平成太平記

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(28.8.21) なぜデフレが発生し、しかもどの国にも同じように起こるのか?

2016年08月23日 11時09分40秒 | Weblog

(28.8.21) なぜデフレが発生し、しかもどの国にも同じように起こるのか?

 

おゆみ野四季の道  新

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長い歴史を見ていると歴史は繰り返すものだとしみじみ思ってしまう。

日本経済がバブル崩壊後ほぼ25年間にわたってデフレに苦しんでいるが、

歴史を見るとこれは何も日本だけの経済現象ではなくどこの国にも起こる一般現象だということが分かる。

最初にデフレの病にかかったのはイギリスだが19世紀の後半の約50年間イギリスはデフレに悩まされた。

毎年のように物価は下落し最終的には約半分の価格になってしまったが、イギリス経済が生産過剰に陥ったことによる。

ドイツとアメリカの追い上げがあってイギリスの生産能力が需要量を超えてしまったためだが、この調整が済むまでイギリスのデフレは終息しなかった。

次にデフレに襲われたのはアメリカだが。1929年の世界大恐慌とは本質的にはアメリカを襲ったデフレの嵐である。 

第一次世界大戦で世界の工場に躍り出たアメリカだが、有り余る生産力がこのころになると過剰になってしまった。

ヨーロッパ経済が復興するにしたがってアメリカの輸出が伸びなくなり過剰生産に陥ったからである。


アメリカでは製造業の投資機会が失われたため、

有り余っていた資金は不動産へと向かいマンハッタン等の不動産価格を急上昇させたが、

不動産バブルは度を越せば調整局面に入る。

その後アメリカは第二次世界大戦が起こるまではチャップリンが描くモダン・タイムスの世界になり巷に失業者があふれあらゆる価格がここも約半分になってしまった。


アメリカがこのデフレから立ち直ったのは究極の公共投資と呼ばれる戦争が始まったからで第二次世界大戦で息を吹き返した。

20世紀の後半は日本の時代だったが中国と韓国の追い上げで日本も過剰生産に陥り1980年代後半には余剰資金が設備投資ではなくほとんど不動産と株式に投下された。

当時の経営者で不動産投資をしない経営者は無能と呼ばれ馬鹿扱いだった。


当時の不動産価格の上昇は半端でなく通常の経営をするのがばかばかしくなるほどだったが、これが不動産バブルというものだ。


日銀が資金供給を絞ったため、1990年を境にバブルが崩壊すると日本はその後約25年間に及ぶデフレの脅威に悩むことになる。

日銀の黒田総裁がインフレ目標2%と叫んでいくら資金を市中に投下してもインフレにならないが、不動産価格の調整が済むまでこのデフレは進むからだ。

注)なお日本に限って言えば人口減少が激しく不動産価格が上昇する要因がない。大都市の一部で値上がりしているのは中国人が資産の逃避を図っているため。

なぜ高度成長をして世界の先端に躍り出た国にデフレが襲い掛かるかというと、

いづれも高度成長期に設備投資を行いすぎて製品が売れなくなり、

一方でそれまでの自己資金の蓄積や金融機関の過剰融資に誘発されて、「本業がだめなら不動産と株式だ」と一攫千金を狙うからだ。


だが不動産投資は必ずどこかでバブルがはじける。

不動産は使ってなんぼのものだが、それ以上の不動産は不必要だからだ。

現在このデフレの圧力が襲い掛かっているのが中国で1990年ごろから続いた高度成長が過剰生産を引き起こして、デフレ局面に入ったからである。

中国経済は2014年にピークを打ってその後は長期低迷期に陥っている。


すべての生産力が過剰で鉄鋼などは必要な生産規模の約2倍程度の生産力があるためどうにもならない。


本来は競争力のない企業が淘汰されて調整は終わるのだが、

中国の場合は鉄鋼、石炭、アルミ、電力といった基幹産業がすべて国有企業のため、

倒産させるわけにいかない。

掛け声だけで生産調整は一向に進まず過剰生産が続いて特に工業製品物価は急下降している。

経営者は投資機会を失い、

ここでも余ったは資金は不動産に向かっており不動産バブルは農村部では崩壊しているが、

相も変わらず大都市の不動産ブームはつづいている。

最後は不動産に資金が集中しそれがはじけてこのバブルは終息するがこのパターンはイギリス、アメリカ、日本、中国ともみな同じだ。


経済などというものはすることが同じであれば結果もみな同じなのだ。


今中国は統計数字をごまかすことでこの事実を隠蔽しようとしているが、

中国がどこの国にもあった長期デフレ局面に入り高度成長が終わったことは確実だ。

 



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