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アメフト観戦記や読書日記を綴っていましたが、最近は古墳(コフ)ニストとして覚醒中!横穴式石室をもつ古墳にハマっています。

百舌鳥古墳群をあるく

2014-10-05 08:27:45 | 読書日記
 「百舌鳥古墳群をあるく」~巨大古墳・全案内~
 久世 仁士著 創元社

 最近、世間は古墳ブームだそうで、古墳をテーマにした雑誌等が書店の店頭に並んでいる。特に、古墳を実際に歩いて見て回ろうというのがテーマになっているようだ。その古墳ブームのきっかけの一つが、百舌鳥・古市古墳群の世界遺産登録運動であろう。
 実際、世の中、職場で古墳とか見て回るの好きですよとカミングアウトしちゃうのは結構勇気のいることで、文化財課に勤務している数名を除いては、変なこと言うてる奴がおるぞと非常に奇異な目をされること夥しく、中には、土器や埴輪などの破片を見て、あんながらくたと言わはる人もいる。そんなこともあり、つい最近まで地下に潜伏していた次第。(それでも最近、他市さんの職員さんとお付き合いすることが多く、○○市と聞くと、○○古墳あるいは✕✕遺跡ですねと答えてしまうことをたびたびやってしまい、そのたびに何か異星人を見るような冷たい視線にあうことがたびたびある。)

 さて本書である。
 作者は、泉大津市などで長年発掘調査や文化財行政に実際に携わって来られた方である。

 項目は以下のようになっている。

 序章  古墳めぐりをはじめる前に
 第1章 百舌鳥古墳群をあるく
 第2章 百舌鳥古墳群をつくった人々
 第3章 百舌鳥古墳群の破壊と保存運動

 古墳についての基礎知識的なものから書かれており、欄外にある用語解説があるのでわかりやすい。埴輪とか古墳の形の編年とかが書かれているとなお嬉しかったのだが、残念ながらそこまで突っ込んじゃうと、ハンディな本にならないわな。
 第1章で、百舌鳥古墳群の所在が判明している全古墳を紹介しているのだが、陵墓に指定されている古墳以外で、残っている古墳の少なさに思わずビックリ!よく古墳破壊の例として、百舌鳥古墳群にあった大塚山古墳が、また、保存運動の代表例として、いたすけ古墳がそれぞれ両極端な事例がとりあげられることがあるのだが、100基以上あったと言われる古墳の数が現在、どのような形でも残っているのは44基だけだそうだ。その破壊はごく最近まで続いていた(いる?)ようで、本書を読んでいると、むしろ破壊の事例が多く、何とも痛ましいような気分になってしまう。確かに、古墳を個々の古墳の大きさ等だけを価値の基準としていて、小さい古墳などは、どうでもいい的に考えられていたということもあり、古墳群を面でとらえてこなかったという事情があったにせよ、また、行政の立場から言えば、地域全体を何らかの方針、指針がなければ、どうしても個々の事案になっちゃうので開発を許可せざる得ない部分もあるのだろうけど、もう少しなんとか出来なかったかという気もする。千五、六百年前もから延々と残ってきたのに、我々の時代に価値がないからと言って破壊してしまう不遜さをつい感じてしまう。
 ちなみに古市古墳群が残る藤井寺市を歩いていると、住宅街の中に古墳が残っていたりしている。市町村でも、古墳等の文化財保存に対する考え方に違いがあるのかもしれない。
 世界遺産登録運動をきっかけに、これ以上の破壊が進むことがないようにしてほしいと思う。

 僕自身は、百舌鳥古墳群というと、大仙古墳ぐらいしか行ったことがない。(意外と大阪府の東部地域に住んでいると南部地域は行きにくいのである。)ブログでも紹介しているが、大仙古墳を自転車で一周をしてみたことがある。それは、結構、走り応えもあり楽しいサイクリングではあった。
 今度は、本書を片手に、ぶらぶらと写真を撮りながら歩いてみたいと思う。古市古墳群の現存している全古墳の制覇も見えてきたので、次は百舌鳥古墳群かな。

 そういえば、本書に紹介されている1978年の大仙古墳の特別拝観、僕も両親に連れられて、2重目の堀まで行きましたね。思い出しました。

 ■大仙古墳
 
 
 
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