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上善如水

ホークの観察日記

韓国映画『イルマーレ』

2012-01-17 19:25:10 | 映画

イルマーレ THE PERFECT COLLECTION [DVD] イルマーレ THE PERFECT COLLECTION [DVD]
価格:¥ 4,935(税込)
発売日:2005-04-28

 

 韓国映画『イルマーレ』(2000年)という映画をレンタルして来ました。

 わざわざ「韓国映画」としたのは、ハリウッドでリメイクされた同名映画があるため。そちらはキアヌ・リーブス主演です。

 なぜか2年後の世界から届く手紙。時間をこえた文通という、一風変わった恋愛映画。

 本家『イルマーレ』の主役はイ・ジョンジェ、チョン・ジヒョンの二人。イ・ジョンジェさんはなかなかのイケメン俳優さん。チョン・ジヒョンさんは『猟奇的な彼女』などに出演し、注目を集めたモデルもこなす女優さんです。

 監督はイ・ヒョンスン。

 アニメの声優として頑張るヒロイン(チョン・ジヒョン)は、海辺に建つ貸家、イタリア語で海という意味の「イルマーレ」と名付けられた建物から、都会のアパートに引越すことにします。

 新しい住人に「私への手紙は新しい住所に送って下さい」という手紙を残して。

 ところが、その手紙はなんと2年の時間をこえ、出来たばかりの「イルマーレ」で暮らし始めた、建築家を目指す青年(イ・ジョンジェ)の元に届くのです!

 自分が付けた「イルマーレ」という名前を知っている女性に興味を持つ青年。

 最初は半信半疑だった二人ですが、何度か手紙をやりとりするうちに、お互いが違う時間で暮らしていることが判明し……

 時間のズレという壁に隔てられた二人が、手紙を通じて思いを交わし、しだいに引かれ合っていくという展開がとっていいです♪

 すごくじれったいけど(苦笑)

 実は彼女には彼氏がいて、恋愛相談をもちかけられたり、青年がスパゲティの茹で方を教えたり、何となく始めた文通は、いつの間にかお互いの心の支えになっていき……

 いやいや、せっかく未来がわかるんだから、お金もうけとか、災害を防ぐとか、他に使い道あるでしょ?

 と低俗な私はつい思ってしまいました(笑)

 海辺に建つ家や、電飾のつけられた木、青年が彼女に教えた並木道や、彼女の故郷済州島の風景など、撮影場所も凝っています。

 青年と父親の確執が描かれる場面はよかった。

 やがて彼女の失恋などがあり、一気にラストへ。

 果たして未来で二人は会えるのか?

 タイムパラドクスという要素はありますが、あくまで恋愛映画として見るのが正解。個人的にはハリウッド版のラストの方がわかりやすいとは思うけど、韓国版の全体に漂う雰囲気がいいなぁ、と思いました。

 どちらの映画も犬がいい演技をしています☆

 あと、見るなら字幕がオススメ。

 吹き替えでヒロインを演じているさとう珠緒の演技が箸にも棒にも引っかからないから……

 

 


『かいじゅうたちのいるところ』

2010-10-11 21:29:41 | 映画

アメリカの絵本作家、モーリス・セダックの原作を映画化した作品。

スパイク・ジョーンズ監督の

『かいじゅうたちのいるところ』

を観ました。

監督にスパイク・ジョーンズが抜擢されたのは、原作者モーリスのたっての希望だそうです。

かいじゅうたちの着ぐるみとは思えない細かな感情表現!

それが可能な見事な造形に注目です!!

   

原作の絵本は読んだことはありませんが、なんだか胸が締め付けられるような、危ない橋を渡るような、綱渡りのような緊張感が全編にただよいます。

母親とケンカをしてしまい、家を飛び出した少年がボートで海に出て、不思議なかいじゅうたちの暮らす島にたどりついてかいじゅうたちの王様になる…

そんなファンタジーのような不思議な物語なのですが、何? この不安は?

