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北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

ウクライナ情勢-反転攻勢における戦訓,自衛隊機械化部隊と専守防衛に依拠した本土防衛に資する考察

2023-06-14 07:00:41 | 防衛・安全保障
■臨時情報-ウクライナ情勢
 ロシア軍の防衛線をウクライナ軍が数カ所で突破し7から11の村落を奪還したとのことですが、ロシア軍は前哨陣地8kmと主陣地12kmの重厚な防衛線に第1親衛戦車軍による機動防御部隊が待機しており、これからが厳しい。

 ウクライナ軍反転攻勢を見ていますと、ウクライナ軍第33機械化旅団の戦闘正面とされる映像にM-2ブラッドレイ装甲戦闘車に相当数の被害が出ており、レオパルド2戦車についても被害が生じていますが、同時にフィンランド等から供与されたレオパルド2R-HMBV工兵戦闘車も複数両、供与されたのが若干数なので全数に近い、被害が出ているもよう。

 湾岸戦争のサダムライン突破以来と表現した今回の攻撃ですが、考えればロシア軍の防御陣地への正面突破は第二次世界大戦における独ソ戦以来の事例となり、防衛線に隙間が無い限り、つまり迂回が出来ない限り突破となり、戦車や機械化歩兵といった近接戦闘部隊の損耗は避けられないのですが、1200kmもの防衛線に隙間が無い事が驚かされた点です。

 自衛隊が学ぶ点としては、自衛隊は戦車を冷戦時代の1200両から現在300両へ削減途中ですが、少なくとも現在68両しかない装甲戦闘車を戦車と1:2の数まで、つまり600両まで増強し、装甲戦闘車の火器管制装置には対空型兼用のものがある為、無人機攻撃や対戦車ミサイル部隊に対して3P弾など調整散弾型の大口径機関砲弾で支援する能力が必要です。

 戦闘ヘリコプター、ロシア軍は今回、ホーカムやハボックなどの戦闘ヘリコプターを前哨陣地が破られた地域へ集中投入しウクライナ軍に大損害を与えています。自衛隊はAH-64D戦闘ヘリコプターを廃止する方針ですが、戦闘ヘリコプターには空対空戦闘能力があります、高射特科部隊も有用ですが即座の戦闘能力を考えれば、これら装備の有用性は大きい。

 施設作業車、自衛隊に致命的に不足しているのは戦闘工兵装備ですが世界中を見渡して高い機動力を持つ第三世代戦車の速力に呼号可能な障害処理力を持つ戦闘工兵車は存在せず、戦車の車体を応用した戦闘工兵車も70km/hの速度で地雷原を処理しつつ前進する能力無く、すると最低でも戦車車体応用の戦闘工兵車にアクティヴ防護装置を載せたものが要る。

 砲兵火力についても、現在自衛隊は師団旅団の特科部隊を廃止し方面特科連隊へ移管する改編を進めていますが、方面隊の重厚な兵站能力に依存するならば簡便な19式装輪自走榴弾砲ではなく、99式自走榴弾砲の自動装填装置を備えたスウェーデンのアーチャー自走榴弾砲のような装輪型か、99式自走榴弾砲改良型で300両の定数を満たす覚悟が必要です。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
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【防衛情報】FLRAA将来型長距離強襲機とJAGMミサイル,アケロン搭載ティーガー戦闘ヘリコプター

2023-06-13 20:22:08 | 先端軍事テクノロジー
■■■防衛フォーラム■■■
 今回は各国の戦闘ヘリコプターに関する最新情勢を。戦闘ヘリコプターは改良を重ねる事でその任務遂行能力などを大きく高めているのびしろの在る装備体系です。

 アメリカインド太平洋軍はFARA陸軍将来攻撃偵察機の優先基準を更に高めるとのこと。これはアメリカ軍隷下の統合軍にあって最も広大な地域を担当するインド太平洋軍にとり、速度と行動半径の大きさから従来の観測ヘリコプターでの任務対応はもちろん、AH-64Eアパッチガーディアン戦闘ヘリコプターの行動半径でも不十分であることを示している。

 FLRAA将来型長距離強襲機として、現在のUH-60ブラックホーク多用途ヘリコプターの後継期にはベル社が開発した可動翼機方式であるV-280ヴェローが採用されています。他方でFARA将来攻撃偵察機は、ベル社がベル360インヴィクタス複合ヘリコプターを、ボーイングがアパッチに推進プロペラを追加したコンパウンドアパッチなどを開発した。

