鏡の国のアリス:短評

鏡の国のアリスの本を読みながら短評をする

落馬の二つの定義:体の一部or全部が地面に達する(GLASS8-21)

2010-05-01 23:19:53 | Weblog
 白の騎士は発明中の「門を越える新しい方法」にアリスが疑問を呈したので機嫌をそこねる。そこでアリスが話題を変える。「何て変わった兜かしら!これもあなたの発明ですか?」とたずねる。兜が馬の鞍にかかっていた。騎士は自慢気に兜を眺めながら言う。「これよりもっと良い兜を発明したことがある。棒砂糖のような兜だ!」と。
 
 PS1:棒砂糖 sugarloafは円錐形である。騎士は円錐形の兜を発明した。

 騎士が言う。「私がその兜をかぶっていた時には馬から落ちてもその棒砂糖のような長い兜がすぐ地面に着いた。だからほんの少しの距離 a very little way 落ちるだけですんだ」と。

 PS2:騎士にとって落馬の定義は兜などを含めた体が鞍から離れその一部が地面に達することである。しかし普通は落馬とは体の全部が地面に達することである。アリスは常識人だから体の全部が地面に達して落馬と定義する。だから落馬の距離は棒砂糖のような長い兜をかぶっていようといまいと同じである。アリスは笑いたいのだが真面目に話す騎士に困る。