少年にとっては、家が、家族がまだまだ全世界。

お話を作り、いたずらをしたり遊んだり、笑ったり喜んだり、好きなことだけしていたい。

お姉ちゃんやお母さんに注目して欲しいし、自分のことを見ていて欲しい。

だけど、お姉ちゃんやお母さんには学校や仕事という家族とは別の世界もあって、いつまでも少年と遊んではいられない…

家族を愛しているのはみんな一緒。

何とか家族を自分の世界に引き込もうとする少年の行動は、時にわがままに、時に自分勝手なものに映ります。

手に負えない。

いいかげんにしなさい!

…僕だけが悪者なの?

みんなと遊びたいだけなのに?

  

こういう時期を自分も経験したはずなのに、どうやって現実と折り合いをつけたのかすっかり忘れてしまいました。

綱渡りを見るような不安は、少年の夢の世界がいつか崩れると知っているから?

「かいじゅうたちのいるところ」

…それは少年の心の中なのかも知れません。

ちょっと乱暴で、木を倒したり家を壊したり、穴を開けたり泥だんごをぶつけあう”かいじゅう”たち。

走ったり転んだり、楽しいことをしていると夢中になってしまう”かいじゅう”たちが、スーパーで走り回る子どものようで危なっかしく見えてしまう。

そのうち転んで泣き出すのがわかっているから…

自分もかつては走り回っていたくせに。

どうしてあの頃の気持ちを忘れてしまったんだろう?

   

「食べちゃいたいほど好き」

     

王様は自分達を助けてくれる。

みんなをまとめて仲良くさせてくれる。

そう信じている”かいじゅう”の一人キャロルは、母親(王様)を見る少年自身の姿。

自分の期待に応えてくれないから、

僕をわかってくれないから、

王様(母親)なんて大嫌い!

もう、食べちゃうゾ!!

…本当は好きなのに、大好きなのに、傷つけ、壊すことしかできない”かいじゅう”

   

「食べちゃいたいほど好き」

    

♪君にもわかるかな…すべてが愛…愛がすべて…

とエンディングで曲が流れます。

   

すごくせつなくて、すごくなつかしい。

大人の自分はそんな感想を持ちました。

家族って仲良くしていたと思ったら、ちょっとしたことでモメたり、傷つけあったり、そうかと思うとすごく心配したり、いろいろありますね。

それでも一緒にいないと仲直りもできない。

ラスト、家に帰った少年と母親のシーンが良かったです♪

エンディングで流れる曲もオススメです☆


『グラン・トリノ』その他

2010-09-26 22:36:56 | 映画

TVが地デジ化したのでBSデジタルやCSデジタルでさっそく映画を観ています♪

とりあえず3作品☆

『シッコ Sicko』(監督マイケル・ムーア 2007年)

『グラン・トリノ』(監督クリント・イーストウッド 2008年)

『ホームレス中学生』(監督古厩智之 2008年)

   

マイケル・ムーア監督は得意のドキュメンタリー。

笑いを織り交ぜながらもアメリカの医療制度の問題に鋭く切り込んでいきます!

保険会社が患者の運命を握り、金のない患者は道端に捨てられる…

ウソみたいですがこれがアメリカの真実。

フランスやカナダなど、他の国とも比較していて、資本主義が行き過ぎるといかに人間が置き去りにされるかがわかって興味深かったです。

子育て支援として忙しいお母さんに代わり洗濯までしてくれるフランスの制度には驚きました!

   

『グラン・トリノ』は名俳優でもあるクリント・イーストウッドが監督、主演をこなしている作品。

「グラン・トリノ」というのは、朝鮮戦争に従軍した経験を持つ気難しい老人(クリント・イーストウッド )が大切にしている車の名前。

近所に引越して来たアジア系の家族のことを最初は偏見に満ちた目で見ていたイースドウッドが、その家族の1人である少年とあることをきっかけに交流を持つようになり、友情のような感情を育んでいきます♪

しかし、悲劇がそんな人々を襲う…

戦争の記憶。

家族との不和。

懸命に生き、子供たちも独り立ちし、妻に先立たれた老人。

人はいつか自分の「死に方」を考えるようになるものかも…

老人が少年を一人前の男にするために、行き付けの床屋で「男同士の会話」って奴を教えるシーンが面白かったです♪

心に響く映画でした。

   

