上善如水

ホークの観察日記

自立支援って何?

2019-02-13 07:19:09 | 日記

自立支援てさぁ。

 

「さわらないで!」

ある日の食事前、お茶をこぼした利用者さんが湯のみに触ろうとするのを職員が止めました。

・・・はぁ、残念。

その利用者さんは認知症があって、10分前のことも忘れてしまいます。

私がその利用者さんに、他の利用者さんたちのお茶をいれてくれるように頼みました。

足が不自由なので配るのはこっち(介護員)でやるね、と言って。

彼女はそれを忘れてしまい、自分で配ろうとして湯のみをテーブルの上でひっくり返してしまったのです。

私は雑巾を取りに少し目を離しました。

その一瞬のスキに、くだんの職員さんが制止したのです。

 

別にさぁ、お茶をこぼしたって拭けばいいじゃん。

やけどするほど熱いお湯とか、他の利用者さんにかかる可能性があるなら別だけれど、明らかに「これ以上事態を悪化させないで!」という制止のしかた。

私には「職員の仕事を増やさないで!」と聞こえてしまいました。

 

介護員の仕事って何?

 

自分でお茶をいれる能力のある利用者さんに(実際上手にお茶をいれることができていました)、たまたまお茶をこぼしたからってお茶を入れさせないのが介護なの?

職員がお茶を配るのをテーブルの前でおとなしく待っている利用者さんが「手のかからない利用者さん」で、職員が止めても自分でお茶を入れようとする利用者さんが「手のかかる利用者さん」?

 

こういうの多いんですよね。

怪我をするかも知れないから立たせない。

こぼしてしまうから食事介助する。

失敗するかも知れないからやらせない。

 

自立支援って何?

 

まあね、ご家族の中には「絶対に転倒させないで下さい」と要求したり、万が一のために担当する介護員全員の顔写真を撮って行く人もいます。実際訴訟になることだって。

事故が起きた場合、事業所は「介護の方法が悪い」「お前は介護に向いていない」と介護員個人の資質のせいにして、その介護員を辞めさせる方向で事態の収拾をはかることもあります。

だから介護員は萎縮しちゃって事故がないように(ないに越したことはありませんが、普通の生活をしていたら転んだり怪我をすることはあるでしょ?)、問題が起きないように、あれもダメ、これもダメ、職員がやるから手を出さないで、という方向に考えてしまう。

できる能力があるのにやらせてもらえない利用者さんが一番の被害者だよなぁ〜

 

もっと職員間で話し合えればいいのですが、ただでさえ人手不足で忙しいのに、これ以上仕事(面倒なこと)増やさないでって人が9割というのが現状です。

・・・はぁ、残念だなぁ。

 


『介護士K』久坂部羊著

2019-02-06 13:25:20 | 本と雑誌
著者 : 久坂部羊
KADOKAWA
発売日 : 2018-11-29
 
 
 
あぁ、これは現役の介護士は読んじゃいけないやつだった〜〜〜
 
 
 
久坂部羊さんの介護サスペンス小説『介護士K』(KADOKAWA)を読みました。
 
2014年に実際に起きた、川崎市幸区の有料老人ホーム「Sアミーユ川崎幸町」で入所者3名が相次いで転落死した事件を下敷きにしています。

主人公は事故のあった介護施設で働く一人の青年。

「死なせるのは慈悲なんです」
 
介護現場の実情、人間関係、虐待、生に苦しむ高齢者、生と死の問題。
 
高齢者は自分で死ぬこともできない。
 
自由にならない体、痛みで眠れない日々、しだいに薄れて行く記憶、誰が誰かもわからず、自分が自分でなくなってゆく・・・
 
そうまでしてどうして生きていかねばならないのか?
 
2016年に起きた、入所者19人を刺殺、入所者、職員計26人に重軽傷を負わせた、神奈川県の知的障害者福祉施設「津久井やまゆり園」でのいわゆる「相模原障害者施設殺傷事件」を彷彿とさせる記述もあります。
 
重いテーマなので、スッキリ解決! なんて結末はありません。
 
さらに人物描写、設定やストーリーに難があるため、読めば読むほど読者のストレスは溜まります。
 
ただ、テレビや新聞では建前が邪魔して書けない介護現場の本音、フィクションだから、悪人という設定の人物が語ることだから書ける問題提起、という部分は今までにない介護を題材にした作品でした。
 
苦しむ老人にとって、死はある意味で救い・・・

善意による殺人。
 
社会福祉の人材も税金も限られた資源。
 
政府はそれを死を待つだけの高齢者に湯水のように使う気はない。
 
安心で楽しい老後をうたう日本印の介護のテーマパークでは、すでに入場制限は始まっているんだ。
 
 
 
・・・こんな内容、読むんじゃなかった。
 
 
 
