上善如水

ホークの観察日記

『おくりびと』

2009-03-27 20:04:14 | 映画

滝田洋二郎監督の映画 『おくりびと』 を観ました。

主演は本木雅弘。

出演は他に広末涼子、山崎努、余貴美子、吉行和子、笹野高史、他。

第81回アカデミー賞外国語映画部門受賞作品ということで話題になっていましたね☆

納棺師という仕事を通して人間の死と生を描いた作品。

本木雅弘さんと広末涼子さんは夫婦役。

山崎努さんは納棺師として働くことになる本木雅弘さんの先輩納棺師で、その会社の社長という役回り。

会社といっても他に事務員が一人いるだけで、本木雅弘さんを入れてもたった三人だけの小さな会社です。

最初は地味な始まり…

チェロ奏者の本木雅弘。

所属するオーケストラが解散してしまい、職を失って生まれ故郷の山形に帰って来る。

女手一つで育ててくれた母親が残してくれた家。

自分たちを捨てた父親。

何とか仕事を見つけようと、給料だけに引かれて受けた面接であっけなく決まってしまった仕事は 「納棺師」 という聞きなれない仕事。

死体なんて見たこともなかった男が、いきなり見知らぬ人の体をあつかうことに…

納棺師という仕事があることもこの映画が話題になったことで初めて知りましたが、その様式美に心打たれました。

死体を清め、衣服を整え、化粧をしたりヒゲを剃る。

最初は死体を扱うことに顔をしかめ、体を石鹸で洗いまくる主人公。

周りの人々も死体にたずさわるということで偏見を持っている人もいて、広末涼子演じる妻も夫に「仕事をかわって欲しい」と頼みます。

誰もがみんな必ず死ぬ。

「死」というものが敬遠されがちな現代社会において、誰もが避けては通れない「死」をどのように受け止めるか。

祖先たちはどのように受け止めてきたか。

死者を葬り、花をたむけ、見送る「おくりびと」。

すごくジーンと心にしみてくる映画でした。

この映画が外国で評価されたのがちょっと驚き。

すごくいい映画なのですが、日本の風土から生まれた風習の描写も多々あったので、外国の人にはわかり難いのではという先入観が頭に浮かんだのです。

でも、「死」に対する人間としての気持は、どこの国の人にも通じるものなのかも知れないですね。

アカデミー賞受賞がそれを証明しているようで何だか勇気をもらいました。

作品の中で、「いしぶみ」(石文)という言葉が出てきます。

石の形や、さわり心地で気持を相手に伝えるというものですが、向田邦子さんの作品にも出てくるというのでちょっと調べてみました。

昔、まだ文字もなかった時代。

遠くにいる恋人に自分の気持にピッタリの石を送る。

その石を受け取った相手はその石を手の平で包み、石が尖っていたら病気か気持がすさんでいるのではないかと心がふさぎ、石がスベスベだったら、息災だな、と安心する。

石に自分の気持をたくす大昔のラブレター。

言葉にできなくても伝わるものってありますよね♪

逆に、言葉だけじゃ伝わらないものもある。

納棺師という仕事に反対で、ついには実家に帰ってしまう広末涼子演じる妻。

そんな妻が、納棺師としての夫の仕事を見る機会がやってきます。

それを観ていて、学校の「父兄参観」みたいに、夫婦や親子の間にも「家族参観」があったらいいのに、と思いました。

夫や父親の仕事ぶりを家族が見学する。

または妻の仕事を夫が見学する。

そうすれば、家でぐうたらしていても、少しは大目に見てむらえるんじゃないかな?(苦笑)

観終わったあと、心の中があったかくなる、そんな映画でした。


『パコと魔法の絵本』

2009-03-26 16:30:04 | 映画

久しぶりに映画をレンタルしてきました。

監督は「下妻物語」や「嫌われ松子の一生」などの作品で知られる中島哲也。

事故の後遺症で一日たつと記憶が消えてしまう少女のために、大人たちが絵本の世界を演じてみせる、ドタバタ+お笑い+ファンタジー+そして思いっ切りの感動映画!!

『パコと魔法の絵本』(2008年)です☆

CGと特殊メイクを多様して、ギャグありお笑いありで大人の考えた絵本の世界を見事に映像化しています!

物語が進んでいくともう涙が止まりませんでした!

出演は、役所広司、上川隆也、妻夫木聡、土屋アンナ、加瀬亮、小池栄子、劇団ひとり、國村隼、阿部サダヲ、木村カエラ、などなど超豪華。

主人公の少女「パコ」は、今度公開される映画『ドラえもん 新のび太の宇宙開拓史』で声優も務めるカナダ人ハーフのアヤカ・ウィルソンちゃんが演じています♪

ストーリーは最初からコントみたいな設定で、リアルさはかけらもありませんが、だからこそ、映画でしかできない演出がされていて、とってもユニーク☆

つじつまだとか、常識だとか、細かいことを考えるのはまったくの無駄。

その気になれば、夕日の光が次の瞬間月の光に変わってしまっても大丈夫!

役所広司さんが演じるのは、ありえない髪型をした、一代で会社を大きくした実業家の老人。

でもこの人、スクルージみたいな性格で、いつも怒鳴り散らしていばってばかりいるのでみんなの嫌われ者。

そんな老人が入院した病院には、ピーターパンの衣装を着た医者(上川隆也)や、お色気たっぷりで老人の財産を狙う看護婦(小池栄子)や、消防車にはねられた消防士(劇団ひとり)や、ノイローゼで自殺を繰り返す天才子役のなれの果て(妻夫木聡)や、ヤンキーですぐ手が出る看護婦(土屋アンナ)なんかがいて、いつも大騒ぎ!