『ホームレス中学生』はお笑いコンビ「麒麟」の田村裕のベストセラー自叙伝を小池徹平主演で映画化した作品☆

借金でアパートの部屋を差し押さえられ、父親に「解散!」といわれて放り出されてしまった兄、姉、そして中学生の弟。

上の兄姉に迷惑をかけたくないと、「友達に泊めてもらう」とウソをついてその日から公園暮らし。

何か他に打つ手がありそうなものだけれど、兄姉を思う弟、弟を思う兄、そんな兄妹を助けてくれる人たちと、人情映画としてけっこうジーンとくる映画に仕上がっています。

兄と弟が牛丼屋で食事をするシーンがよかったなぁ♪

しかし、田村役が小池徹平って美化しすぎだろう(苦笑)

    

地デジ化して見られる番組が増えたのは嬉しいけれど、たくさん見たい番組があって寝不足になりそうです。

やっぱり録画できる機器が必要かなぁ~

でもブルーレイディスクプレイヤーって高いんだよなぁ…


『沈まぬ太陽』

2010-09-18 23:33:15 | 映画

山崎豊子さんのベストセラー小説を映画化した作品。

若松節朗監督の、

   

『沈まぬ太陽』

    

を借りて来て観ました♪

作品中では「国民航空」と呼ばれていますが、現在(2010年)会社更生法を申請して破産し、飛行機を飛ばしながら経営再建をはかっている「日本航空」(JAL)をモデルとした映画です。

主演の渡辺謙さんが演じるのは、国民航空の労働組合で委員長を務める恩地元という人物。

「空の安全」のため、会社側と激しく交渉する恩地は、懲罰人事で海外赴任を命じられ、パキスタン、イラン、ケニアと次々と転勤を強いられます。

巨大な企業の中で甘い汁を吸い、従業員を互いに争わせ、従業員の人格も乗客の安全も考えない経営者たち…

役員たちに一筆詫び状を書けば日本に呼び戻してやるという上司の誘いに、しかし恩地は「一緒に戦った(労働組合の)仲間に顔向けできない」と、自分の矜持(きょうじ)を貫きます。

最初は2年という約束だった海外勤務はのびにのび、最終的には10年の歳月が流れていく…

妻は疲れ果て、反発する息子や幼い娘。

一方会社側は新たに言いなりになる「第二労組」を作らせ、恩地の仲間たちを次々と閑職に追いやり、うるさい労働組合を黙らせます。

その中で指導的に「労組つぶし」に手を貸すのが、かつて恩地と共に副委員長として戦った三浦友和さん演じる行天(ぎょうてん)。

   

この三浦友和さんの演技がよかった~

本当の悪人に見えてしまう!!

   

役員は自分のことしか考えず、社員同士がいがみあう最悪の職場。

精神的にも追い詰められていく渡辺謙さんの狂気の演技もスゴイ。

そしてようやく帰国した恩地を待っていたのは、最悪の航空機事故…

   

群馬県の御巣鷹山にジャンボ機が墜落。

乗員乗客520人が死亡したのです(生存者4名)

    

原作者の山崎豊子さんのインタビューも読みましたが、この作品を書くにあたって、日本航空からのかなりのプレッシャーがあったそうです。

映画化も当初は不可能といわれていました。

国民航空にはびこる組織悪と政界との癒着、そして不法行為の数々…

墜落していく飛行機の中で最後まで乗客のために働くスチュワーデス…

残されたわずかな時間に家族へのメッセージを書きなぐる父親…

飛行機は四散し、燃え上がり、乗客の体もバラバラに…

…言葉も出ない。

それなのに、それなにの、国民航空の役員の考えることっていったら!!

本当に怒りがこみあげてきました!

墜落事故の遺族の叫びが胸に刺さります!

