業務日誌

許せないヤツがいる 許せないことがある
だから倒れても倒れても立ち上がる立ち上がる
あいつの名はケアマネージャー

それが言いたいばっかりに

2006年10月01日 | 業務日誌
※ 画像、なんて漫画だったか忘れちゃいました。

唐突ですみません。
先月末から毎日のように電話をかけてくる利用者家族がいるんです。

ブランドン(仮名)78歳男性。
要介護3 アルツハイマー型認知症です。
妻、長女家族と同居しており、助言や介護への抵抗や拒否があり、妻が介護していましたが体調を崩してしまったためデイサービスを3/週利用してなんとか日中の介護負担軽減をはかっています。
妻ブレンダ(仮名)72歳は介護疲れで倒れる寸前なのですが......

ムリもないことなのですが、ブレンダには夫ブランドンの認知症がどうしても受容できません。
毎日毎日、これまで出来ていたことが出来なくなってゆく夫に驚き、途方に暮れています。6月頃から私は、ブレンダからの電話に対応してきましたが、その内容がもうまるでコントなんですわ。
「ハリケンさん、お父さんがデイサービスから帰ってきたとき、私に『お邪魔します』と言った!」
「ハリケンさん、今日はお父さんが私に『いつもお世話になってます』と言った!」
「ハリケンさん、今日はお父さんが私に『トイレを貸して下さい』と言った!」

...........数ヶ月もたつと「今日はお父さん何て言ったんだろう」とワクワクするようになりました(ウソです)。
8月末頃、あまりにもブレンダが焦燥というか疲れてイライラした様子なので、ショートステイ利用を勧めてみたのですが、その際にもブレンダが
「お父さんに聞いてみる」
と言い、
「お父さんが『イヤだ』と言ったからやめとく」
となり、
「それではブレンダさんが倒れてしまいますよ、それでもいいんですか?」
と軽く脅したらブレンダが再度お父さんに
「ハリケンさんがこんなふうに言ってみえるけどどうしてもイヤ?」
と聞いたところ
「お父さんが『じゃ行く♪』と言ったのでお願いします」
とアッサリ決まるという具合の、深刻なワリには脱力系の認知症高齢者を抱えるご家庭の事情。
そこであわてて近所のショートを1週間ほど組んだところ、今度は長女が『もうひと声!』と割り込んだためにいきなり2週間のショート利用となり。

ショートに行く10日前に
「認知症の方がショートステイを利用されると、入所前とうってかわった様子に感じられることもありますので覚悟しておいて下さい」
と説明しました。
その頃にはもうすっかりショート先の相談員(色黒・ツン髪・ピアス・白い歯・体育会ヒップホップ系)の「奥様ご心配なく」な頼もしいひとことに魅せられてしまっていたブレンダは
「大丈夫ですよ」
とホクホクしていました。



14日間のSSを終えて帰宅したブランドンは、長年暮らした自宅のトイレの場所がわからなくなり失禁するように。
ブレンダパニック。
仕方なく紙パンツで対応しようと、リハビリパンツを山のように買い込んで準備万端整えたら次の日には、もともと尿管結石の既往のあったブランドン、突然なんと完全な無尿になってしまいました。
ブレンダ発狂。
かかりつけ、内科、総合病院、泌尿器科を転々とした結果はといえば、あちこちでカテーテルを入れたり出したり入れたり出したり入れたり出したりされ、結局やっぱり留置カテーテルになりましたというオチ。

そんなこんなプロセスの一部始終を、あるときは入所日退所日に付き添い、あるときは1日何回も電話で聞かされ、優しく見守ってきたハリケンですが、どうしてどうしてこのブレンダ、実に行動力のある女性です。
「もうどうすりゃいいんだかわかりません」
と泣きついたかと思えば、次の日には(ちゃんと説明したにも関わらず)突然勝手に老健に入所申し込みの電話を入れてるし(『この方は特養に入居申し込みはされてますか?』と、老健の相談員から連絡があった日にゃもう)、老健に入れろと言うかたやで今度はどこぞのレンタル屋にベッドを持って来いと電話してるしで(ベッドのことだってちゃんと説明したんですよう)ブレンダ大暴走です。

いいんです、ケアマネってのは所詮、頭を下げるためにいるんですから。

でも、今の私が一番困っているのは、ブランドンがそれまで通っていたデイサービスはっぴいでいず別名:超素人集団/管理者のはっぴいさんです。
彼女はSSから戻って留置カテーテルになったブランドンを見て「オヨヨヨヨ、お労しやブランドン!」「SSなんかに入れずにウチに毎日通わせればよかったものを」と、そら見たことかとばかりにあてこするのです。
SSに入れる前にもこのバカ管理者は、なんの真似なんだか「やめたほうがいいですよ」「ストレスがすごいですよ」などとオドシをかけていたらしい。
で、出てきた結果がこれだもんで「ほーら見てごらん」、さぞや気色のいいことでしょうが、認知症の方がSS後に混乱してしまうのは、決してSS施設のせいではないと私は思いますし、ましてや同じ介護サービス事業者がそれを責めるのはあんまりです。家族のことも責めているのと同じです。
何度注意してもこのような品性のない発言をやめないので、近いうちに家族のフリして国保連に苦情いれたろと思ってます。

それはさておき、ブランドンとブレンダをこれからどう支援していこうか、ホント頭を悩ませている私です。
とりあえず入所の申し込みせな。