その中に、一日たつと記憶をなくす少女パコがいるのですが、この少女との触れ合いが、役所広司演じる老人の心を変化させていきます。

登場人物はとにかくみんなどこかしらヘンで、天井からミラーボールが降りて来たり、手の平から金の粉(ピーターパンに出てくる「妖精の粉」です♪)が出たりと、何でもアリの世界なのですが、その中でもベテラン俳優、國村隼さん(サントリーウィスキーのCMに出演中のガンコ親父が似合うしぶい俳優さん)がオカマ役を怪演していて、これがもう似合いすぎていて必見です♪

パコがいつも持っている絵本「ガマ王子対ザリガニ魔人」

ワガママなカエルの王子さまが、家来のアメンボやミズスマシにイジワルしたり、家をこわしたりする物語なのですが、記憶を無くしてしまうパコにとっては、毎朝初めて目にする絵本。

何度も7歳の朝に目覚め、何度もプレゼントの絵本を枕元で見つけ、何度も何度も初めての物語の先を楽しみにする…

老人の名前だって覚えていません。

どんなに一緒に過ごしても、翌朝には初めて会う人なのです。

絵本の中のワガママなカエルの王子さま。

バチャーン。ケローン。

バチャーン。ケローン。

今日もいっぱい暴れたぞ。だけどぜんぜん楽しくない…

みんなをいっぱい困らせた。だけどぜんぜん嬉しくない…

ワガママで当り散らしてばかりいた老人は、しだいにどうにかしてパコの心の中に残りたいと願うようになります。

老人は医者にたずねます。

教えてくれ、涙はいったいどうしたら止まるんだ…

パコに絵本を読んであげる老人。

しかし、すでに時間はあまり残されていませんでした。

この作品は「MIDSUMMER CAROL ガマ王子vsザリガニ魔人」という舞台を映画化したものだそうで、確かに映画というよりは演劇に近いかも☆

映画ではCGアニメとの合成で絵本のキャラクターを描いていますが、それもよかった♪

何より真剣なバカっぽさがイイ!

日本でもこんな映画が作れるんだと、感動しました。

ボロボロ泣けたし。

あぁ、面白かった☆


WBC優勝オメデトウ!

2009-03-25 21:11:07 | スポーツ

昨日3月24日にアメリカで行われていた第2回WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)決勝戦!

日本VS韓国 延長戦の末、 5-3 で日本が勝ちましたね♪

第1回大会に続いての連覇!

夜勤の仕事で昼間は寝なきゃいけなかったのに、ずっと観てしまいました!

おかげで寝不足だったのですが、職場のみんなも観ていたらしく、全員寝不足。

昨日作った工場の製品、大丈夫だったかな?(苦笑)

1点リードで迎えた9回裏ツーアウト、優勝まであと一人というところで同点にされてハラハラしましたが、延長10回、今大会不振だったイチロー選手が最後に決めてくれました!

侍ジャパン優勝おめでとう♪♪


景気対策いろいろ

2009-03-22 12:33:44 | 日記・エッセイ・コラム

ETCカードが届きました!

高速道路の割引制度を利用するために今回初めて作ってみたのですが、年会費無料ということで、ローソンパスETCカードにしました。

肝心の車につけるETC機器本体はまだ買えていないんですけどね。

うちの近所ではまだ品切れが続いています。

ETCカードの方が早く届いてしまった…

ETC機器の購入助成制度も当初の3月31日までじゃなくて、もう少し延長を考えていると、この間国土交通大臣が会見していたので、そんなにあせることはないのかな?

定額給付金もうちの自治体は4月中旬頃まで準備にかかるとかでまだ届いていません。

まだ寒いうちに温泉旅行に行きたかったのに。

どっちが早いかな?


ETCがない!

2009-03-16 13:03:31 | 日記・エッセイ・コラム

この間決まった、

「3月末から高速道路の休日料金をどこまで走っても上限1,000円にします!」

という自民党の選挙対策みたいな割引制度。

この割引制度を利用するためには、ETC(自動料金収受システム)を車につけてなくちゃいけないのですが、うちの車にはついていないので、この機会につけようとさっそくカー用品店に行って来ました。

(ETCには本体とは別にETCカードも必要です)

3月31日までに新しくETCの機器を買う人には、助成金が出るということで、客が殺到して品切れ続出とニュースでは聞いていたのですが、

まさかこれほどとは…

土日が仕事だったので、月曜日にお店に行ってみたのですが、すでにどこのお店でも品切れ。

しかも次の入荷がいつになるかわからないから、予約も受け付けられないとのこと。

店員さんは平身低頭で申し訳なさそうに説明してくれましたが(私の他にもお客さんが数人いました)、3月31日なんてとても間に合いそうにない…

これはもう、店員さんが悪いわけじゃなくて、どうみたって政府の失策なんじゃないの!?

圧倒的に準備不足。

これで次の選挙で自民党が負けて民主党の政権になって、いきなり高速道路の全面無料化が実現なんかしたら、この騒ぎは一体なんだったの、ってことになるよ?

もっとも、いまの民主党じゃ無理っぽいけど…

何だか手際の悪さでせっかくの割引制度もマイナスのイメージに映ってしまいました。

割引に釣られたこっちもこっちだけれど…

我が家にETCが導入されるのは、まだまだ先になりそうです。