放菴日記抄(ブログ)

これまでの放菴特集・日記抄から「日記」を独立。
流動的な日常のあれこれを書き綴ります。

うたのチカラ

2011年12月02日 13時36分31秒 | Weblog
うたのチカラ、ってすごいな、と時々感じる。

ある特定の体験をすると、心の底に、その体験を想起させる「ツボ」のようなものができる。
この「ツボ」を押されると、不覚にも涙腺のスイッチがはいってしまう。。

「うた」はときどき、このスイッチを難なく探し出してしまう。
非常に困ったものだ。

先々月、テレビでいわき市のフラガールの特集を観た。
そこで紹介されていたのがAirialの「息吹」という曲。

何気に聴いていたら(「あ、歌上手いな」とか考えながら)、あるフレーズにきて心をワシ掴みにされた。

 ~ 暗い瓦礫の中から
     明日へ生きろと 声がする ~

うわぁ・・・、そう来たか。
この一言で、それ以後の歌詞から連想される風景ががらりと変わった。

 ~ いまあなたの声が聞きたい いま温かい声が 聞きたい ~

何気に聴くとただのラブソングだけど、さっきのあのフレーズの後に聴くと、被災地に生きる必死な想いが切ないほど伝わってくる。

これは「絶望」を経験した人のための歌だと思った。

僕らは圧倒的な「絶望」に直面した。
巨大で、残酷で、容赦のない・・・。
 多くのものを失くし、あとに寒さと断絶と瓦礫と差別が残された。
  終わらない悪い夢。生きていることが理不尽なような逆相の世界。
   ここから始めるしかなかった。
    恨んでも悲しんでも、ここに居続けることが生きること。
    だから、生きることを止めないで。
     いつかこの地にたくさんの花をさかせるまで・・・。

うたのチカラって、スゴイ・・・。
この曲を聴いている瞬間、気持ちは3月に戻ってしまう。
思い出すのは、あの閉塞感と、薄氷の上を歩くような心もとない、けれども確かな僕らの息遣い。
あのとき、みんなが同じ息遣いをしていた。まるで少ない酸素を分け合って吸っているような・・・。
いけね、鼻の奥がツーンとしてきた。

「息吹」はそもそもスパリゾート・ハワイアンズが再起と被災地の復興のために提供された楽曲。
だけど、これはハワイアンズのみならず、多くの人に聴いてほしい一曲だと思う。

フラガールのメンバーも「みんなに聴いてほしい」とテレビ特番で言っていた。
ありがとう。

もっともっと多くの人に聴いてほしい。僕もそう思います。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 東日本大震災~The Life Eate... | トップ | 寒空の救出 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事