台風一過の朝・震度4・・・・原発は大丈夫かとなる

2014-07-13 08:40:21 | 日記

   台風一過の朝・震度4・・・・原発は大丈夫かとなる

 50年に一度の大型台風8号は、その速度が遅く長時間にわたり荒れ狂った。

 この台風の件については、11日のブログ「死に体に巨万の対策費」の中で触れたが、この「雨台風」も、福島県の浜通りにはさしたる被害を及ぼすことなく過ぎ去ったことは幸いであった。

 しかし、その日の朝(12日)、久しぶりの「地震警報」で飛び起きることになった。この音声は幾度耳にしたことか。震源は福島県沖・震度は4。

 そして、あの戦時下の警報を思い出す。「警戒警報があって、空襲警報となる」。授業中「警戒警報」が発令、学校は児童を家に帰す。だが、その帰る途中で早くも米戦闘機グラマンが頭上に来ている。皆は、我先にと軒先や、堀の中に逃げ込む。戦争末期の記憶が頭を横切る。

 今朝の地震警報も、グラマンではないが「原発は」となる。しかも、原子力規制委員会が提示した「福島第一原発」に対する地震・津波対策の強化が必要という提案が記憶にあるだけに、なおさら「大丈夫か」となる。

 ところで第一原発の5号機・6号機である。

 現在、この2基は「冷温停止状態」にある。静かに眠っていることになるのだが、それは冷却状態が維持されていればのことである。しかし、その「冷却状態」に、しばしばトラブルが発生する。不能に陥る。

 この5号機・6号機の冷却プールには、合わせて2.698本の使用済み燃料棒が保管されている。そのプールを冷却するために海水を送り込んでいるのだが、その配管の弁からの水漏れが発生しているのが発見されたという。東京電力は、この冷却システムを止めて漏れた場所を特定し、修理を行っていると報じている。ニュースを聞く者にとっては「またか」となる。東電に対する不信である。

 東電は「原子炉の冷却には影響はなく、使用済み燃料も当面は安全」だという。だが、言葉じりをとらえるようだが「当面」という言葉も気になる。

 さて、この冷却停止に伴う温度の上昇率であるが毎時0.291度。午後4時の時点のプールの水温は25.5度だったことから、保安規定上の管理温度上限(制限値)の65度までには、5日半程度の余裕があると東電は発表していた。つまり、危険な状態に至るまでは、まだまだ時間があるという「余裕の見解」を表明している。

 それでは問いたい。

 仮に、前記したようなトラブルの発生時に、地震・津波、その他容易ならぬ事態が発生したとする。そのとき「想定外の状態が発生したため、水漏れの修復に掛かれなかった」と答えて済むのかということである。規制委員の一人が「冷や冷やの状態で見つめている」と述べるのも当然であろう。
 「そこに人間が存在し、その設備にかかわることがあって、はじめて、その設備に対する関心が生まれる。生産活動のないものには科学の関心からも外れる。また、そこに金や労力を費やす努力も決意も生まれない。一切が省略される」。

 今回に限らず、原発基地内の汚染水問題も含めたあらゆるトラブルが、このような隙間に生まれるとするなら大変なことになる。

 「生産されている施設を管理するより、生産されない施設の管理を継続することが、より困難であり、細心の注意が必要である」。

 これは、安全管理の鉄則であることを提起したい。