平成太平記

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最悪の日韓関係の中 冷静で前向きな韓国の人の声 

2013年12月15日 19時51分24秒 | Weblog

 2013.12.07 (土)

「 最悪の日韓関係の中 冷静で前向きな韓国の人の声 」

『週刊ダイヤモンド』   2013年12月7日号
新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 1013

韓国で最も影響力があるといわれる言論人、趙甲済氏が11月27日夜、「中国に対する韓米日共助」が出来たと、ブログで発信した。

中国が一方的に宣言した防空識別圏に、韓国の離於(イオ)島が含まれたが、韓国軍はこれを無視して中国側に事前通知せず哨戒飛行を続けたこと、韓国政府は11月25日、中国側の防空識別圏を認めないと公式に通報したことを指摘した上で、氏は米国がB-52戦略爆撃機2機を中国に通報せず出撃させたこと、日本政府が民間航空会社に同空域の飛行で中国に事前通告をしないように指導したことを取り上げ、「久しぶりに」「中国に対する韓米日共助」が出来た、と評価したのだ。

行間に、朴槿恵大統領の非理性的な日本批判への批判、韓国国内の反日感情と日本での反韓感情の高まりを何とか鎮めたいとの思いを読み取るのは、私だけではないだろう。

「ニューズウィーク日本版」は12月3日号の表紙に「アメリカも困惑する韓国の世界観」と大書し、朴大統領の反日をたしなめた。

米国政府は韓国が日本の「軍国主義化」だと強く非難した集団的自衛権の行使を高く評価した。

10月3日の日米外相防衛相四閣僚による「2プラス2」では、日本により積極的な軍事的役割を奨励し、日本の集団的自衛権にも米国の積極的支持を打ち出した。

こうしたことについて「朝鮮日報」の論説室長、楊相勲氏による以下のような論陣に注目したい。

「韓国人にとって、日本の集団的自衛権行使容認は戦犯国家による再武装の企てだ。その戦犯国家と実際に戦争した米、英、豪が日本の集団的自衛権行使を歓迎した。

各国が日本の対中牽制能力の向上を望んでいるにしても、日本が『信頼出来る国』『合理的な国』としての評価を得ていなければ、このような国際世論はあり得なかっただろう」

氏は対日請求権問題についても、韓国と同様の内容で日本と請求権協定を結んだアジア4カ国と韓国を比べながら、条約を覆しているのは韓国だけだと、冷静に指摘している。

楊氏の主張は、日本との問題を根本的に解決するには韓国が「もっと合理的で信頼出来る国」になるしかないという点に尽きるだろう。

いま最悪の日韓関係の中で、韓国で発せられるこの種の冷静かつ前向きな声を大事にしたい。韓国の対日観が、不条理の極致にまで、ねじれにねじれている理由を理解するには趙氏の次の指摘が役立つだろう。

国会議員300人中、「前科者が61人」もいる、韓国の国会は異常なのだという指摘である。

「国会には強盗傷害事件の加担者、催涙弾を本会議場に投げた者、火炎瓶で警察官7人を殺した学生たちを民主化活動家として持ち上げる者、北朝鮮式社会主義を信奉し対南赤化戦略に追従する者たちがいる」というのだ。

「前科者」61人中、27人が反共法や国家保安法の違反者、つまり反国家犯罪の犯人たちだと趙氏は断じた。そのような人々が構成する韓国国会は朴大統領の命が狙われる危険な場所でもあると、氏は警告している。

韓国政治が混乱の極みにあり、北朝鮮勢力が中枢部にまで浸透していることが激しい反日の原因でもあろう。

「統一日報」顧問の洪熒(ホン・ヒョン)氏は、日韓関係は「心理的断交状態」に陥っているが、韓国人の対日感情は実際には「そう悪くない」と強調する。歴史を知らない若い世代はさておき、韓国の大人たちの多数は偏狭な左翼民族主義の日本非難には同調しないと繰り返すのだ。

いま、反韓反日を言い立てるのは容易である。だが、こんな険悪な状況だからこそ、物の道理がわかっている韓国の人々の声に耳を傾け、彼らをこそ支援するのがよいと思う。



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