業務日誌

許せないヤツがいる 許せないことがある
だから倒れても倒れても立ち上がる立ち上がる
あいつの名はケアマネージャー

利用者との約束 3回め

2006年10月23日 | 業務日誌
※ 画像は『魔太郎が来る!』藤子不二夫著。…知っている人はもう少ないかもしれないなあ。

ちょっと言っときたいのですが、前ログ末に書いた私のポリシーみたいなもの
いくら併設事業所にでも、自己判断でタダ働き同然のことを依頼しない
とは、ゴリ押しというか無理ムリな仕事を頼んでしまう⇒借りを作る⇒あとあと自分の首が絞まる。なのでやらないと決めているというイミです。
自分の仕事に便宜を図ってもらったりする(ラクをさせてもらう)と、絶対にどこかでそれ相当のものを返さなくてはならなくなる。その覚悟やそうならない自信がないので頼まない。信念があるようで、実は逃げているポリシー。

少しでも自分に非があるときは口答えや言い訳をしない
とは、まあ社会人として当然のことですが、悪いことをしたら「すみません」でカタをつけられても、問題はそのあとだとよくM主任(元職場)が言ってました…大切なのは「もうしません」の約束だと。自分が間違っているところがあればそこは認めていかないと進歩がないんですよね。認めてしまえばあとは繰り返さなければいい。そう考えると、1番大事なことは「自分の何がいけなかったか」を理解できるようになることなんですね。それが出来れば口答えや言い訳はなくなるはず。
だとしたら逆に、口答えや言い訳しなければ、「あ、この人は自分が悪かったところがどの点なのかちゃんとわかってるんだな」ととりあえずは信用してもらえたりする…つまり自戒ではなく処世術(笑)

とにかく、偉そうなことを書いてしまったことがムズ痒いので“言い訳”してみました。

さて、肩を落として透析ルームへ上がってゆき、まずはケリーさんに謝罪。
ケリーさんに「ヘルパーに断られた」という心細い思いをさせたくないので「すみません、私がきちんと連絡をしなかったものだから、ヘルパーさんに予定が入ってしまって明日のA大hpにはヘルパーさんをつけられなくなりました」と。
ケリーさんはがっかりしてしまい、それまで忘れていられた受診の道行きに対する不安を思い出したかのような表情に。だったらやっぱり押し車を出しとかなきゃ。ひとりで行くのなら、鍵や保険証をまた失くしたりしないように注意しなきゃ。オロオロ。

ケリーさん、下肢はかなり弱っていますが意志の強い方なので、近医だと頑張って自分で歩いて通われます。しかし、このA大hpというのは、まるでひとつの町のように大きな病院で、私学というせいもあり患者が気後れしてしまうほど豪華絢爛な造りで、バカ広いため初診患者が行けばまず迷う(高齢者だしなあ)でしょう。
ケリーさんが普段行く病院のように床にダサいテープで方向指示がしてあるワケじゃなし。受付は全部自動化で、どこにどのカードを入れればいいのやらとまどってしまうだろうなあ。いまだに受付の機械に向かって「もしもし、整形の○○先生お願いします!」と叫ぶ高齢者いるし…。
もともとケリーさん、このA大でシャントを作った方なのですが、行ったのはそのとき1度、1週間のopeの間だけ。以後引っ越したため自宅から遠くなったし、シャントopeした数年後にA大が大改築しているので中の様子もわからない、なのでひがしドクターも近医に紹介状書こうかどうしようか迷ったらしい。
でも鼻くそが依頼を受けたので、だったらやはりシャントのデータのあるA大hpに行ってもらおうとなったんです。
すべては鼻くそが依頼を引き受けたことに繋がっていく。
しかもこのケリーさん、鼻くそヘルステのヘルパー利用者でもあるのです。
むーん、どう考えても鼻くそ頭に来るぞ。やっぱり1番悪いのはおまえだろ。

