上善如水

ホークの観察日記

『おおかみこどもの雨と雪』

2012-07-26 20:06:58 | 映画

 公開されたばかりのアニメーション映画、細田守監督の

 

『おおかみこどもの雨と雪』

 

を映画館で観て来ました♪

 

おおかみこどもの雨と雪 映画パンフレット 監督 細田守 おおかみこどもの雨と雪 映画パンフレット 監督 細田守

 いやぁ、泣いた。

 泣いてしまった。

 

 おおかみ男に恋をして、やがて二人の子供を産む大学生の女の子、「花」の声を宮崎あおい。

 彼女が愛したおおかみ男の声を、大沢たかおさんが演じてみえます♪

 最初はこの二人がどうやって出会って、どんな風に愛し合って、そして子供が生まれ、どうして父親がいなくなったのかが描かれるため、抱き合うシーンなんかがあって、子供連れの観客にはちょっと気まずい(苦笑)

 でも、こうやって世界中の子供が生まれてきているわけですからね。

 そして同時に、誰も避けて通れないのが「死」

 

 人間を、生き物を描くのに、「生」と「死」は避けては通れない道なんでしょうね…

 アニメ作品なのに子供向けの無難な作品にせず、きっちりそういう所も描いていて、監督のこの作品にかける意気込みみたいなものを感じました。

 子育てシーンは、もう本当に大変で、おおかみこどもならではの笑いもありますが、夜泣きしたり、すぐ吐いたり、もう一人で頑張る「花」が見ていられない。

 疲れきっていねむりしたり、夜中病院を探して走り回ったり、出生が出生なだけに、気軽に医者にも診せれなくって、しだいに追い詰められていく「花」…

 

 おおかみの血を引く姉弟、「雪」に「雨」の性格設定も見事で、気の強いお姉ちゃんに、気の弱い引っ込み思案な弟という対比が後半の二人の決断を際立たせていました。

 

 オオカミとして生きるのか…

 それとも、

 人間として生きるのか…

 

「元気で! しっかり生きて!」

 巣立っていく我が子にかける「花」のセリフを聞いたとたん、ジワッとこみあげてくるものが!!

 …ここから少々ネタバレを含むグチを書きます。

 知りたくない人はここから先は読まないで下さいね。

 

 子供の成長、親になる覚悟、母親の姿という、描きたいテーマはよくわかるし、そのメッセージを伝えるうえで、「おおかみ男との恋」という設定は確かに面白いし、功を奏している面もあります。

 「おおかみ男」の最後がちょっとあいまいだったり、「雪」の異性を意識し始めたらしい小学生とは思えない言動も少々気になりますが、それは小さなこと。

 一番気になったのは、「花」自身の人生です。

 

 子育て=自分の人生

 

 みたいなところがあって、ジェンダーな部分にうるさい私にはどうしても引っかかってしまう。

 そりゃあ、子供二人抱えて生きていくのは大変です。

 自分の夢を実現しながらこなせるほど、子育ては甘くはないでしょう。

 でも、でも、一人で育てる決心をした割には、「花」ってけっこう考えなしだし、いろいろ危なっかしいし、いつ破綻してもおかしくない人生設計なんです。

 だいたい、いくら過疎の村だからって、「花」に言い寄る若い男の一人や二人いないのはおかしい…ずっと一人の男を愛してなきゃいけないの?

 なぁんて、ちょっと製作者側の「男の理想」を感じてしまう(苦笑)

 ラスト、子供たちを見送った「花」が、自分の好きなことに打ち込む描写を入れて欲しかった(もしかしたら将来的にはそうなるかも知れないけれど、映画では言及されません)

 言い方がとっても難しいのですが、「花」も、子供や愛するおおかみ男(故人)とのつながりを大切にしながら、いち個人として独立した人間であって欲しいんです。

「いいお母さん」以外の人生もあるという、「大人」として「人間」として、人生を生きる「花」の姿が見てみたかった。

 映画を観て、ボロボロ泣いている男がいってもあまり説得力はありませんけどね♪

 

 エンターティメントを狙った娯楽作品ではありません。

 そういった作品ではありませんが、人間を描いた作品として、とって面白かったです。

 おおかみこどもを使って人間を描くというある意味逆転の発想がこんなにうまくいくなんて!

