むかごの日記Ⅱ

70歳を過ぎてにわかに植物観察に関心を持ち、カメラを提げて、山野を歩いています。新・むかごの日記より引っ越しました。

ハクサンハタザオ:白山旗竿(カドミウムを吸収する)

2017-05-05 14:25:46 | 植物観察記録



新緑の箕面を歩きました。
道端のあちこちに小さく白い花をつけた草が群れ咲いていますが、道行く人々はほとんど目を止めようとはしていません。
ハクサンハタザオ:白山旗竿(アブラナ科シロイヌナズナ属)です。
低山から高山まで広い範囲で分布する多年草で、高さ10~30cm、根元の葉はへら形で羽状に浅く切れ込みます。
3~7月花弁の長さ5~6mmの白い十字花をつけます。
和名は石川県白山に産するからといいますが、分布は広く本州、北海道から朝鮮におよびます。
近年この草が有害なカドミウムを集積除去する能力があることが分かったことから、にわかに注目されるようになりました。
食の安全という観点からカドミウムを含有する農用地土壌を浄化する技術として、ハクサンハタザオオを利用しようとする研究が進んでいます。
実際にハクサンハタザオが土壌からカドミウムを吸収し、土壌中のカドミウム濃度を低減させ得ることが実証されたとの報告があり、この可憐な花が有害物質の除去に役立つと思うと、何やら親しみがわいてきます。