山陰海岸ジオパーク(むかごの高槻参照)を訪れた際、ふだん見る機会がない海浜植物のいくつかに出会える余得がありました。
鳥取県岩美町の城原海岸に咲いていたのがハマヒルガオ:浜昼顔(ヒルガオ科ヒルガオ属)です。海岸に咲く花といえば、ハマナスについで知られているのがこのハマヒルガオです。
海岸の砂に生える多年草で、白く太い地下茎を砂の中で伸ばし広がってゆきますが、他の草木に巻きつくことはあまりありません。丸くて艶のある葉は、酷熱や乾燥など海岸特有の過酷な環境の中で水分の蒸発を防ぐようになっています。
5~6月ごろ咲く花は、葉より長い花柄を持ち、ラッパ状の花冠は直径4~5cmで、淡い紅色です。萼片は5個、オシベ5個とメシベ1個は花冠に納まって付いています。
白い縞の入ったピンクの花は艶やかな濃い緑の葉とよく合って、珍しいほどのナギという日本海の微風に揺れていました。