上善如水

ホークの観察日記

『それでもボクはやってない』

2008-07-31 01:16:58 | 映画

レンタル屋さんで映画を借りて来ました。

周防正行監督の『それでもボクはやってない』。

痴漢冤罪事件をあつかった内容の映画です。

主演は加瀬亮。他に役所広司。瀬戸朝香。山本耕史。もたいまさこ。他。

周防正行監督といえば、『Shall We ダンス?』などの作品が有名ですが、この映画では日本の裁判制度をテーマに、本格的な社会派ドラマが展開します。

もし、痴漢の容疑で捕まってしまったら、今の日本ではどうなるのか?

やっていないのだから、清々堂々としていればいい?

話せばわかってもらえる? やがて疑いは晴れる?

裁判というものが、決して善悪を裁くものでも、真実を明かにするものでもないということがよくわかる映画でした。

主人公は自分はやっていない、と最初から訴えます。

罪を認めれば、示談金を払ってその日のうちに家に帰れる。でも、「やっていない」と言ったがために、連日取調べを受け、4ヶ月もの間拘置所に拘留されることになるのです。

拘置所の朝夕の風景はまるで刑務所と同じ。数人の容疑者と寝起きを共にし、起床就寝時間、歯磨きの時間まで管理され、自分たちで部屋を掃除する。プライバシーゼロ。もちろん監視付き。

まだ罪が確定されていない人にここまでするのかと驚きでした。

起訴されたら99%有罪になる日本の裁判。

裁判官が、無罪判決を出すことの難しさ。

無罪判決を出したばかりに地方へ飛ばされる裁判官が作中で描かれますが、組織の中で正義を貫こうとする者が迫害されるなんて、絶対におかしい。

実際にそういう左遷された裁判官のドキュメンタリーも見ました。警察の不正を内部告発したばかりに、冷や飯を食わされた警察官の話も。

人間が人間を裁く…警察も、検察も、裁判所でさえ、国家という組織の一部でしかない…書類の上で決められていく運命。

その書類でさえ、改ざんされ、警察に不利な証拠は消され、誘導尋問によって作られていく調書。

国家権力にいち個人が立ち向かう怖さや、息子を信じる母親の悲しみが伝わってきます。

そしてなにより、組織の中で失われてしまった人間性にゾッとしました。

ある日突然犯人されてしまった主人公の青年を加瀬亮が好演しています。

主人公を助けるために協力する友人たち。必死で駅前に立ち、目撃者探しのビラを配る母親。同じ冤罪の被害を受けた協力者や、なんとか無実を証明しようと奔走する弁護士。

判決文を読む裁判官の声がむなしく聞こえます。

こんなことが許されていいの?

これは映画ですが、現実です。

現実をすごく考えされられる映画です。

罪を認めた者がお金を払ってその日のうちに釈放されるのに、無実の人が何ヶ月も拘留されて、仕事も家族もめちゃくちゃにされてしまう。

日本の裁判制度はおかしいです。

この映画を見て、自分が裁判にあまりに無知なことを知りました。一般市民が参加する裁判員制度は来年(2009年)から施行されます。今までは遠い世界の話でしたが、来年からは誰もが参加する可能性があるわけです。

みんなで考えて、もう少し住みやすい社会にしていきたいと、痛烈に感じさせてくれる映画でした。

満員電車は怖い!


中華風そうめん

2008-07-26 22:03:02 | 食・レシピ

暑いので今日の夕飯は中華風そうめんにしました。

Dscn1550 冷やし中華の麺をそうめんにしたもの。

テレビでやっていたので覚えました。

そうめんはたくさんあるので便利。

市販されているそうめんのつゆに酢とごま油を入れてよく混ぜると中華風のスープになります。

もう少しキレイに盛り付けたかったけれど、どうせお腹に入れば同じだし☆