 FARA将来攻撃偵察機の有力候補には複合ヘリコプターとしてシコルスキーS-97レイダーなどが開発されていますが、攻撃ヘリコプターとして匍匐飛行など戦場生存性を考慮するならば複合ヘリコプター方式が理想であり、偵察ヘリコプターとして広範な戦闘行動半径を念頭とするならばV-22オスプレイのような可動翼方式が適しており、一長一短です。
■ティーガーへアケロン■
 トリガットの後継という位置づけになるのでしょうけれど軽量である事で搭載能力に上限の厳しいティーガーには新しい選択肢が生まれたもよう。

 フランス国防省はユーロコプターティーガー戦闘ヘリコプターへアケロンLP対戦車ミサイル搭載試験の完了を発表しました。このミサイルはMMP対戦車ミサイルとして気合発が進められていたフランスの第五世代対戦車ミサイルであり、歩兵や航空機搭載用と装甲車両搭載用などを様々な派生型として開発する基本型のミサイルとなっています。

 ユーロコプターティーガー戦闘ヘリコプターは、対戦車型と戦闘型を分けており、対戦車ミサイルを搭載した際に近接航空支援へ必要な空対地ロケット弾を搭載することができませんでしたが、へアケロンLP対戦車ミサイルは22連装ロケット発射器用兵装架へ四連装型を搭載出来、ロケット弾は翼端の空対空ミサイル用兵装架に10連装型が搭載可能だ。

 アケロンLP対戦車ミサイルの運用能力をティーガー攻撃ヘリコプタへ付与する一連の計画はMAST-Fプログラムといい、現在この種の対戦車ミサイルとしてヘリコプターに広く採用されているヘルファイア対戦車ミサイルの後継装備を目指しているもの、ヘリコプター搭載時には射程は8㎞、高高度を飛行する航空機からは射程が20㎞に達します。
■■JAGMミサイル■■
 日本では陳腐化と呼ばれるアパッチですがなにかいい大学に入ってサボった学生の末路を見るようで世界では頑張る事で進化を続けている。

 アメリカ陸軍はロッキードマーティン社との間でJAGM統合空対地ミサイル及びヘルファイアミサイルの長期生産契約を結びました。この契約は4億3900万ドル規模の契約になるとのことです。意外である点はAGM-179統合空対地ミサイルとヘルファイアミサイルは共通点が多いミサイルであり、これらを統合せず別々のミサイルを生産している点だ。

 AGM-179統合空対地ミサイルは射程16㎞で従来アメリカが永らく運用してきましたAGM-65マーベリック空対地ミサイルの後継に当たる装備で2022年に射程16㎞のJAGM-ERが移動目標へ発射実験に成功しています。ヘルファイアミサイルは2010年代の改良型、射程は9㎞、半指令誘導方式とレーザー誘導方式を併用して採用しています。

 ヘルファイアミサイルは、アメリカ陸軍では戦闘ヘリコプター用にスパイクNOLSという射程の大きなものを導入する計画ですが、このミサイルは射程が長い分、TV誘導方式であり同時多数を誘導する事はできません、この為に10km以下の中距離目標へ対応するミサイルも並行して装備されます、今回の契約は最大45億ドルのオプションを含むとのこと。
■■チェコのAH-1Z■■
 アパッチに押されていたヴァイパーですが最近急に採用国が増えてきたという印象です。

 チェコ陸軍が進めるAH-1Z戦闘ヘリコプターとUH-1Z多用途ヘリコプター導入計画はその有償軍事供与がアメリカ国務省により認可されました。この計画ではベルヘリコプターテキストロン社とゼネラルエレクトリック社などが製造するAH-1Z戦闘ヘリコプター6機とUH-1Z多用途ヘリコプター2機及び関連機材が6億5000万ドルにて調達される。

 AH-1Z戦闘ヘリコプター6機とUH-1Z多用途ヘリコプター2機はチェコ陸軍が長年必要としていた空中機動能力の強化で、最初の機体は2023年内にナメシュテ基地へ納入予定、すべての機体が2024年内に納入完了する。AH-1Zには最新世代のAIM-9サイドワインダー空対空ミサイル運用能力があり、限定的ながら空対空戦闘能力も期待されています。

 チェコ陸軍がAH-1Z戦闘ヘリコプターとUH-1Z多用途ヘリコプターを導入決定した背景には、この二機種のヘリコプターは部品の85%に互換性があり、整備基盤や予備部品および教育訓練の面で有利です。ただ、この二機種を正式採用した国はアメリカ海兵隊のみ、アメリカ海兵隊はフォースデザイン2030によりヘリコプター部隊を縮小する計画です。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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北朝鮮軍事偵察衛星打ち上げ-発射通告期間終了も第二回発射実験宣言,沖縄方面落下に備え自衛隊の破壊措置命令継続

2023-06-13 07:00:00 | 国際・政治
■臨時情報-ミサイル防衛
 北朝鮮の軍事偵察衛星一号打ち上げ失敗後に発表された軍事偵察衛星二号の概況について。

