
『改めて日本語を考える』その19。書き始めから本題と外れるが、最近スマホのイヤホンをauのポイントで購入した。auポイントの期限が迫り、サイトを見ていたらAppleのAirPodsそっくりの商品が出品されている。しかも価格が1500円。自分のお金を使わずポイントのみで買えるため、つい即購入してしまう。商品名は『i7S TWS』というもの。

私は本物のAirPodsを持っていないため、よくわからないが、本物よりは一回り大きいらしく、娘の耳の穴には入らないと言われた。しかし、私が使ってみると普通に使える。本物は光らないにもかかわらず、コピーの方は赤・青に時々光るが、それも特に気にもならない。まあ、いつ壊れるかは分からないが。

こういうコピー商品を日本語では『バッタもん』というが、その由来はなんなのだろうと気になった。調べると『バッタもん』にも2通りの意味があり、①正規流通ルートで仕入れたものでない正規品、②偽物の商品、とある。なるほど、本件は②だろう。では『バッタ』とは何なのか。語源は諸説あるが、①倒産した商店の品物を安く買い叩く業者をバッタ屋といい、この輩が扱う商品だからバッタもん、②バナナの叩き売りのように露天商がハリセンで台をバシバシ叩く音から、③昆虫のバッタのようにあちこち店が移る、または商品が移るから、などの説がある。倒産品のため、バダバタして処分するからというあたりから来ているように思えるが。

関西ではバッタもんを『パッチもん』『パチもん』ともいうが、これは関西弁の『パチる』=盗むに由来するらしい。他にも『嘘っぱち』から来るとも言われている。

ちなみに冒頭のイヤホンは使い心地は悪くなく、充電も1時間以上持つのである。本物はよく知らないが。