「〇〇さんさえいなければ、みんなもっと楽に仕事ができるのにね」
 
作中介護士たちが休憩中におしゃべりする場面、現実でも同じようなことはしゃべっています。
 
介護士も人間ですから、愚痴も言うし、悪口も言う。釈迦やキリストのように慈愛にあふれた人だけを雇っているって職場があれば別ですが。
 
作中虐待のない施設の例が2つ紹介されています。
 
一つはお寺の住職が運営するグループホーム。ボランティアさんも献身的で、住職の人徳が従業員の意識を高めている。
 
もう一つは高級有料老人ホーム。入居一時金一億円。温水プールにコンサートホールまで完備していて月額利用料が100万円を超える人も。当然介護職員の給料も高いので優秀な人材が集まっている(あくまで小説の中のお話です)
 
そして小説ではこう結論付けます。「逆に言うと、ふつうの精神だったり、安い経費でまかなう介護では、虐待は防げない・・・」



もう、やめて、モチベーションさがるから〜
 
 
 
そりゃあ介護の現場は過酷だし、給料は安いし、国の政策は血も涙もないし、腰は痛いけどさ、別に人間に失望もしていないし、楽しくやっている介護士もいるんだから〜
 
モデルになっている事件もそうですし、こういう小説読むと「人間バカにすんなよ!」「そんな奴ばっかじゃないぞ!」とついつい反発したくなっちゃいます。
 
頭で考えたことだけが至高ってわけじゃないですからね。
 
気分を変えて散歩にでも行こうかな。
 
 
 
ま、有効期限の近いポイントを消費するために注文した本なので、残念って感じでもありません。
 
コンビニの新商品、美味しくても不味くてもとりあえず試してみようって方にはオススメかな?(笑)
 
 

面倒くさいなぁ

2019-02-05 09:00:33 | 日記

介護士と看護師。

 

うちの職場に理想に燃える先輩介護士がいます。

理想に燃えるのは結構だけれど、唯我独尊で自分の道を突き進むものだから、周りとの衝突事故なんてしょっちゅう。

職員が足りない日でも「水分提供しなくっちゃ!」と燃えて居室を行ったり来たり。

結果目が行き届かなくてロビーで利用者さまが転倒。

「見守り」も大切な仕事なのに、あれもこれもやらなくちゃ! とついつい行動範囲が広がっちゃう。

また「利用者さまのことを思って」自費でいろいろ買ってくるので、利用者さまは大喜び。

利用者さまは他の職員にも「あれ買ってきて」「これが欲しい」「あの人は買ってきてくれた」「車でどこどこ行ってきて」となる。

当然他の職員からは苦情が出るが、本人は良かれと思ってやっているので改めない。

 

対してうちの職場の看護師。

人数が少ないこともあってかいつも「忙しい」「忙しい」が口癖。

でも利用者さんからは「看護師はしゃべるのに忙しいから(全然来ない)」なんて嫌味も聞こえてくるくらい、利用者の目の前で部屋にも連れて行かずおしゃべり。

認知症で「薬を塗って」「調子が悪い」「病院連れてって」と繰り返す利用者さんには適当なことをいってなだめてから、聞こえないところで「うるさいったらない」とこぼす。

 

そんなある日、理想に燃える先輩介護士が、ある利用者さんについて自分なりの意見を看護師にぶつけました。看護師は乗り気でない様子。

それならそれで勝手にやっててもらえばいいのですが、問題は「ホークさんこれから休憩でしょ? 私あの利用者についてこうしたいんだけど手が離せないから看護師に伝えて来てくれる」

看護師詰所はちょっと離れています。

要件を看護師にそのまま伝えると「う〜ん、それでもいいけど、急ぐ必要ないでしょ? とりあえずこっちの指示通りやってくれる?」との返事。

とって返して先輩介護士に伝えると「でも〇〇だから利用者さん大変だよ。こっちの方がいいよ。(職員がいないから)他のフロアの人にも手伝ってもらってさ」

これをまた看護師に伝え、意見を言われ、そしてその意見をまた先輩介護士に伝える(このやりとりを何度か繰り返す)。

ついでに他のフロアの人にも手伝ってもらえないか説明し確認したのは・・・・・・「私」。

 

め、めんどくさいんじゃ〜〜!!!

 

自分で話して!

どっちでもいい私を巻き込まないで!

てか、私休憩中なんですけど!

先輩介護士のやろうとした内容はともかく、あっちの意見とこっちの意見を聞いてはいちいち説明し、行ったり来たりするのにうんざり。

ちょっと内容をボカすためにフィクションの部分もあるので、実際のやりとりとは違っていますが、すっごくめんどくさかったです。

 

結果的に、利用者さまが喜んでくれたのでよかったですが(先輩介護士の意見を私が修正し、看護師に折衷案を提案して通りました。他フロアの協力も私が取り付けました)、何人かの職員さんにはうまく連携がとれず、業務時間が遅れたりして迷惑をかけてしまいました。

 

ちなみに私の休憩時間も大幅に縮小しました。

他フロアに協力をお願いした手前、私自身も手伝いに参加しました。

はぁ〜

疲れた。