 浜田防衛大臣は11日午後、北朝鮮ロケット発射に関する自衛隊のミサイル破壊措置命令期間を延長すると発表しました。この発表は元々北朝鮮がロケット発射期間を6月11日までとしていたのに対し、最初のロケット発射失敗後、次のロケット発射期間は予告しないと公表した事を受け、6月11日以降にも発射の可能性が残されている事を受けてのもの。

 ミサイル防衛部隊は、従来沖縄本島に展開していますが、北朝鮮ロケット軌道下に含まれる先島諸島などには弾道ミサイル防衛部隊が展開していない事から、九州よりペトリオットMSE部隊を展開させており、この展開を継続するとしています。ただ、港湾内など日常生活に支障或る地域の布陣については同じ島内の別の場所への移動を検討するとのこと。
■ソヘ衛星発射施設
 発射施設では実際動きがあるようです。

 北朝鮮ミサイル発射施設などを監視するアメリカの研究グループ38ノースによれば、今月9日と10日の北朝鮮ソヘ衛星発射施設の衛星写真などを比較した結果、発射台近くに複数の車両が可動している様子が比較により判明し、何らかの発射実験準備が進められていると考えられます。ただ、実際の発射試験のかわりにエンジン実験の可能性も考え得る。

 北朝鮮のロケット発射は前回の発射実験失敗は燃料系統などに異常が在った可能性が北朝鮮自身により示唆されていますが、北朝鮮は朝鮮半島のレーダー施設以外発射したロケットの追跡手段を有しておらず、エンジンのどの部分が欠陥であったのかが判明していません、同じ条件で同じことを行えば同じ失敗に繋がる懸念もあり、この点が不確定要素です。
■台風三号接近中
 台風が接近しています。台風がせkkンしますと進路によってはミサイル防衛に当るイージス艦などにも影響が及ぶこととなりますが。

 北朝鮮ロケット発射について、影響を与え得るのは気象です。前回は台風2号の接近に先んじて実験を行っていましたが、少なからず影響する為にある程度気象が安定した状況で試験を行うのが一般論として望ましい。現在日本の本州南方海域には台風3号が北上しています。中心気圧は990hpsで瞬間最大風速は35m/s、野島崎沖を35km/hで進む。

 台風2号と台風3号の連続した本州南方海域の移動により海水が撹拌され表面温度が低下した場合には次の台風が接近する、もしくは成長するまで離隔が生じ得ます。無論梅雨前線の影響が朝鮮半島まで及ぶために一概には言えないのですが、気候の安定が発射再開要素となる、また悪天候は衛星写真での監視への影響が及ぶ点も留意事項と云えるでしょう。

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【防衛情報】イギリス新機雷掃討母艦スターリングキャッスルとアメリカ沿海域戦闘艦用MCM機雷戦装備

2023-06-12 20:00:41 | 先端軍事テクノロジー
■■■防衛フォーラム■■■
 今回は機雷戦闘に重点を置いて特集しますが掃海艇という装備体系が今後どのように転換するのかという注目の事例が最近多いのです。

 イギリス海軍は新機雷掃討母艦スターリングキャッスルの艤装試験準備を完了しました。もともとスターリングキャッスルは中古船アイランドクラウンを王立補助艦隊が取得したもので、バハマ船籍の船として2013年に就役し2017年にノルウェーへ船籍を変更、2023年にイギリス国防省が取得、デヴォンポートにおいて改修作業が行われていました。

 スターリングキャッスルは全長96.8mと通常の掃海艇よりもかなり大型ですが、満載排水量に至っては6000tと掃海母艦や機雷敷設艦並みの規模となっています、この大きな戦隊へMCM-MAS機雷対策海上自律システムを搭載、いわば広範囲を複数の掃海艇で対応するのではなく、一隻の大型機雷掃討システム母艦により対応するのがこの艦の狙いです。

 MCM-MAS機雷対策海上自律システムはイギリスがフランス海軍との間で共同開発を進めているもので、SWEEP複合曳航式機雷探知システムとMAUV無人水上艇等を搭載します。大型である分多数は建造できません、しかし、イギリス海軍は機雷脅威地域に重点的な機雷掃討を行うことを重視、また数か月毎に乗員を交代させ長期運用を構想しています。
■ハリアー機雷掃討無人艇■
 この規模の掃海システムであれば水上戦闘艦に搭載艇のダビットを補強して搭載するという運用が現実味を帯びてきますね。

 イギリス海軍はハリアー機雷掃討無人艇の評価試験を実施中です。ハリアーといいますと垂直離着陸可能という攻撃機を思い起こされるかもしれませんが、こちらは11m級モーターボートを用いた機雷掃討システムであり、自律航行し海中の機雷を捜索、発見した機雷へ機雷処分弾薬を投射します。この試験は潮流の激しいペルシャ湾において実施中です。