しかしそんなことを言ってる場合じゃないな。

結局ケリーさんは健気にも「ヘルパーさんに迷惑かけられないから、自分で行ってみる」ということになりました。そして透析ルームの主任やユミちゃんと相談し(森師長はお休みだったのです)、一応家族に報告して了解を得て、その上でもし明日朝の出発前ひとりで受診させるのが不安な状態であればそのときは私が連れて行く、ということになりました。
それから今回のことを森師長にご報告申し上げなくてはならないのですぐさま連絡票を作成し明日イチにお目を通していただけるよう透析主任経由で提出。
事務長に事情を話して、A大hpの医事課に頼んで本来なら予約のとれない初診の予約をとってもらいました。(事務長も大変に鼻くそに憤慨してました)A大ナースや受付宛に私の携帯番号を書いた手紙も持たせた。
治まらない腹の虫と、ケリーさんへの申し訳なさでいっぱいになり、もうこの法人ではやっていけないのではないかと悩んだり(とはいえ、その想いはほぼ毎日私のココロを襲うのですが)しましたが、とにかく現時点で出来ることはすべてやって、明日森師長のお叱りを受けるしかない。
人事を尽くして天命を待つ。

そして次の日、ケリーさんのご家族から「今無事にタクシーに乗って行きました、大丈夫だと思います」との電話をいただき、ホッとひと安心。帰りに気分が悪いときは必ず連絡して下さい、と念を押して、その報告をもって森師長のところへ。


...................森師長との会話を記載する前に...................

この直後に判明したことですが…
やっぱり私、ケリーさんのこの受診に関する依頼、受けていませんでした。
森師長が『ケアマネに確認済』と記録されていたのは、私が不在のときに森師長が居介に内線で「ケリーさんの限度額はどうなっているのかしら?」とお尋ねになり、カニちゃんやアイリンさんが私の代わりにワイズマンを開けて「まだまだ余裕があります」と応えてくれた、つまり私ではないけどひがし居介のケアマネに、限度額の確認をなされたという意味だったのです。
受診や通院がいま訪問介護でどう扱われているのかなどご存知ない森師長は、限度の枠さえあれば鼻くそに依頼できるものとお思いになり、ケアマネを介さずにこの受診を組んで下さったのです。

..........絶句...........

悔しさや怒りよりも、とりあえず森師長に叱られる材料半減でハリケン泣くほど安心。


出来るだけ短くまとめようと思ったのですが、このようなミスを2度と犯さないための備忘録なので長文すみません…。

つづく




利用者との約束 2回め

2006年10月23日 | 業務日誌
※ 画像、久々のパクリゴルゴです。

10月22日、第9回介護支援専門員実務研修受講試験終了。
受験生の皆さんお疲れさまでした。
さっきまで再現問題をざっと見ていましたが、全然わかりませんでした(笑)
要介護認定等基準時間ってなんだっけ?チョッカンモンキーってなんでしたっけ?
今年度の問題は予防に関することが多かったですよね…読んでいて「え、うそ、そうだったっけ?」と勉強になってしまった、ひがしケアプランセンター包括担当ケアマネのハリケンです(爆)。
まあ、あの問題ならウチの青田主任は合格でしょう。ケッ(こらこら)。


さて、明日のケリーさんのA大hp受診介助のヘルパー派遣時間確認のため、鼻くそヘルステへと走った私。
とにかく早く時間の打ち合わせをして、とっとと調整終了といきたい私を待っていたのは


ひがしヘルステ主任、鼻くその


「その派遣はお断りよう」

のアッサリなひとことでした。

「は?」
何がなんだかまったくワケのわからない私に、鼻くそは、申し訳なさの微塵も見せずに言うのです。

鼻くそ
「それ(ケリーさんのA大hp受診の派遣)さあ、こないだ監査で改善命令出された事例と同じでしょう、受診介助では待ち時間と診察の間の請求は不可ってやつ。だとしたらさあ、ケリーさんとヘルパーがA大hpまでタクシーで行って、到着したらヘルパーだけでヘルステに帰って来なきゃいけないでしょう、その帰りの交通費ももったいないしさあ、時間のロスなんだわね。」

