【コラム】3兆2000億ドルの日本、マイナス43億ドルの韓国
金洪秀(キム・ホンス)経済部次長
朝鮮日報日本語版
低成長の沼に陥った韓国、まずは危機意識の共有を
一部省略
日本の対外純資産(企業や政府、個人が海外に保有している資産から負債を差し引いたもの)の残高は、今年3月末時点で3兆2000億ドル(約342兆円)に達する。
一方、韓国の対外純資産残高はマイナス43億ドル(約4600億円)だ。
一生懸命稼いでも、いまだに資産よりも負債が多い。
人に例えるなら、韓国経済は多額の借金を抱えるサラリーマンで、日本経済は資産の運用益だけでも十分食べていける銀行のプライベート・バンキング(PB)の顧客ということになる。
日本は昨年、資本収支だけで460億ドル(約4兆9000億円)の黒字(流入超)だった。これに対し、韓国の昨年の資本収支は2億ドル(約214億円)の赤字(流出超)だった。
国内総生産(GDP)の規模で見ると韓国は世界13位の経済大国だが、だからといって錯覚してはならない。
GDPは1年間に国内で生産された物やサービスの総額だ。現在の現金の流れが少し良いだけで、資産が多いという意味ではない。
もちろん、負債が多いからといって必ずしも国が駄目になるわけではない。
米国は対外純資産残高がマイナス5兆ドル(約535兆円)に達する。
だが、米国は基軸通貨国だ。印刷機でドルを刷るだけで、いくらでも負債を償還できる。
韓国は資源も、世界の富裕層が欲しがる田舎の家も、有名画家たちのスケッチもない。頼れるものは知識と労働だけだ。
経済再生への期待をつないだチェ・ギョンファン経済副首相兼企画財政部(省に相当)長官率いる経済チームの景気浮揚策が、次第に勢いを失っている。
国会などに足を引っ張られ、これさえも効果を出せなければ、韓国経済の未来は暗い。
まずは国民が危機意識を共有することから始めなければならない。
このままでは、国を奪われるという屈辱を味わいながらも発奮せず、子孫に何も残せなかった先祖と同じ轍(てつ)を踏むことになるだろう。
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