 ハリアー機雷掃討無人艇の試験は、イギリス海軍のカーディガンベイ補助輸送揚陸艦の支援により行われ、ウェルドック構造を有するカーディガンベイより発進し試験を行っています。ハリアーは現在運用される有人掃海艇を置き換える10年間に及ぶ開発計画の実証艇で、現段階では単体のほか有人掃海艇との共同運用なども研究されているようです。

 ハリアー機雷掃討無人艇に期待されるのはイギリスが現在艤装中であるスターリングキャッスル掃海母艦のような大型艦へ搭載しての広範囲の掃海任務が挙げられますが、この他に26型フリゲイトなど水上戦闘艦へ搭載し、掃海艦艇の展開しない海域での水上戦闘艦からの機雷掃討、オーガニック方式での機雷戦能力なども想定されているのかもしれません。
■沿海域戦闘艦用MCM■
 漸く完成というよりもこれまでどうやっていたのだろうという疑問符の方が多く特に一番艦は機雷戦能力を持つことなく既に退役しているという。

 アメリカ海軍は沿海域戦闘艦用MCM機雷戦任務ミッションパッケージの初度作戦能力獲得を宣言しました。5月1日、長年の課題であったインディペンデンス級沿海域戦闘艦におけるオーガニック方式、つまり水上戦闘艦からの機雷対処能力の付与は、この計画責任者であるアメリカ海軍のスコット中将によりIOC初度作戦能力を宣言されたのです。

 MCM機雷戦任務ミッションパッケージはAN/AQS-20機雷探知ソナーと艦内搭載のMCM-USV無人水上艇及びMH-60S多用途ヘリコプターにより構成され、AN/AQS-20により探知した目標をMCM-USVからの機雷処理弾薬投下やMH-60Sヘリコプターによる掃討を行い、またMH-60SにはAN/AQS-20ソナーの補完的な機能も含まれています。

 AN/AQS-20はWBFLS複合バンド前方捜索能力とMFSLS側方合成照合ソナー及びDGFデジタル地形照合機能を備えた水中曳航式ソナーで、機雷探知と照合が可能です。MCM-USVは既に2022年に実証実験が完了しており今回沿岸海域戦闘艦シンシナティでの長期にわたる評価試験を完了したことでICO初度作戦能力獲得を宣言するに至りました。
■■パトリアSONAC■■
 小規模な海軍にはこうした装備が必要なのだという。

 フィンランドのパトリア社はパトリアSONAC-ACS水中システムを発表しました。これはドイツのロストックにおいて5月9日から三日間にわたり行われたUDT国際水中防衛装備展の展示ブースにおいて発表されたものです。SONAC-ACS水中システムは掃海艇やミサイル艇といった小型艦艇にも搭載可能という多目的ソナーシステムとなっている。

 SONAC-ACS水中システムはモジュール式の20フィートコンテナに搭載、基本的には機雷探知用ですが、浅海域での対潜捜索にも対応しているとのことで、補助艦艇への搭載など従来ソナーを搭載していない艦船への搭載が可能です。またこのソナーは探知のほか、アクティヴソナー機能の応用により一種の音響掃海器具としても活用が可能となっています。

 パトリア社では併せてAUV水中ターゲティングキットを発表、対潜戦闘能力を小型艦艇に整備することができても中小国の海軍は潜水艦と訓練することが難しい事例があり、この装備を導入することで自律航行式の無人水中標的として、いわば対潜戦闘が可能です。また標的以外にもミッションソフトウェアの更新で様々な水中任務が可能とのことです。

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ウクライナ情勢-春季反攻本格化,レオパルド2主力戦車にM-2A3ブラッドレイ装甲戦闘車投入とロシア軍トレフォイル縦深陣地

2023-06-12 07:00:50 | 防衛・安全保障
■臨時情報-ウクライナ情勢
 今回の反攻作戦は日本の防衛を考える上でもどうしても見ておかなければならない戦訓がいくつもあるのです。

 ウクライナ軍の反撃が本格化しました。レオパルド2主力戦車にM-2A3ブラッドレイ装甲戦闘車、AMX-10RC装甲偵察車にPzH-2000自走榴弾砲やカエサル自走榴弾砲にMLRSとHIMARS,M-113装甲車からVAB軽装甲車にマックスプロ耐爆車両からブッシュマスター輸送防護車まで、ほぼすべての供与車両が惜しげもなく投入され、既存車と協同します。

