むかごの日記Ⅱ

70歳を過ぎてにわかに植物観察に関心を持ち、カメラを提げて、山野を歩いています。新・むかごの日記より引っ越しました。

ハマヒルガオ:浜昼顔(山陰海岸で①)

2018-06-06 15:38:46 | 植物観察記録

山陰海岸ジオパーク(むかごの高槻参照)を訪れた際、ふだん見る機会がない海浜植物のいくつかに出会える余得がありました。

鳥取県岩美町の城原海岸に咲いていたのがハマヒルガオ:浜昼顔(ヒルガオ科ヒルガオ属)です。海岸に咲く花といえば、ハマナスについで知られているのがこのハマヒルガオです。

海岸の砂に生える多年草で、白く太い地下茎を砂の中で伸ばし広がってゆきますが、他の草木に巻きつくことはあまりありません。丸くて艶のある葉は、酷熱や乾燥など海岸特有の過酷な環境の中で水分の蒸発を防ぐようになっています。
5~6月ごろ咲く花は、葉より長い花柄を持ち、ラッパ状の花冠は直径4~5cmで、淡い紅色です。萼片は5個、オシベ5個とメシベ1個は花冠に納まって付いています。
白い縞の入ったピンクの花は艶やかな濃い緑の葉とよく合って、珍しいほどのナギという日本海の微風に揺れていました。


バイカモ:梅花藻(清流にのみ生きるかよわさ)

2018-06-06 09:29:11 | 植物観察記録

久しぶりの投稿です。

6月2日、急に思い立ち兵庫県新温泉町にある田君川バイカモ公園へ行ってきました。バイカモ:梅花藻は、湧水など、年間を通じて15℃前後の水温が保たれる、浅くてきれいな流水中だけに生えるキンポウゲ科の多年草です。

7年前にあるグループで訪れてその見事さ感銘し、一度妻に見せたいと思っての訪問でいた。近くでは滋賀県の醒ヶ井や高島町針江などが知られていますが、規模は小さく、水面上に出るわずかな花を撮影に苦労するのに、田君川では川一杯に咲いていて驚いたものでした。

期待を込めて行った田君川でしたが、7年前と打って変わって、清流こそ同じですが、バイカモはところどころ咲いているという状況で少なからずがっかりでした。

地元のの古老のお話では、子供のころは何も手入れをしなくても川一杯に咲いていたのが、アシなどが生え茂り一時衰えたのを官民挙げての再生活動で、保護育成が進み復活していたのが、昨年の大雨で流されてしまい淋しくなっているとのことでした。

この多君川のバイカモは、本来は群落の規模の大きいことで抜きんでており、河口からわずか4㎞、標高10mのところに生育していることと併せて学術的にも貴重なものとされています。再び以前の見事さに戻ることを念じながら淋しい水面を撮影していました。

 

下の写真は2011年6月撮影のものです。