「今様水戸黄門(安倍首相)に印籠を渡してはならない」

2014-12-10 12:46:00 | 日記

 「今様水戸黄門(安倍首相)に印籠を渡してはならない」

 

  安倍内閣の経済政策である「アベノミクス」の評価が今般の衆議院選挙の争点になっている。結局は、安倍首相の「これしかない」という挑発によるものであり、受けて立つのは当然だろう。

  しかし、この挑発も選挙戦終盤となってやや陰りを見せてきた。それは消費税のさらなるアップを先送りしなければならなかった経済情勢の変化である。内閣府が12月8日発表した2014年7~9月期の国内総生産(GDP)改定値は、物価変動の影響を除いた実質で前期比0.5%減であり、2四半期連続のマイナスで、11月17日発表の速報値(0.4%減)を下方修正しなければならないものとなったことにある。 

  加えて「全国津々浦々」と収益のしずくを強調してきたが、大幅な円安に伴う油・食糧品をはじめとする価格の値上がりは国民の財布を直撃することとなった。いかにごまかそうとも、ごまかしきれない実態が露呈したからである。

  それでも、一旦振り上げた「アベノミクス論」への批判は、なかなか高まらず議席増の動きには陰りが見えない。しかし、諦めるは早い。投票日も含めるとまだ4日の時間がある。そこでもう一つの事例をあげて再度の批判を試みたい。

  本日、10日の新聞報道に日本商工会議所の三村会頭の発言が報じられている。三村会頭は「内部留保の金額320兆円(2014年3月現在)を設備投資に使えと提起している。そして、設備投資によって供給力を高め、輸出競争力を強化することは重要な戦略だ」と(毎日新聞)。日経にも同様な記事が掲載されている。

  さて、この320兆円とはどの程度の金額なのだろう。日本国の平成26年度の国債発行計画は過去最高となり181.5兆円である。これをはるかに超えている。また日銀は2009年9月末の個人金融資産残高が1,439兆円と発表した。この金額には及ばないものの、前記の内部留保額を抱えこんでいる企業は、輸出産業をはじめとする一握りの大企業であることは間違いのない。だから三村会頭は、これら大企業に対し「設備投資と輸出の拡大は重要な戦略だ」と述べている。

  そこで、またしても述べなければならないものに輸出産業の筆頭である「トヨタ」がある。そのトヨタが法人税を払っていなかったということはすでに書いた。つまり単年度の赤字を、数次にわたり負債として計上し法人税を免れたのである。そしてこの12月、「トヨタ世界販売、最多更新へ。来年2年連続1千万台」という方針が報じられている。生産拡大はすなわち雇用の拡大となるのかと言えば、実はそうはならない。それは無人化、機械化に向けた投資によるものである。さらにその生産設備は「原価償却」の名のもとに内部留保の金庫に回される。

  三村会頭は正直である。「使える資金が内部に保有しているではないか。それを使うのが今の時期である」と。

  三村会頭は「設備投資」へであるが、私たちは違う。それこそ「賃金のアップへ。下請け協力会社への発注金額のアップへ。そして非正規労働者の正規化と時給のアップへ。そして消費の拡大へ」を要求する事であろう。

  何と言っても安倍自民党の議席増は止めたい。

  思い出してほしい。2月の衆議院予算委員会における安倍首相の発言である。「最高責任者は私だ!その上で、選挙で審判を受ける」と。

  「今様水戸黄門(安倍首相)に印籠を渡してはならない」