 ロシア軍はトレフォイル縦深陣地という前哨陣地8kmと主陣地12kmの三つ葉葵のような陣地を組み相互に防御する方式を演練し、また一年間の占領期間によりかなりの規模の防御陣地、地雷原などを広げています。近接戦闘部隊の宿命でしょうが、かならず一定数の損耗を強いられる事になります。ウクライナ軍は今回の反撃に10個旅団を投入するという。
■南部戦線と東部戦線
 戦闘ヘリコプターの恐ろしさを改めて痛感させられたのは地雷原で行き場を失った戦車に戦闘ヘリコプターが襲いかかったらしい状況から。

 ウクライナ軍の攻撃軸は東部方面と南部方面の複数、そしておそらく主攻撃軸は一つです、が、こればかりは作戦が終了するまで分析の仕様が有りません。南部方面ではウフレダール近郊でロシア軍占領地がウクライナ保持地域に突出した地域がありましたが、先ず此処が攻撃されている。そして南部のトクマク占領地に向け一部で前線突破に成功した。

 ウフレダールはドネツクの鉄道拠点都市であり昨年11月にロシア海軍歩兵2個旅団とウクライナ2個機械化旅団が戦闘を繰り広げウクライナ軍が撤退した地域です。現在戦闘はウクライナ軍が大隊規模の威力偵察を繰り返している状態と推測でき、防御陣地の薄い地域が突破、対して今回ロシアは防衛用に戦闘ヘリコプターを大規模に投入しているもよう。
■レオパルド2A6損耗
 近接戦闘部隊において損耗は宿命的なものです、これは日本の場合で冷戦時代の戦車1200両編成が今や300両まで定数が削減されていますが、予備の車両を真剣に考えなければ300両の戦車の維持は時に1000両の調達費よりも高くつく事がある。

 レオパルド2の撃破映像について。恐らく地雷原などの処理不充分である地域での正面突破を図った際に撃破されたのでしょう、撃破された車輛の一部にはA6型が含まれ、砲塔後部の弾薬庫を隔離するブローオフパネルが吹き飛んだ後で数カ所破損個所が見受けられる事から相当数のミサイルを命中させられています、ただ、驚いたのは全損していない。

 レオパルド2A6,乗員が脱出したあとが蜂などから見受けられ、また開いたままのハッチ部分には炎上の痕跡が無い音から、行動不能となっていますが修理可能です。その周辺には米軍が供与したM-2A3ブラッドレイ装甲戦闘車の破損車体も確認できますが、うち少なくとも3両は全損の可能性が。なお短時間でこれだけM-2A3が破壊されたのは恐らく初だ。

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【日曜特集】海上自衛隊60周年観艦式【12】ヘリコプター搭載護衛艦くらま望見の視点(2012-10-08)

2023-06-11 20:11:41 | 海上自衛隊 催事
■くらま-浦賀水道にて
 前回は反撃能力の視座とともに2012年の写真を回顧した際の複雑な視点を思い出しましたが防衛力整備というのは常にそういうものかのかもしれない。

 ヘリコプター搭載護衛艦、この2012年観艦式は御縁あってヘリコプター搭載護衛艦をいちばんよく見る事が出来る位置から撮影する事が出来ました。わたしの観艦式、観閲艦が護衛艦くらま、の頃に始まりましてそのあとはなかなか、という北大路機関らしい話です。

 22DDH、現在の護衛艦いずも型の建造とともに、いずれ自衛隊はF-35B戦闘機を導入する事になるのだろう、こう考えていましたが驚いたのは、それが意外なほど早かった、ということでしょう。実際のところ海上自衛隊の空母建造構想は海上警備隊まで遡るのだから。

 海上警備隊時代に、アメリカからボーグ級護衛空母の貸与を希望し、また新たに旧海軍の阿賀野型軽巡洋艦の船体設計をもととした対潜中枢艦を建造し、貸与された艦隊駆逐艦とともに対潜掃討部隊を、という研究が、一応日米間での情報交換までは行われていました。

 阿賀野型、なんて、と思われるかもしれません。海上自衛隊の空母建造計画というものを、様々な文献、創刊間もない頃の世界の艦船、誌上にもそうしたものが記されているものですし、当時は驚いたものですが、海上自衛隊と旧海軍は不可分の連続性が見えるのです。

 白露型駆逐艦と護衛艦はるかぜ型、搭載機器やレーダーや水測機器などは当然一新されるのですが船体設計の一部は応用されているといい、一方で旧海軍は三門艦砲を搭載する場合、前甲板に1門と後甲板に2門、という設計が踏襲されていましたが、護衛艦では逆に。

 エセックス級空母の中古艦や全通飛行甲板型護衛艦にハリアーが開発されるとDDV航空機搭載護衛艦、というものなどが定期的に読売新聞や朝日新聞のような全国紙でも関係者の話として検討の話題が示されるようになり、いつかは、と考えられた戦闘機の搭載です。

