根無し草のつれづれ

日々の雑感をひたすら書き綴ったエッセイ・コラム。また引用部分を除き、無断掲載の一切を禁ず。

ひゅうなし

2009-05-10 16:41:25 | エッセイ、コラム
2008年、5月10日、日曜日、16時前、室温27度、湿度50パーセント。
エアコンを稼働させるかどうか随分迷ったのだが、やはり初夏にしては暑過ぎる天候に身体はついていけず、気分もイラついてきたので、仕方なく、リモコンに手を伸ばしスイッチを入れてしまった。
こういう事に罪悪感を抱くのは母の教育に依る。


私の故郷・長崎の方言に「ひゅうなし」という単語がある。
意味は「根性無し、気弱」くらいになるのだろうか。
ちゃんと調査した訳ではないので断定は出来ないのだが、この「ひゅうなし」という単語は、長崎県全域で使われているものではなく、私の育った地域特有の言葉らしい。
故郷の友人に訊いても首を傾げるばかりなので…。
とにかく私は子供の頃から「ひゅうなし、ひゅうなし」と母に言われ続けて育った。
私は結構我慢強い方なのだが、非常に気が弱く、また戦中・戦後の混乱期を生き抜いた母にしてみれば、かなり持久力に乏しく写るらしい。
高度経済成長期の豊かな時代に生まれた私を、母の時代の尺度で計られても、苦笑するしかないのだが、私は彼女からみれば断然「ひゅうなし」らしいのだ。


そんな「ひゅうなし」の私は、母の目が届かなくなった事を幸いに、暑けりゃ冷房を入れるし、寒けりゃ暖房を入れる生活を現在東京で送っている。
まぁ、それでも上京後10年は貧困ゆえに扇風機だけで真夏も過ごしたのだが…。

ストレス過多の現代社会に於いて、過度の我慢は精神衛生上良い事なんて1つもない。
あぁ、いぃじゃないか「ひゅうなし」。
「ひゅうなし」上等だ。


以上、初夏の夏日に耐えられずエアコンを点けた事に対する言い訳(笑)。


追伸、エアコンは最高に快適。
設定温度を26度にしているのはエコロジー指向があるからではなく、単純に健康の為と電気代が心配だから。

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