
東京国立博物館では平成館で三国志展を開催していて大盛況だが、併せて『奈良大和四寺のみほとけ』という小規模な企画展をやっているので見に行ってみた。特別展は1000円以上の入場券を買って、並んで見ることが多いが、今回は620円で本館の他の展示物も見ることができる。

正面から入ると右側の第11室で開催中。4寺とは岡寺・室生寺・長谷寺・安倍文殊院のことで入口すぐのところには長谷寺「十一面観音菩薩立像」(重文)、それほど大きな像ではないが珍しい金銅仏でキラキラと輝き、仏像はもちろん、光背の美しさ、細工の細かさに目を奪われる。

次に目を惹いたのは岡寺「釈迦涅槃像」(重文)、日本では珍しい涅槃像である。お隣の国宝の義淵僧正坐像も深いシワと肋骨の浮いた胸が悟りの境地に入った者の強さ、精神力などを感じる。


さらに室生寺の2体、十一面観音菩薩立像(国宝)と釈迦如来坐像(国宝)。有名な仏像で現地でも拝ませて頂いたがまだ光背には色も微かに残されていて素晴らしい。この企画展は大規模ではないが秀作が並んでいた。


折角なので隣の展示室からまわる。漆工、金工、刀剣、陶磁、アイヌと琉球、近代の美術と常設展や企画展を観ることができる。刀の鍔、小さな茶碗、金銅の五鈷杵、小さな孔雀の陶器など普段観ることのない素晴らしい作品を観ることができる。


また、「アイヌと琉球」の企画展では先日松前城の博物館で見たようなアイヌの作品も陳列されていた。さらによく観ると東京国立博物館の建物自体もなかなか素晴らしい。


時間が遅くなり、2階には行けなかったが、余裕を持って庭園や2階の展示物もゆっくり見てみたいもの、それにしても外国人の姿が多いのには驚かされる。