 F-35Bの搭載、結局ハリアーの場合は能力に限界があり、導入に関わる費用対効果、そして自衛隊の任務を考えた場合には、無理に導入する必然性よりも、イージス艦やターターシステム艦の改良を優先し、ハリアーは後回しとなった、こうした実情があるようでした。

 ハリアーは改良によりAGP-65レーダーを搭載することでAMRAAM空対空ミサイルの運用能力を持ち、対して超音速飛行能力の無いハリアーの会敵能力などの限界があり、艦隊防空に限るならばある程度の能力を発揮できるというオペレーションリサーチは側聞する。

 バックファイア超音速爆撃機、この背景にはソ連が冷戦時代にTu-22Mバックファイア超音速爆撃機の整備を開始し、これは戦略兵器制限条約を受け、その枠外に置くために空中給油受油装置を持たず、航続距離が限定されている、という点はあっても充分脅威という。

 護衛艦隊が警戒していたのはバックファイアからの超音速対艦ミサイル飽和攻撃が、日本のシーレーンを航行するタンカー等に向けられた場合の脅威であり、一方、検討されていた当時のハリアーにはサイドワインダーミサイルまでしか搭載できない限界がありました。

 イージス艦が、選ばれる事になりましたが、サイドワインダーミサイルだけでもバックファイアがミサイル発射位置に進出する事を妨害する事はできるのではないか、という検討が有る一方、簡単ではない、なにしろ相手は超音速機、早期警戒管制機の連携が必須とも。

 空中巡洋艦構想、なんていうP-3C哨戒機にフェニックス空対空ミサイルを搭載することで長距離戦闘機として戦闘機を伴わない爆撃機だけを迎撃する案もあったのですが、こうした検討も実現する事は無く、しかし2020年代にF-35B搭載が、実現する事となります。

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【京都幕間旅情】阪急嵐山線6300系と京都本線1300系-懐古趣味と云われても古い電車の乗り心地

2023-06-11 18:22:57 | コラム
■嵐山線のふるい電車
 嵐山線を利用するというのはこれはもう6300系電車に乗れるという事に他ならない。

 阪急6300系、京とれいん運用はほぼ終了してしまい、通勤電車を頑張って改造した新型に置き換わっていますが、嵐山線での運用は続いています。2300系電車の路線、とわたし世代では勝手に思っていた路線ですので慣れるまで時間はかかりましたが、既知の電車だ。

 3300系や5300系が本線で運行をがんばっているところですので、もちろん6300系が長年の特急運行で消耗している事は理解しているのですが、観光路線である嵐山線、それほど速度を求められず通勤輸送の苛烈度も比較的低い嵐山で末永く運行して欲しいとおもう。

 1300系電車。云われてみるとというべきかのかもしれませんけれども、あの懐かしい丸ライト形状で車体も丸っこい印象を残した、つまり優しい顔立ちの阪急電車は着実に減ってはいるのですね。時間帯によってはもう、昭和組というべき旧型車両がなかなか来ない。

 新しい車体も悪くはないのだけれども。いや旧型車が何が良いのか、と問われると、総新型車両の方が同じロングシート車でもソファ部分と云いますか座席のクッション部分がよく弾んで座り心地は良いですし、冷房効率も確かに扉が開いても直ぐに涼しさをたもつ。

 1300系は特急運行も為されている、けれどもクロスシート車の9300系と遠目にはよく似ているのでホームに近づいてくるとロングシート車で恐らくこの混雑度合いでは座る事が出来ないとさとってしまいガッカリする事もある、これも新型車への難色の一つなのかも。

 懐古趣味ではない、とおもう、たぶん。新型車は良いのだけれども、6300系が主力特急であった頃には、車内の大半が座席となっていて始発駅乗車でなくとも相応に座る事が出来たし、見た目で、それは京阪特急程ではないけれども、近づいてくる特急が遠目にも直ぐクロスシートとわかったものです。

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無人機を無力化せよ!沿空域に挑む空対空戦闘ヘリコプターやAHEAD弾薬やRWS銃搭30mm機関砲搭載

2023-06-11 07:00:47 | 先端軍事テクノロジー
■ウクライナ-戦訓の解析
 ウクライナ軍反転攻勢を迎え撃つロシア軍公海画像を見ていますと、やはり小型無人機とはいえ部隊行動の秘匿性が簡単かつ安価に破られるのは問題だなあと痛感する。

 沿空域、という概念がこの数年間提唱されています。高度10m程度から50m程度まで、場合によっては100m程度までを含む場合もあるようですが、要するに空ではあるけれども梯子で届く範囲であるし、しかし梯子では届くけれども手を伸ばして人間が利用できる高さにしてはその空間を自由に移動するには特別の機器を要する、つまり無人機のもの。