 やっぱりこの映画の見所は、その着眼点のすごさですね。

 細田監督の出身地で、今回の舞台のモデルともなった富山県の自然も美しかった。

 エンディングに流れるアン・サリーさんの歌う「おかあさんの唄」もとても耳に残りました。

 いろいろ書きましたが、感情に訴えてくるいい映画だったと思います。

 

 あー面白かった☆

 


ユーロ危機が続いていますね

2012-07-25 00:16:13 | FX

 為替相場、ユーロに対しての円高が続いていますね。

 1ユーロは2000年以来11年8ヶ月ぶりに94円台半ばまで下落しました。

 1ドルは一時77円台をつけたものの、現在は78円半ばまで戻しています。

 日本政府による円高介入はあるのかな?

 やっても意味ないと思うけど。


夏には花火

2012-07-21 23:25:29 | 日記・エッセイ・コラム

 梅雨も明けて、暑い日が続きますね~

 

 今日は仕事が忙しくて帰りが少し遅くなったのですが、そのおかげで帰り道でちょうど花火を見ることができました!

 

 もう花火大会をやっているんですね。

 

 浴衣を着た女性が歩いていたり、みんなうちわ片手に見物していたりと、なかなか風情のある光景でした。

 

 夏はやっぱり花火が似合いますね♪

 

 仕事が忙しいのも、たまには役に立つなぁ(苦笑)

 

 明日も頑張るゾ!!


アニメ映画 『グスコーブドリの伝記』

2012-07-12 21:57:47 | 映画

 映画館で映画を観て来ました。

 杉井ギサブロー監督、『グスコーブドリの伝記』

 原作はもちろん、宮澤賢治。

 

 ますむら・ひろしさんの描く猫のキャラクターを登場人物に起用し、前作『銀河鉄道の夜』(1985年)と同じスタッフが集結して創り上げた宮澤賢治の世界!

 宮澤賢治大好きなので、もう語りたいことはたくさんあるのですが、私が今回の映画で一番歓声を上げたかったシーンは(上げていませんよ、他のお客さんがいるので)、この文字がスクリーンに映し出された時です!

 

 監修 天沢退二郎

 

 あ、天沢先生~!!

 宮澤賢治研究の第一人者であり、『光車よ回れ』などの小説も書かれている多才な方。

 もうこの方が監修されていたら間違いなしって、その時点でわかりました♪

 

 ともかく、美術がキレイ!

 美しい!!

 ちょっと見た事のない表現です。

 黄金に輝く稲穂なんて、きっとCG処理しているのでしょうが、まさに気の遠くなるような時間と手間をかけています。

 スタッフ頑張ってるなぁ~

 主人公、グスコーブドリの声を演じたのは、俳優の小栗旬くん。

 その他にも、柄本明さんなど、豪華な顔ぶれ。

 筋立てはよく知られた物語なだけに、ちょっと脚色してありましたが、よく原作のイメージを壊さずに表現していました。

 ネリ(主人公の妹)との再会シーンは入れて欲しかったかな。

 あとラストもちょっと。

 一番気になったのは音楽。『銀河鉄道の夜』で音楽を担当した細野晴臣さんと比べるのは酷だけれど、やっぱり見劣りするのは否めない。

 宮澤賢治の有名な詩「雨ニモ負ケズ」が劇中で朗読されるのですが、そこもちょっとあざとい感じ。

 でもそこは微妙なところで、うまく宮澤賢治の世界観を表現しているともいえるかも知れません。

 あと一回どこかで朗読させたら完全にアウトでしたね。

 独自性が無くなっちゃう。

 

 ともかく、冒頭の幸せそうな家族四人のシーンが丁寧に描かれていただけに、その後の展開がけっこう重い。

 気を抜いたら涙がこぼれそうで困りました。

 原作を知っているくせに、もう辛くて辛くて。

 時に現実と幻想が交じり合い、アニメならではの表現をもちいて描かれた美しいイーハトーブの景色。

 大きなスクリーンで観ることができたので、自分がその世界に入り込んだかのような錯覚を覚えました。

 映画館で観れて本当に良かったです☆

 生きること、自分の命の使い方について、深く考えさせられる映画でした。

 

 あぁ、楽しかった♪