本作はもともと地元の新聞に連載されていたのをポツポツと読んでいたが、映画化されるのを知り、あらためて興味が湧いた。で、書店で見つけたのを機に買って読み直そうと思った次第。
これは刑事モノというジャンルでいいんでしょうか?
仙台市のとあるボロアパートの一室で、身体を拘束され餓死した遺体が発見されるところから物語はスタートします。手足を縛り餓死するまで放置するという殺人方法に並ならぬ憎悪を感じ、ベテラン刑事が事件解決に挑む。やがて二人目の犠牲者が発見されて・・・。悲しくて、切ない話が仙台や周辺の地域で展開される。
まぁず、仙台在住としましては、場面設定がリアルすぎてイタイくらい。
登場人物の職場も実在するものに酷似しすぎ。あんまり悪く書かれると気の毒になります。
特に注目すべき点 - この物語は、最後のセーフティネットと呼ばれる生活保護制度を土俵にして展開していること。
護りたかった人
護られなかった人
護ることを忘れた人
生活保護という制度の厳しい現状を生々しく描き出していて、寒気をおぼえるくらい。
護るべきは何なのか。
人それぞれだけど、誰かの大事なものを察する感度は持ち続けていたい。
失いそうになったら、一緒に声を上げてみたい。
それを偽善と嗤う人もいるけど、誰かが聞いてくれるならそれでもいいや。
オトナになると、求めることが何かを奪うことになったり、
我慢することが為にならないことだったり、
助けることが貶めることだったり、
助けないことがリスペクトすることだったり、複雑すぎるんだけど、
何も気が付かないでいることが一番残酷だってことはよくわかった。
「気持ち」的解釈をすれば、日本の福祉ってやつは、どうも「気づかないでいたこと」をひっくり返す人がいて少しずつ多様化していったようだ。
多様化して複雑に展開していわゆる「セーフティネット」と呼ばれる形態に進化しつつある。だから財源と人材さえあればどこの国よりも高度なものが作れたはずだった。
年金制度の破綻が世情を不安定にし、バブルを壊し、未だに世情不安から開放されない。だから心身に歪みを抱える人達が世の中を揺さぶり続けている。パッチを当てるが如く支援を試みるが、こっちも多様化しすぎてセフティネットではカバーしきれないでいる。これが今の現状。そのうち直接コミュニケーションを取るのが危険なくらいに誰しもが多様化しまくるのではないだろうか。そうなったとしても果たして誰かの大事なものを察する気持ちを持ち続けられるだろうか。
「護られなかった者たちへ」は今タイムリーだけど、そのうち時代が進んで、理解出来ない話になってしまわないか、そう思うほどに今、世の中が怖い。
これは刑事モノというジャンルでいいんでしょうか?
仙台市のとあるボロアパートの一室で、身体を拘束され餓死した遺体が発見されるところから物語はスタートします。手足を縛り餓死するまで放置するという殺人方法に並ならぬ憎悪を感じ、ベテラン刑事が事件解決に挑む。やがて二人目の犠牲者が発見されて・・・。悲しくて、切ない話が仙台や周辺の地域で展開される。
まぁず、仙台在住としましては、場面設定がリアルすぎてイタイくらい。
登場人物の職場も実在するものに酷似しすぎ。あんまり悪く書かれると気の毒になります。
特に注目すべき点 - この物語は、最後のセーフティネットと呼ばれる生活保護制度を土俵にして展開していること。
護りたかった人
護られなかった人
護ることを忘れた人
生活保護という制度の厳しい現状を生々しく描き出していて、寒気をおぼえるくらい。
護るべきは何なのか。
人それぞれだけど、誰かの大事なものを察する感度は持ち続けていたい。
失いそうになったら、一緒に声を上げてみたい。
それを偽善と嗤う人もいるけど、誰かが聞いてくれるならそれでもいいや。
オトナになると、求めることが何かを奪うことになったり、
我慢することが為にならないことだったり、
助けることが貶めることだったり、
助けないことがリスペクトすることだったり、複雑すぎるんだけど、
何も気が付かないでいることが一番残酷だってことはよくわかった。
「気持ち」的解釈をすれば、日本の福祉ってやつは、どうも「気づかないでいたこと」をひっくり返す人がいて少しずつ多様化していったようだ。
多様化して複雑に展開していわゆる「セーフティネット」と呼ばれる形態に進化しつつある。だから財源と人材さえあればどこの国よりも高度なものが作れたはずだった。
年金制度の破綻が世情を不安定にし、バブルを壊し、未だに世情不安から開放されない。だから心身に歪みを抱える人達が世の中を揺さぶり続けている。パッチを当てるが如く支援を試みるが、こっちも多様化しすぎてセフティネットではカバーしきれないでいる。これが今の現状。そのうち直接コミュニケーションを取るのが危険なくらいに誰しもが多様化しまくるのではないだろうか。そうなったとしても果たして誰かの大事なものを察する気持ちを持ち続けられるだろうか。
「護られなかった者たちへ」は今タイムリーだけど、そのうち時代が進んで、理解出来ない話になってしまわないか、そう思うほどに今、世の中が怖い。