重度唱害者

カラオケでマイクを握ったが最後、店員から退室を命じられるまでマイクを手放すことができないような人物のことを、ボクは重度唱害者と呼んでいる。



うちは5人家族だけど、カミさんを筆頭にそのうち3人が9月生まれだ。
そういうワケで昨夜はお祝いということで中華料理を食べにいくことにした。それで、せっかく中華を食べにいくなら多人数がいいだろうということで、SGA家族も誘った。

宴もたけなわになったころ、『島美人』で気分を良くしたSGAオヤジが言った。
「歌い行きちゃー」
そして、そそくさと帰り支度を始めるのだった。
「ほ、行くバイ！」

その提案に異を唱えるものは誰もいなかった。

シダックスに着いた。
2部屋借りて男組と女組に分かれた。
部屋はいつの間にかボクとSGAオヤジだけになっていた。
SGAオヤジは80年代ポップス及び歌謡曲を熱唱するのだった。
SGAオヤジの口癖はこうだった。
熱唱前「これ聴いたらゼッタイ感動すっけん！」
熱唱後「感動したろ！エッ！？感動せんかった？」

この唱害、本人にとっては幸せだということが大きな問題なのかもしれない。