ワクチンの接種の広報から生まれた残念な顛末と市民の「工夫と知恵の参加」

2021-05-12 05:29:35 | 日記
    福島県郡山市におけるワクチンの接種は県内では先駆けで実施されている。先行の理由は明確ではないが、これまでの経過を一部を重複(10日のブログ)するが報告したいと思う。
 集団接種(市内二医療機関)の予約受け付けの第一回は4月12日、第二回が4月26日~28日であった。そのいずれにも予約が殺到した。多くの高齢者は二日がかりでの申し込み、中には、子どもたち夫婦も総動員しての申し込みを行うなど、しかし、多くは予約が取れずに終わったという状況が続いている。
 そして今般、5月10日からは「集団接種と、かかりつけ医の個別接種」の予約受付が3万人程度を対称に行われることになった。そのことは市の広報、あるいは地方紙欄によって公表され、多くの対象者は期待を持って5月10日を迎えた。
 集団接種の会場は3か所であり、その受付は電話及びインターネットで郡山市予約センターへ。個別接種の131医療機関の予約は、個別代表電話に申し込むとなっていた。さて、5月10日8時30分、各受付窓口に申し込みが殺到した。かく言う私ども夫婦も、それぞれのスマートホンからスイッチオン。残念ながら例の「混みあっています」のメッセージ、またはツーツーの発信音。どこの自宅でも同様な状況が続いたはずである。
 しかし正午前、幸いにして通じる。コロナワクチンの申し込みをしたい旨を伝えたところ「当院での申し込みの受け付けは、5月17日以降土・日を除く、15時より16時30分となっています。接種予定は6月1日ですので、5月29日までは申し込みは受け付けますが、その間、予定のワクチンの供給量に達した場合はその時点で受付を終了します」という説明がなされた。
 65歳以上の接種を求める市民にとって、この説明をどのように受け止めるだろうか。もちろん各医療機関すべてがそうであることの確かめはできないが「市のワクチン接種問い合わせセンター」に確認をしたところ、各医療機関のパワーと供給量によってバラバラであるとの見解が表明された。と言うことは、本日も、また明日も、その実態を知らない皆さんは、期待をこめて電話をかけ続けるたであろうことを推測する。
 同時にその申し込みが、回線一つの代表電話を占有することになり、地域のクリニックは、一般外来患者の問い合わせに支障をきたすことを意味する。となれば、ある意味での医療崩壊を招くとなるだろう。

 本日11日の毎日新聞CUクローズアップで、「ワクチン高齢者向け・本格化」を見出しに『自治体工夫も混乱も』の内容が報じられていた。しかし、前記の報告である5月10日の顛末一つとっても、その工夫もなければ努力もないことを意味することは残念でならない。
 さらにCUクローズアップでも報告をされているが、きわめて少ない供給のワクチンをいかに有効に使うかの工夫にも触れてもみたいと思う。
 ここに同じ県内の福島市の事例がある。5月10日の予約受付は、まず80歳以上を対象にした。午前9時から受付が始まり1時間ほどはつながらないトラブルもあったが、午後5時までに1万3770件を受け付けた。市内の対象者は2万8000人である。よって半数の対象者が予約をとれたことになる。さらには、スマートフォンの操作に不慣れな高齢者を支援するサポーターを、本庁と4支所に配置をしたことも報告をされている。
 
 政府のワクチンに対する政策は国民に不信と不満をもたらしている。それだけではない、ますます混迷と不安を拡大させているコロナ禍から、国民の命と暮らしを守るワクチンの接種に対す地方自治体の愚策もある。その中で、一つでも、二つでも光るものがあるとすれば、そのことを広めそしてまなぶ市民の感性と、それに結び付く地方議員の日常的な活動によって自治行政に反映させることも求められていると考えるが、その報告は少ない。
 
 いつもこの時刻、16時以後はネットを開き県内のコロナ速報を検索する習慣が身についた。次に県のホームページを開き県内の発生状況一覧を見る。
一つ一つの事例に対する年齢、性別、職業、そして感染経路としての「濃厚接触者の有無」を確認する。
 もちろん恐れてはならない。しかし、無症状の感染も拡大をしている現状を考えるとき、どこにウイルスが潜んでいるのかに神経を使い、「己の慣れやサボり、そして緩み」に留意することが重要であり、そのような日々でありたいと思う。