自民党王国「福島の復活」をみる。無所属候補を引き入れ単独過半数

2015-11-27 13:09:32 | 日記

自民党王国「福島の復活」をみる。無所属候補を引き入れ単独過半数

 

   あの3.11から、あと4ケ月で5年目を迎えようとする2015年11月15日に、福島県議会選挙の投票日を迎えた。

   一時期は、多くの選挙区の「無投票」が懸念されたが、公示日が迫る中で候補者が続出、その意味では緊張した選挙戦となるはずであった。しかし、例えば、地方紙が行った候補者アンケートを見ても、第二原発の廃炉の問いについては、一人を除く全員が「廃炉」を公約と答えている。さらに、軸足を再生エネルギーの促進、地域の振興・復興を掲げてのものとなっていた。その意味では「金目」で有権者を誘う運動であり、政権党としての候補者であることを訴えた選挙戦であったと受け止めている。よって反原発、再稼動反対は争点にならず、すれ違いとなった。もちろん自民党の戦略であったことは間違いのない。

 しかも「双葉郡」に隣接するいわき地区においても争点にはならなかった。

 確かに「安保関連法」の戦いは、地方においても敏感に反応をしたことは事実である。そのうねりは消えることなく存在をしていた。それを野党候補者陣営が引き寄せられたかと言えば残念ではあるが不発に近いものになったと受け止めるは私だけであろうか。

 もちろん、自民党は現職4人を含む7人が落選。民主党は候補者が前回を7人下回る16人にとどまったが、いわき市、福島市など定数の多い選挙区を中心に15人が当選した。共産党は5議席、社民党1議席を確保したものの現状維持を守ったという数字である。そのことが、次の地方紙の記事となって報じられた。

 民主党の岡田代表は16日、記者団に「安倍政権がやっている政策を福島県民が是としていない結果だ」と指摘。これに対し菅官房長官は、記者会見で「自民党は推薦候補の当選を含めれば一減にとどまるとして、そんなに敗れたということでもない」と述べたとある。それから一月が経過した福島県政は、菅官房長官が述べた様相に、がらりと姿をを変えてしまった。

 それが「8年ぶりに自民党過半数を制する」との見出しの次の記事を見ることになる。「県議会最大会派の自民党は単独過半数の30議席を確保する見通しとなった。自民が単独過半数を得るのは平成19年以来約8年ぶり。自民は県議選で公認候補26人が当選。追加公認した3人を含め29議席を獲得していた。南会津郡選挙区で再選された無所属の星公正氏(62)が24日に入党し、25日の県連役員会で追加公認が決まる。改選前の28議席を2議席上回り、県議選で目標とした30議席を達成する。連携する公明党と合わせ33議席となる。星氏が所属していた会派ふくしま未来ネットワークは1議席減り、3議席となる見通し」(11月27日・福島民報)

 当選後に転々と政党を渡り歩くのは国会議員だけではないようだ。それにしても「何がそうさせるのか聴いてみたい」ものである。

 福島県政は自民党王国と言われて久しい。だがこの8年間、自民党は公明党を引き入れ、その他の会派の課題別提携の中でなんとか多数を維持してきた。しかし、今般の結果は自民党が息を吹き返したことになる。まさに自民党王国の復活である。

 政党との関係を切り離して当選をした県知事ではあるが、最近の「交付金政治」に身を寄せていく姿を見るにつけ、「県民党知事」をどれだけ貫けるか、一重に県民の政治性と無関係ではないことを痛感する本日の記事であった。