 絶対航空優勢を確保している場合でも、無人機、これはMQ-9無人機のような大きなものであれば別ですがアナフィのような小型のクワッドドローンのような航空機であれば、また飛行高度が10m程度を低空飛行されますとAIM-9Xのような新世代の空対空ミサイルでも照準は難しいでしょう、そして年々この種の装備の脅威度に対策が追い付いていない。

 徘徊式弾薬のように目標を発見するまで数時間上空を徘徊する一種のミサイルや、安価なクワッドドローンであっても収拾した画像に対して戦車や人員を自動識別する画像解析ソフトと併用された場合、馬鹿にならない脅威度を持ちます。例えば、徘徊式弾薬を待ち伏せる空対空徘徊式弾薬や、小型無人機の場合は肉眼で見えにくいという難点もあります。

 ミリ波レーダーで解析できるならば、例えばAHEAD弾薬に対応する30mm機関砲を搭載したAH-64アパッチシリーズ、レーダーを有するからこそ出来、巡航速度で小型無人機を凌駕する性能を持つ航空機を投入する選択肢、逆に多数のクワッドドローンを更に多数のクワッドドローンの自動管制により迎え撃つスウォーム攻撃なども有用かもしれません。

 AHEAD弾薬、35mm機関砲から射撃する調整信管内臓の機関砲弾が非常に有用であり、UTAAS汎用対地対空照準システムという装甲戦闘車などに標準搭載可能であり対空戦闘にも対応する照準装置がサーブ社により開発されていますが、装甲戦闘車を広く配備し、自走高射機関砲の補完用途に装甲戦闘車を充てるという選択肢なども有用でしょう。

 RWS遠隔操作銃搭に30mm機関砲を搭載して無人機を迎撃する、これはアメリカ海兵隊がハンヴィー高機動車の後継として配備するJLTV統合軽量戦術車輛にこの大口径機関砲を配備させ低空防空に充てる。かつて自衛隊が150両を全国へ配備しようとした87式自走高射機関砲を再生産する方法もあります。兎に角、具体的な対策は急がなければなりません。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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軽装甲機動車後継研究【4】小松製作所参加せぬ後継装備-丸紅エアロスペースと三菱重工の挑戦

2023-06-10 20:08:22 | 先端軍事テクノロジー
■海外装備ライセンス生産
 個人的には小松製作所に再生産を依頼し排気量規制などは他の協力企業が改修する方式を模索してはと思うのですが。

 軽装甲機動車の後継車両について、小松製作所は開発に応募せず、三菱重工も新規開発ではなく海外装備のライセンス生産を提案しています、これは設計と試作費用を防衛省が惜しんでいるために既存装備から好きなものを選べ、という事なのかもしれません。個人的には開発候補の車両性能を見る限り、高機動車などを原型として国産がいいよう思う。

 三菱重工業はタレスオーストラリア社のハーケイ軽装甲車のライセンス生産を、丸紅エアロスペースはスイスのモワク社製イーグルⅣ装甲偵察車を提案しています。ハーケイはオーストラリア軍が13億ドルで1100両を調達中、イーグルは2017年にデンマークが36両を3500万ドルで調達、共に痛感するのは製造費用が100万ドル前後という費用だ。

 国産装備は高い、という1990年代の認識で2020年代に円安の日本円で防衛装備を調達しようとしますと、防衛予算がGDP2%の時代でも不足するのかもしれません、いや、防衛予算は増額する中でもその増額分は必要な新しい装備の調達に用いれるのですから装甲車両の調達に充てられない可能性も残り、一個連隊に軽装甲車8両、という可能性さえ。

 ハーケイ軽装甲車もイーグル軽装甲車も、9600万円で調達した96式装輪装甲車よりも高くなるものなのだから、これを本当に毎年100両以上、多い年には202両調達した軽装甲機動車の後継に揃えられるものなのか、仮に軽装甲機動車の調達予算と同額しか財務省が認めない場合には毎年の調達数はせいぜい35両前後となり、全く数が揃いません。

 軽装甲機動車、富士重工スバルとAH-64D戦闘ヘリコプター中断問題に際して351億円の賠償金を支払うことで防衛省と富士重工が和解したように、ここはひとつ小松製作所に防衛省が謝罪しては、と思うのです。元をたどればこれは装輪装甲車(改)という防衛装備品開発に際し、小松製作所が落札し厳しい防衛省の要求仕様下で開発した事が始まり。

 装輪装甲車(改)、防衛省が96式装輪装甲車の後継として要求し開発したもので、小松製作所はNBC偵察車を原型とした装輪装甲車(改)を提案、これの製造費用見積もりは1.7億円といい、対して道微視重工が16式機動戦闘車派生の機動装甲車を2.5億円で提案しましたが、装輪装甲車(改)の方が安価で、また車幅を2.5m以内に抑えた点が評価された。

