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北朝鮮の核実験・経済株式欄で読む

2006年10月14日 07時48分20秒 | 経済
経済株式欄で読む北朝鮮核実験
『毎日新聞』10月13日付 コラム「経済観測」

【 北朝鮮が核実験を表明して以来、韓国ウォンがドルに対して暴落し、日本円も弱含んでいる。しかし北の核実験は北東アジアだけでなく、世界全体、とくに米国に大きな影響を与えるので、こうした為替の動きは一時的なものにとどまろう。市場が事態をよく理解すれば、むしろ、ドルが下落してもよいはずだ。
 というのは、北朝鮮は韓国や日本には少しも軍事的脅威は感じておらず、ターゲットはもともと米国だったからだ。米国の脅威にさられている体制の安泰を図るため米国に対する抑止力になる長距離ミサイルと核兵器の開発を急いでいるのだ。
 したがって北朝鮮は韓国を攻撃する意図はないし、日本を攻撃したいとも思っていないだろう。だが、米国が北朝鮮の各施設をピンポイント爆撃したり完ぺきな経済制裁を主導したりすれば、自暴自棄になって韓国を攻撃するだろう。そうなればソウルは火の海になるに違いなく、軍事オプションは不可能なのだ。
 国際社会として可能なのは、じわじわと経済制裁を強化しつつも完全に命綱を絶つことなく、中露に北朝鮮への働きかけを強化させるしかない。これで成功する保障はないが、他のオプションは実際上とれないし、一方で人道支援もやめられないだろう。結局悪名高い太陽政策は放棄できないことになる。
 問題の根本的解決ができない以上、市場は問題と共存するしかない。その結果は、(韓国や日本を超えて)世界的な投資の減少と貯蓄の増加でありコストの上昇と成長率の低下である。これはテロの影響と同じだ。ただ、テロの場合と同様に、その影響は意外に小さいかもしれないし、あるいは、今回は大きいかも知れない。市場の動向を注視する必要があろう。 (耳順) 】

軍事オプションは不可能であること。
市場は問題と共存するしかない。
世界的な投資の減少と貯蓄の増加、コストの上昇と成長率の低下。
そういう見方もあるのか、と思う。生命の危機に対する恐怖とは別に、市場原理からみた北朝鮮の核実験である。

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