「わからない者には、わからない」。これが政治で通用したらどうなる 

2015-02-25 17:14:47 | 日記

  「わからない者には、わからない」。

         これが政治で通用したらどうなる 

   「顧問」という職がある。よく民間企業が受注のために、その業種と関係の深い事業所の、例えば退職者であるとか、関連企業のアドバイザーであった人と契約し「顧問料」を払う。もちろんデスクはあるが常勤ではない。時折顔を出すだけで良い。また担当者が出かけアドバイスを受ける。紹介状を書いてもらう。また同行を求める。その顧問は後輩などにバトンタッチをする。うまく回転する。そしてパイプは太くなる。

  献金問題で辞任した西川農相が落選をしていた期間、幾つかの業種の顧問をしていたことが取りざたされている。それが政治献金に結び付いたのではと言うことで問題になっている。

  ところで、予算委員会における大臣席からの安倍首相の野次である。民主党の議員の発言中、日教組の「教育会館」から献金を受けている。同じじゃないかという意味での野次であった。さあ、安倍首相は大変なことを言ってしまった。前者の教育会館は、国からの補助金も受けとってもいないし、政治献金もなかった。このことを認めて謝罪した。しかし、後者の砂糖会館と同列視した事実は消えず、首相としての権威も資質も失ったばかりか、説明も、任命責任も免れないであろう。

  ISにより邦人が拘束、殺害された。その検証の中で明らかになったものとして、後藤さんが拘束されたこと、身代金が要求されていることを承知のその時点で、中東における2億ドルの経済援助の声明である。2月20日のブログにも書いたが、首相は避難民援助・人道支援であると強調している。しかし相手は「我々への攻撃」と受け止めた。そのようなことについての警戒と協議が無かったのかという疑問である。このことについては国会の場においても野党から追及をされている。しかし、首相は、「人道支援である」との発言を繰り返している。いみじくも今回の辞任劇で、西川大臣が「説明してもわからない人は、わからない」と突っぱねた。国会における安倍首相の心の中に「わからない者に、何を言っても仕方がない」というものがあるとするなら、そして「テロには屈しない」と突っぱねるとすれば、西川大臣の「突っぱね」発言と同義語と受け止められるだろ。しかも、その発言が首相である限り、「相手国にとっては、日本は敵となり、宣戦布告をされたとなる」。確かに、官邸はあらゆる手だてをとって救出に全力を尽くしていると説明していた。しかし、相手の回答は拒否であり、日本は新たな標的に加えられた。

  さて、民報のテレビ番組である「報道ステーション」にコメンテーターとして出席している元経産省官僚の古賀茂明さんである。彼はこの一件について番組で発言をしている。決して特異なものではない。表現の違いはあれ、おおよそ上記と同様の発言をしていた。しかし、官邸からの猛烈な批判が飛び出したと報じられ、降板が決まった。古館さんも「もしかしたらと」と報じられている。

  これは恐ろしいことである。言いたいことが言えなくなる。このブログの世界においてもそうなってしまうかも知れない。自己抑制が強く働くだろう。それは何時か通った道である。このことも「戦後70年の総括」である。