放菴日記抄(ブログ)

これまでの放菴特集・日記抄から「日記」を独立。
流動的な日常のあれこれを書き綴ります。

時計台と運河紀行12

2023年02月23日 01時54分51秒 | あんなこと、こんなこと、やっちゃいました
 僕たちは、正午少し前に千歳空港にいた。
 今更ながら千歳空港は広い。国内の主要空港から全てのアクセスがここに集中するのだから無理もない。チェックインシステムも大々的で効率性が良い。それでも混雑していて、いっぱい並んだけど・・・。
 これに比べると仙台空港はいかにも小さい。ハブ空港と地方空港の差を感じてしまう。 

 さて、札幌ではついにラーメンを食べてこなかった。せめて空港で食べて帰ろうという話になって、飲食街(空港内)に寄ってラーメンにありついた。
 とは言え、最近のラーメンはいろいろ凝りすぎている。もっとシンプルに味噌ラーメンを楽しめるといいのだけれど、そういったお店はむしろ他の都市にあって、現在の札幌ラーメンというものは、かなり味が濃いように思う。他の地域のラーメンと競争するうちに味の強調が進んだのだろう。札幌ラーメンは赤味噌味でコーンがたっぷり乗っていて、バターが少し溶けているようなのがいい。

スターウォーズのラッピング飛行機。BB8かな?

 こうして札幌・小樽の旅は終わった。
 明るいうちに仙台へ到着。飛行機は高くて怖くて嫌だけど、確かに便利ではあるんだな。
 
 後日談だが、北海道からボタンエビとホタテのクール便が届いた。
 実は小樽で、あのあと再び色内駅跡にもどり、水産物を卸しているおじさんの所へ寄ったのだ。
 まあ・・・背負えないネギを背負ったというか、おじさんのノせ方が上手いというか、おいしそうなボタンエビにそそられたという訳だ。
 結局18,000もの買い物をして、後悔が半分、期待感が半分の悶々とした数日間を過ごすことになった。

 で、届いたクール便を開けてみると、これが思いの外ぎっしりで驚いた。
 もっと驚いたのは水産物の凍らせ方。
 特殊な急速冷凍技術で処理してあるとは聞いていたが、解凍がめちゃくちゃ早い。
 ボタンエビは殻(卵ぎっしり抱えていた)を剥き始めたらすぐ融けた。
 ホタテはまな板に載せて包丁を入れ始めたらもう融けていた。ものの数分も経っていない。
 
 急ぎテーブルに運び、醤油をちょっと付けて口の中へ。
 あまぁい。
 すごい新鮮。しかも美味しい。間違いなく高ぁい寿司屋さんで出てくるネタ。  
 最後に高い買い物したけれど、値段以上の買い物だったと思う。おじさんに感謝だね。
 ボタンエビとホタテは1回では食べきれないので、2回に分けて楽しんだ。
 小樽良いとこ一度はおいで。次男坊もすっかり気に入ったようだ。
 遠くて近い北海道。
 今回はアイヌ文化に触れる機会がなかったが、そちらにも関心を持っていきたい。

(おしまい)
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時計台と運河紀行11

2023年02月18日 02時17分23秒 | あんなこと、こんなこと、やっちゃいました
 2022年8月22日、月曜日。朝。最終日。
 昨今のビジネスホテルってホントおシャレ。
 ロビーの設えも何もかも雰囲気がいい。どこかヨーロッパの古都を訪れているような気分にさせてくれる。
 部屋の窓から運河を見下ろすと、石の建造物ばかり。こちらも日本とは思えないくらいヨーロピアン。
 平日の、やや静かな朝。と言いたいがそうでもない。
 観光地ってのは人が休暇を取って来るもの。
 当然のことながら小樽は朝から観光客でいっぱい。朝の10時前だってのに、運河沿いを歩く人が途切れない。
 チェックアウトを済ませ、荷物だけクロークにあずけて、ぶらりと歩いてみた。
 
 「やあ、あんたたちも観光かい?」
 ジョギング姿のおじさんが声を掛けてきた。
 「ええ、まあ」
 まあ観光客だろう。ミッションを抱えて小樽に来たが、運河クルーズや小樽ビールを堪能しちゃったことも否めない。
 「小樽は大したことないだろ?建物と運河だけだ。」
 おじさんミもフタもないことをおっしゃる。
 「今日泊まりかい?」
 「いえ、昨日泊まりました。」
 「そうかい」
 おじさんは少し拍子抜けしたような顔をした。旅館関係者かな。
 確かに運河から色内の通りまでの区間は旅館が多い。そもそも一般住民さんから進んで観光客に話しかけるはずがない。まあ旅行業界の関係者だろう。

 テキトーに会話しておじさんは去った。ごめんね、ネギ背負ったカモじゃなくて。まあカモなんだろうけど、連日ネギ背負えるほど甲斐性ないんだ。何いってんのかなオレは?

 色内の坂道をゆっくり登り、廃線の遊歩道(手宮線)に出た。
 レールや枕木がそっくりそのまんま。遠くから汽車が走ってきても不思議はないくらいのコンディション。ホントに廃線?
 ここまで原型を残すのってそれなりに手がかかることなのではないだろうか。レールに錆止めを塗ったり除草作業をしたり。
 雑草もオオバコがところどころ生えているが、ススキやセイタカアワダチソウのような背の高い草は見当たらない。とても手入れが行き届いている。


 色内駅跡に来た。
 駅舎がそのまま残っている。ちいさなかわいい無人駅。
 「あんたたち観光かい?」
 また地元のおじさんに声を掛けられた。
 ええ。ご覧の通り観光(カモ)です。ネギは背負ってないけど。
 「今日来たの?」
 「いえ、もう帰るところです。」
 「どこから来たの」
 「仙台です」
 「ああ、近いんだ」
 近いか? 700km以上あるぞ。
 「小樽の旨いものは食ったかい」
 「小樽ビール楽しめました」
 「ああ、うまいよね。小樽ビール最高だ。」
 こういう話合わせるのが上手な人も大抵観光客相手に商売をしているんだろう。
 「このあたりは海鮮丼もうまいけど、みんな観光地価格だからなぁ。」
 そうなんですか?
 「ウチは魚の卸やってんだ」
 そう来たか。
 「オホーツクの水産物を特別安く仕入れしている。びっくりするくらい安いよ。冷凍技術も特別だからすぐ食べられる。」
 しばらく水産物の流通の話が続いた。BELAちゃんもMクンも引いているのがわかる。
 「どうだい、これから店よってかないか」
 「いえ、まだ他に寄りたいところがあるので」
 「そうかい。ま、店は○○の裏だから。よかったら後で」
 意外とあっさり身を引いた。
 
 昨日も実は「いか太郎」というお店で海産物を若干買い込んでいる。だからもう背負うネギ無いんだってば。 
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