いよいよお待ちかね。「ボヘミアン・ラプソディ」。
透明感と虚脱感織り交じる前奏から名曲は始まる。バランス完璧、音程、タイミングともに微塵も歪んでいない。
こりゃすごいや・・・。
とその時、身体に異変が起きた。
喉の奥からこみ上げるヒリヒリした痛み。
激しく咳き込みたい衝動に駆られる。
しまった。
コロナウイルスに感染してからときどき咳き込むことがある。咳はなかなか無くならない。
でも今日はこれまで不思議と咳き込むことはなく、むしろすっかり忘れていた。
油断した。みんな集中して聴いているのに、ここでゲホゲホやったらすごい睨まれる。
とりあえず息を止めてみる。
咳き込む衝動は抑えられるが、目から火花が出るほど苦しい。
こりゃダメだ。
小さく息を再開。小さい息ならば咳の衝動はそれほど強くない。
一生懸命ツバを飲み込んでみる。
本当は水を一口ゴクリと飲むと咳はおさまるのだが、ここでゴクリはマズい(ってか水持っていないし)。
曲はまだワンコーラス目。こりゃ長いぞ。
小さく咳払い。といってもエヘン、と音を出すわけにもいかない。喉の奥をこするように息を出す。ツバ飲みと咳払いを何度も続ける。こうして少しずつ咳の衝動を遠ざけることに成功した。
やっと息が吸える。酸欠で周りが暗い。あ、そもそも暗いんだ。でも一層暗い。
もうオペラパート終盤きてるじゃないか。くそコロナ。
名残惜しむように集中してボヘミアン・ラプソディ後半を聴き(却って世界観に入り込めた)、終わった瞬間、拍手鳴り止まぬうちにゲホゴホゲホゴホ咳を吐いた。
BELAちゃんびっくりして見ている。
「いやぁ、咳が・・・。」
「大丈夫?」
「なんとか。」
またひとしきりゲホゴホ。
疲れた。
今日イチの危機だった。
石田組の盤石かつ上質な演奏は続く。
エンディング、オアシスの「What Ever」。
小気味良いリズム、手拍子も入り、気持ちいいひとときが終わりに近づいている。
お客さんの「帰らないで!」コールが笑いを誘う。うんうん、そうだね。
次は9月に仙台だそうです。仙台のどこ?
終演後、すっかり暗くなった町を国道6号線に向かう。
福島駅行きのバス停は長蛇の列。増便はないらしい。
仕方がない、寒い中並びましょうか。
北へ南へ東へ西へ。お客さんの帰路も様々。在来線で帰ろうか、特急が出ているか、など方方から聞こえてくる。ちなみに僕たちは在来線はあきらめて新幹線になりそう・・・。
透明感と虚脱感織り交じる前奏から名曲は始まる。バランス完璧、音程、タイミングともに微塵も歪んでいない。
こりゃすごいや・・・。
とその時、身体に異変が起きた。
喉の奥からこみ上げるヒリヒリした痛み。
激しく咳き込みたい衝動に駆られる。
しまった。
コロナウイルスに感染してからときどき咳き込むことがある。咳はなかなか無くならない。
でも今日はこれまで不思議と咳き込むことはなく、むしろすっかり忘れていた。
油断した。みんな集中して聴いているのに、ここでゲホゲホやったらすごい睨まれる。
とりあえず息を止めてみる。
咳き込む衝動は抑えられるが、目から火花が出るほど苦しい。
こりゃダメだ。
小さく息を再開。小さい息ならば咳の衝動はそれほど強くない。
一生懸命ツバを飲み込んでみる。
本当は水を一口ゴクリと飲むと咳はおさまるのだが、ここでゴクリはマズい(ってか水持っていないし)。
曲はまだワンコーラス目。こりゃ長いぞ。
小さく咳払い。といってもエヘン、と音を出すわけにもいかない。喉の奥をこするように息を出す。ツバ飲みと咳払いを何度も続ける。こうして少しずつ咳の衝動を遠ざけることに成功した。
やっと息が吸える。酸欠で周りが暗い。あ、そもそも暗いんだ。でも一層暗い。
もうオペラパート終盤きてるじゃないか。くそコロナ。
名残惜しむように集中してボヘミアン・ラプソディ後半を聴き(却って世界観に入り込めた)、終わった瞬間、拍手鳴り止まぬうちにゲホゴホゲホゴホ咳を吐いた。
BELAちゃんびっくりして見ている。
「いやぁ、咳が・・・。」
「大丈夫?」
「なんとか。」
またひとしきりゲホゴホ。
疲れた。
今日イチの危機だった。
石田組の盤石かつ上質な演奏は続く。
エンディング、オアシスの「What Ever」。
小気味良いリズム、手拍子も入り、気持ちいいひとときが終わりに近づいている。
お客さんの「帰らないで!」コールが笑いを誘う。うんうん、そうだね。
次は9月に仙台だそうです。仙台のどこ?
終演後、すっかり暗くなった町を国道6号線に向かう。
福島駅行きのバス停は長蛇の列。増便はないらしい。
仕方がない、寒い中並びましょうか。
北へ南へ東へ西へ。お客さんの帰路も様々。在来線で帰ろうか、特急が出ているか、など方方から聞こえてくる。ちなみに僕たちは在来線はあきらめて新幹線になりそう・・・。