 2.5mというのは重要な点で、これを超える大きさの車両は道路運送車両法の特殊大型車両となる、何故かというと車幅がセンターラインをはみ出すために対向車に衝突するか歩道に乗り上げガードレールを破壊する為です、一部国道や片側二車線道路ならば問題はないのですが、特殊大型車両は所轄警察署など道路管理者に届け出を出さねばなりません。

 NBC偵察車、饗庭野演習場や東富士演習場で演習参加車両を何度か見せていただきましたが、一部の方が言うような不整地突破能力の低さを感じるものではありません。同じ演習場でストライカー装輪装甲車を見せていただき、乗せてもらう貴重な機会もありましたが、言われるほどストライカーに不整地突破能力の高さを感じず、そんなものかと感じた。

 ストライカー装輪装甲車を比較に挙げたのは実は演習中のボクサー装輪装甲車やパトリアAMV装甲車を見たことがないために、比較できるのがこれくらいという印象で示したものなのですが、NBC偵察車や96式装輪装甲車と比較した場合にそれほど国産車が劣っている印象がない、74式戦車と共に96式装輪装甲車で移動した際も乗り心地は良かった。

 装輪装甲車(改)についてなのですが、完成した車両は地雷からの防護能力を想定して車高を高くしてほしいという要求と務めて2.5m以内に収めてほしい、との要求を反映して、かなり難しい形状となっていて、地雷防護を度外視してNBC偵察車からNBC関連機材を取り外したものをそのまま装輪装甲車(改)とすればよかったのに、とは考えたところ。

 防衛省は装輪装甲車(改)について、将来発展性として砲塔を載せられないという要求仕様になかった問題点を指摘、防御力も不十分であるとして不採用を決定しました。開発費を返還するよう求められたことで小松製作所が激怒、特に要求仕様にない点を問題視されては設計などできない、として防衛産業の新規設計からの撤退を表明、という結果に続く。

 コスト管理の面では国産装甲車は比較的成功していた、乗ってみた感想として装輪装甲車の安定性も、優れているとは言わないまでも倍額の海外製装甲車と比較して半分以下の性能とまではいかず、まあほぼ同じ性能を発揮できていた。国産を少し検討したうえで、現実的に1954両を20年弱で揃えられるのかを明確化し、装備を決定してほしいのです。

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【京都幕間旅情】榛名さんの総監部グルメ日誌-京都四条河原町,街歩きに飽きた時は最上階でレモネード

2023-06-10 14:11:44 | グルメ
榛名さんの総監部グルメ日誌
 舞鶴地方総監部の置かれる京都、その京都府の府庁所在地である京都市には数多くの喫茶店が並び日常に満足感を与えてくれます。

 京都の中心部、香春町通り沿いの奈良屋町、ここには京都丸善がありまして昔は洋書や文房具などを良く買ったものです、なにしろWebのインターネット環境を揃えるのが案外遅かったものですから、学生時代に洋書の教科書などは輸入販売に頼っていたものでした。

 BAL,京都BALという模様替えの際に京都丸善は移行してしまいまして、いまでは無印良品等が入り、ちょっと気の利いた調度品を購入する際に散策するお店となっているのですが、京都の街中は真夏には散策する際にちょっと勇気が要る程の灼熱につつまれます。

 レモネードをひとつ。炭酸のしゅっとした爽快感というか刺激の楽しみの中に、もう一つレモンの酸味が、くどいのか爽やかなのかという甘いシロップとともに調和を醸し出していまして、疲れている時にはちょうど良い刺激と甘味とおもう。こういうのを愉しみたい。

 Ron-Herman-café,ここは京都BALの最上階に位置していますレストラン街の、一寸奥の方にありますが、穴場というのは此処なのかもしれない、いや都会のオアシスといいますか、あまり混雑しないものの比較的広い店内にゆったり過ごす事が出来る空間がある。

 最上階というのは一つのこのお店を探訪する醍醐味でして、実に大きな窓辺のガラスの天井には大空が広がり、しかし空調が利いています、真夏には涼しく真冬には暖かい、春と秋にはそれなりに。一口レモネードを口に含み吟味する味覚の奥に大空がうつりこむ。

 ソファーはふかふかで、こういうのが欲しいなあと思いつついざ調度品でソファーを眺めると、昔から愛用のソファーを捨てて買い替えるには惜しいように思い、もう少し別の調度品を観ようと歩み進めてしまう、するとこういうところのソファーがうれしいのだ。

 河原町の散策は、なにかお買い物をする時が多いものですから書籍や調度品やお洋服に紅茶、嵩張るか重いものを抱えていますと、やはり疲れてしまう。そういう時にふと休める秘密基地のような喫茶店というものを見つけておくと、日常をより豊かにできるのです。

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