説明します。
A大hpはひがしヘルステから車だと40分。
タクシー代は片道5000円を超します。
まさかその帰りのタクシー代をケリーさんに要求するわけにもいかない(ケリーさんはナマホなんです)。
待ち時間や診察時間は算定不可なので、ヘルパーは受診科の受付にケリーさんを置いていったん帰らなくてはならない(大学病院の待ち時間なんて待たせられませんし、ケリーさんは、待ち時間中の介護が必要と計画に書くとウソになる程度の利用者さんですし)。
となると、ひとりのヘルパーがケリーさんのタクシーに同乗し、もうひとりのヘルパーが後ろから公用車で追跡し、A大hpで合流してヘルパーふたりで帰ってくる、という大変にムダな派遣(しかも往復この作業)なのです。
身体介護2、402単位が2回ぽっちの報酬で、こんな派遣依頼を受けてくれる事業所はありません。ひがしのヘルパー、そんなにヒマではありません。
しかしこれまでひがしヘルステは、自法人の利用者(患者)であるという理由で、このような派遣でも必ず受けてきました。森師長の強力なプッシュのせいもあります。なのになぜ今回は、こう掌を返すような態度に出るのでしょうか。

「ちょっと待って下さい。」
私は鼻くそに言いました。
「これがそういう無駄の多い派遣だということは、最初からわかってたんでしょう?でも、透析ルームから直接の依頼に一度は『OK』の返事をして、その上鼻くそヘルステ主任の都合に合わせた日時で受診日を決めたんじゃありませんか?なのに今さら『行かない』ってどういうことですか?」
鼻くそは私の目を見ずに言いました。
「だいたいさあ、これまでいつだってクリニックは、そうやって自分とこの患者さんにサービスするために、私たちヘルパーを使ってきたのよね。でも監査もあって改善命令も出たことだし、これからはそういう依頼は受けないことにしようと思うのう。」

ハリケン 切れる寸前。

「そうですね、鼻くそ主任の言うことはよーくわかります。私だってヘルパーだったら、そんな仕事は請けません。 でも鼻くそ主任は1度引き受けたんです。今から介護タクシーを使おうにも、契約しなきゃならないのに間に合いません。報酬が云々と言う前に、事業所責任としてどうですか?第一これはサービス提供の拒否にあたるのではないですか? 」

鼻くそは、あらかじめ準備していただろう切り札を、今こそ使うべき時と思ったかのように言いました。

「そもそもさあ、ハリケンさん、私たちケアマネからの依頼がないと仕事は出来ないのよう。なのにケアマネから何も連絡がないもんでさあ、動きようがないでしょう?」

ハリケン 大ピンチ!

................そうです。
それを言われてしまうと、ひとこともありません。
言葉につまった私の様子を見て、鼻くそは形勢が逆転したのを見て取り、追い討ちをかけるように言いました。
「それにさあ、ケリーさんのこの受診、シャント外来でしょう?体調不良じゃないしさあ、今だって近所の病院まで歩いて通ってる人なんだからさあ、私としてはこの派遣はヘルパーの必要はないと判断したんだわね。そりゃ最初は依頼を受けたけどさあ、コストもあれだしリスクもそれだし、さして必要とも思えないし、予定は空けてたけどケアマネから連絡もなかったしってことで、悪いけどお断りさせてもらうわねえ。」

ひとことも返せない..................。


ケアマネの仕事をしていく上で、私が「これだけは絶対にしないようにしよう」と決めていることがいくつかあって、

いくら併設事業所にでも、自己判断でタダ働き同然のことを依頼しない

少しでも自分に非があるときは口答えや言い訳をしない

の2点は、その決め事の中でもトップランクに位置するものです。
私は無言でヘルステを後にし、みじめな気分で透析ルームに向かいました。
.............透析ルームで私を待っているケリーさんと、透析ナースに頭を下げるために。


つづく