさ」を広めたいと思っています。母乳で育つと、IQもあがるそうですよ。その昔、ミルク会社のCMで、「ミルクで赤ちゃんを育てるほうが頭が良くなる!」というのがあったそうですが、赤ちゃんの成長のために母乳に代わるものはありません。

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