朴政権、打つ手なし 失速止まらぬ韓国経済 議会はネジレ 対策たなざらし…
2016.04.28
ZAKZAK夕刊フジ
韓国経済が出口なしだ。
輸出と消費、設備投資の三本柱が低迷し、1~3月期の国内総生産(GDP)は前期比0・4%増と、中東呼吸器症候群(MERS)騒動のあった昨年4~6月期以来の水準に落ち込んだ。
与党の総選挙大敗で朴槿恵(パク・クネ)政権のレームダック(死に体)化が進み、議会との「ねじれ」も生じて何も手を打てない惨状だ。
「輸出が持ち直さないため、企業は設備投資を渋り、国内の雇用も弱い。
海外要因の悪化がドミノ的に国内に影響している状態だ」。
韓国のGDPが低調な理由を第一生命経済研究所主席エコノミストの西濱徹氏が解説する。
1~3月期GDPでは、主力の輸出が前期比1・7%減となったほか、民間消費も0・3%減、設備投資は5・9%減と落ち込んだ。
最大の輸出先である中国経済が減速しているうえ、「中国からの輸出拡大の動きがカニバリ(共食い)を誘発している可能性もある」(西濱氏)というのだ。
為替のウォン高基調も輸出の足を引っ張っている。
米財務省に「不透明な為替介入を行っている」と批判が強い韓国は、「為替操作国」に認定されることを恐れて大規模なウォン売り介入をやりづらいとみられる。
ウォン高を打開するもう一つの政策として金融緩和があるが、これも韓国が実行するのは簡単ではないようだ。
「韓国の金融市場のプレーヤーは外国人が多いため、金融緩和をやり過ぎてウォン安が進むと資金が海外に流出する懸念がある。
また、家計負債の比率が高い中で、さらに低金利で民間に借金をさせるリスクも大きい」と西濱氏は指摘する。
政府の経済対策も赤信号だ。
朴大統領の与党セヌリ党は総選挙で大敗し、過半数を失った。
韓国の「国会先進化法」という法律では、国会で6割が賛成しないと法案が成立しないため、朴政権が経済対策を打ち出そうとしても、たなざらしにされることになる。
前出の西濱氏はこう締めくくった。
「政権の“死に体”化が避けられない一方、野党共闘も期待できないため何も決められず、経済建て直しに有効な策が打ち出される可能性は低い」
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