業務日誌

許せないヤツがいる 許せないことがある
だから倒れても倒れても立ち上がる立ち上がる
あいつの名はケアマネージャー

論理は無力である その2

2007年01月13日 | 事例検討
世の中には「泣く子」や「地頭」のように、論理が通用しない相手がいます。
そんな相手にはどうすればいいのか考えてみましょう。
まず、論理が通用しない人とは、そもそも議論をする必要がありません。
「泣く子と地頭とは議論をする必要がない」のです。
(中略)
自分の思い通りになると考えている人に、「論理」だけで交渉する必要はありません。「論理」はそれが通用しない人に対しては無力です。相手が「論理」の力を認めていないと効力を発揮しないのです。
引用:谷原誠著/「わたしと仕事、どっちが大事?」はなぜ間違いか



目くその話はまだ終わりではありませんでした。
私がナース河合の判断を全面的に支持、の態度をとったことが気に入らなかったのか、目くそは、まるで私の前に隠し玉でも出すかのように、ふふんと鼻を鳴らして
「大体ね、Aさんの奥さんは、(ナース)河合さんのことを嫌っているんだわ」
と言うのです。

「Aさんは私たちヘルパーを、誰よりも信頼してくれていて、『頼りになるのはヘルパーさんたちだけ』といつも言ってくれる。なのに河合さんは、Aさんのお宅を訪問すると『ヘルパーさんはちゃんとAさんを入浴させてくれていますか?』とか『血圧や体温を測ってから入浴させていますか?』とか、ヘルパーの私たちを疑うようなことばかり聞くと言って、奥さんを不愉快な気持ちにさせているそうだわ。こんなによくしてくれるヘルパーさんたちを信用していない河合さんなんかに、ケアマネをやってもらわなくてもいいと奥さんはおっしゃるの。」

________思い出した。

このAさんという利用者さんには、数ヶ月前までひがし訪看が入浴介助に入っていた。
要介護5だし、寝たきりで廃用性症候群で拘縮もあって、とにかく状態があまりよくないので、訪看が週2回入浴介助をして、ヘルパーが週1回生活援助に入っていたのだった。
そこへ、奥様と仲良くなった鼻くそが割り込み、
「単価の高い訪看で入浴介助をする必要はない、私たちヘルパーでお世話が出来る」
と、訪看をヘルパーに変更させてしまったお宅だったのだ。
思えばこの一件が、訪看とヘルパーの関係の決定打になったと言っても過言ではない、そういういわくのあるケースだったのです。

しかしナース河合はその後もきちんとケアマネとしての責務は果たしています。
ナース河合は、遺恨を利用者で晴らすようなジメジメした性格ではないんです。
というより、Aさん宅に訪問するときに身体状況やサービス状況を確認するのは当然のことだし、何もヘルパーの仕事を疑って聞き取り調査をしているワケではない。
でも、ひがしヘルステのヘルパーは、そもそもモニタリングというものがわかっていないので、以前アイリン女史に対する抗議の一件でもあったように、「ケアマネがヘルパーの仕事にケチをつける」という捉え方しかできないんです。


・ヘルパーの仕事は時間の切り売りだとしか思っていない。
⇒だから派遣された登録ヘルパーには報酬が自然発生するものと思っている。
・ケアマネの能力は調整力だけだと思っている。
⇒だからモニタリングの意味がわかんない。

ひがしヘルステの指導は、まずそこから始めなければならない段階なんです。

私は少し、鼻くそや目くそのどこがおかしかったのかが理解できました。
が、この場でそれを指摘してもどうしようもありません。
いまや目くそはケアマネ=ナース河合=訪看に対して怒りまくっている「泣く子」同様なんですから。

「いいですか」
私は目くそに向き直って言いました。
「Aさんを含め、利用者さんの介護のサービス費は、Aさんが全額支払っているわけではありません。ほとんど税金でまかなわれているんです。なので、今度から
『このサービス、お給料もらってもいいですか?』
と聞くときは、Aさんの奥さんではなく保険料を負担している国民に聞いて下さい。」
私の言葉の意味がわからず、相変わらず不貞腐れている目くそ。
「国民全員に聞くなんてムリですよね。だったらやっぱり、給付管理を仕事としているケアマネージャーに聞くと早いですよ。ケアマネが信用できなければ、県の介護保険課なんかがいいでしょうね。」

ヘルステから出ようとしてふと心配になったので、
「介護保険課に電話して質問するときは、利用者のフリするといいですよ。絶対に事業所名なんて出しちゃダメですよ。」
とダメ押し____事業所名なんか出されて、居介まで痛くもない腹を探られるのはまっぴらごめん。



ひがしヘルステから居介事務所に戻った私が、自分の仕事の続きをやろうと机に向かったところ、向かいの席からナース河合に声をかけられました。
「ハリケンさん、ちょっと話を聞いて欲しいんですけど」
私はすかさず
「Aさんのことでしょ」
と言って返し、今度はナース河合と、やっとまともな議論をしたのでした。