遺族の世話係りとして東奔西走し、ひたすら頭を下げ続ける恩地。

  

映画を観た人の感想も読みましたが、主人公恩地の生き方に疑問を持つ人もいました。

「組織なんてそんなもの。個人の力で何ができるの。嫌なら辞めればいいのに…」

私は恩地の生き方にすごく共感できました。

けっしてヒーローなんかじゃありません。

自分も傷つき、家族も傷つき、仲間も傷つくとても厳しい生き方です。

それでも、それでも許してはいけないものがある以上、それは許してはいけない。

自分に言い訳をして、世間とはそういうものさとわかったような口をきき、あきらめて皮肉な笑いを浮かべる。

そんな生き方は誰だってできる。

原作者の山崎豊子さんのインタビューの中の言葉が印象的でした。

   

…勇気を失わないこと。

  

戦い続けること。

  

この映画を日本航空の人はどんな気持で見るのだろう、と思わず思ってしまいました。

アフリカに行ってみたい!!

もう絶対日本航空には乗りたくない!!(あくまで個人的な意見です)

すごく考えさせられる映画でした。

ただ、映画としてはちょっと間延びした印象があって(202分もあります)、海外ロケして大変だったのはわかるけれど、イランやケニアのシーンはもっとカットしてもよかったし、日本でも墜落事故の遺族を訪ねるシーンとかでだらだら歩いているシーンがあって、各所に(それっている?)というシーンが多かったような感じがしました。

原作にあるシーンなんでしょうが、映像としてはもう一つ。

ま、ドラマ重視なんでしょうね。

でも渡辺謙さんに(若い当時ということで)カツラをかぶせたのはちょっと許せない…

ドラマは最高です。

本当に考えさせられる映画でした。


『アリス イン ワンダーランド』

2010-08-14 23:48:19 | 映画

ティム・バートン監督とジョニー・デップがコンビを組んだファンタジー映画。

『アリス イン ワンダーランド』

をレンタルして来ました♪

公開されたのは2010年。

レンタルされるの早いなぁ~

     

かつて不思議の国を訪れたアリスが19歳になって再び不思議の国を訪れるという設定。

     

アリス役はミア・ワシコウスカ(キレイ☆)

ジョニー・デップはいかれ帽子屋、マッド・ハッター役♪

赤の女王役は映画「ハリー・ポッター」でベラトリックスを演じているヘレナ・ボナム=カーター  です。

     

ストーリーはオリジナルですが、原作に登場するキャラクターも各所に配置され、アリスの体が大きくなったり小さくなったりと「アリス」を知っている観客には嬉しいサービス♪

    

ただ、ジョニー・デップの活躍に期待して見ていたので、もっともっと出番を増やして欲しかった…

    

アリスも結婚を考えるような歳になって、いろいろ難しい年頃なのはわかるけれど、せめてもう少し笑顔が見たかった…

     

説明多すぎ。アリスに味方する犬が家族について語るシーンとか。理由なんてわからなくていいから、アリスの主観で描いて欲しかった…

     

原作が想像力あふれる作品なので、どうしてもそれ以上を期待してしまうんですよね~

     

でもチェシャ猫は楽しくてよかった♪♪

あと白の女王の突き抜けた性格も(笑)

        

不思議の国って「扉を開けたらいったいどんな世界が広がっているんだろう」というワクワク感もあるので、映画でもそこのところを大切にして欲しかったなぁ~

原作が有名なだけに、次から次へといろいろな注文が思い浮かんでしまいます☆

現実世界に戻ってからのラストシーンも、時代が時代だからしょうがないけれど、中国の人が怒るぞ…と個人的には思ってしまいました。(アヘン戦争とかね)

      

特殊メイクとCGもスゴイのですが、やっぱりストーリーがね、途中からはミア・ワシコウスカのキレイな背中ばっかり見ていたような(^^)

ジョニデファンとしてもアリスファンとしても、もう一つといったところでしょうか。

      

それでもお茶会のシーンはやっぱり魅力的で、一番のお気に入り♪

      

ヤマネと三月ウサギは最高!

あのシーンだけで20分くらいやって欲しかったなぁ~