根無し草のつれづれ

日々の雑感をひたすら書き綴ったエッセイ・コラム。また引用部分を除き、無断掲載の一切を禁ず。

W杯・ドイツ大会 フランスvsイタリア ~プライドの代償~

2006-07-10 15:24:09 | スポーツ
延長戦の後半、暴力行為でレッドカードを受けたジダン
が、W杯のトロフィを尻目に、ピッチからロッカールーム
へ続く階段を肩を落としながら下りてゆくシーンが、今
回の決勝戦の行方を如実に表していたように思う。
もし、これが漫画やドラマならば、「ジダンのために!」
と奮起したフランス選手たちが怒涛の攻撃をみせてゴ
ール! という事になるのだろうけど、現実にはそんな
事もなく、1-1のドローのままイタリアにPK戦にまで持
ち込まれた末、逆にそこでPKを外したフランスが負け
てしまう、という結果になってしまった。

今回で引退してしまうジダンがいる事で漠然とフランス
を応援してはいたが、結局の所どちらが勝っても構わな
いとも思っていた。
しかし、このジダンの退場でいっきにフランスに気持ち
が傾いてしまい、残り少ない試合時間は盲目的にフラ
ンスを応援してしまう。
そして、PK戦を制し、イタリア優勝! 
フランスに感情移入してしまっていた事もあり、ブラウン
管の中で歓喜に沸くイタリア選手たちを苦々しくみつめ、
涙まで流してしまう始末。

こんな形で選手生活にピリオドを打たなければならない
ジダンはひたすら気の毒で、サッカー史に残るであろう
人物のラストダンスに泥を塗ったイタリア(実際に悪いの
はマテラッツィだけなのだけど)は、もはや嫌悪の対象で
しかない。
特殊な事情がない限り、この先私がイタリアを応援する
事は決してないだろう、と思った。
日本代表の敗戦共々、W杯・ドイツ大会の決勝戦の結
果もまた釈然としないものになってしまった。

ジダンがフランス優勝の可能性を遠ざけ、また自身の輝
かしい選手生活に傷を付けてまで守りたかったものとは
一体何だったのだろうか…。

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