放菴日記抄(ブログ)

これまでの放菴特集・日記抄から「日記」を独立。
流動的な日常のあれこれを書き綴ります。

岩手葉桜紀行(3)ポラーノの広場にて

2015年07月07日 01時13分07秒 | あんなこと、こんなこと、やっちゃいました
 この人の笑顔はあんまり明るく人懐っこいので、むっつり顔で歩いていた自分がなんだか勿体ないような気分になるのです。
 笑顔の出来る人は得です。間違いなく。
 時に人の心をやわらげ、時に他者と共感できる余裕を生みます。
 画家さんは自分の笑顔を知ってか知らずか、でも人は彼の笑顔に引き寄せられてゆくのです。

 僕は己の笑顔が好きになれないので、笑顔の出切る人を羨ましいな、と思うことがあります。
 自分は自分だからこそ特別な感情で視ているのでしょう。こういう表情はしないでほしい、と自分に思うことが多くて、それゆえに自分の姿を鏡や写真で見ることが嫌です。苦痛です。

 自分と比較している場合ではない。
 画家さんとBELAちゃんは大学の同期。そういえばBELAちゃんもめちゃめちゃ明るい表情をする。そういう校風なのかな。
 みんな忙しい時期です。年齢的にも。同じ仙台に暮らしていてもなかなか会えないのに、遠くの岩手町で会えるなんてなんとも不思議なことです。
 画家さんは息子さんと一緒にランチしていました。僕達は二人の席に寄って、立ったまましばらく近況を話し合いました。すこくお店は混んでいたので、長話はできませんでしたけど。
 僕達もここでランチする事にしました。これからどこかお店をさがすよりも、こういう観光エリアで食べちゃう方が確実だと思ったのです。結局、画家さんたちは先に食べ終わってしまい、同席はかないませんでした。短い再会でしたが、奇跡的なひと時でした。

 お店の窓越しに広場が見えました。広場の向こうにもお蕎麦屋さんらしきお店があり、戸外にパラソルとテーブルとイスが置いてあります。どれも席はふさがっていました。正午の明るい日差しが広場を照らしています。きっと床のレンガも日差しに灼かれてじりじりしているのでしょう。ソフトクリームを食べながら恋人たちが通り過ぎてゆきました。
 「ポラーノの広場」は夜のお話ですが、レオーノ・キュステ君はそれが別にお昼時でも構わないと思うでしょう。なぜって、この明るさはお祭りにもぴったりだからです。
コメント
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