■核攻撃は回避,ロシア騒擾
1991年のモスクワクーデター以来、2020年代ではロシアウクライナ戦争と並んで国際政治上の世界危機と成り得る最大の関心事が昨日午後から本日未明までロシアで展開されていました。
悪をまき散らす国防省上層部を止めなければならない、兵士たちの命にかかわる問題として立ち上がる。ロシアの民間軍事会社ワグネルが昨日突如として武装蜂起しました、国防省批判発言などから関係が悪化し、FSB連邦保安局の国策捜査が始まる直前にワグネル創設者プリゴジン氏自身もロシア軍の攻撃を受け、ロシア連邦軍南部軍管区司令部を押えた。
日本国内報道があまり関心が無いような状況でしたが、もう少し報道特別番組を組んで関心を持つべきであったのではないか、ソ連崩壊の際には自衛隊も北部方面隊を中心に非情勤務体制をしきましたし、映画の“クリムゾンタイド”のように核兵器が関わる非常事態に世界が巻き込まれる懸念もあった、僅か15時間で終わるとは誰も思わなかったでしょう。
■六月の十五時間
ワグネルへのロシア当局捜査が行われるという前日までの報道からウクライナ戦争での貢献もロシア国防省批判の行き過ぎの前には無意味かとと思われたその時、事態は起こった。
六月の十五時間、ワグネルのプリゴジン氏がワグネル部隊により占拠された南部軍管区司令部に入ったのが日本時間24日1330時、そこから日本時間25日の0500時にモスクワに向かったワグネル部隊が北上を停止し南部軍管区司令部の占拠状態がワグネル撤退により危機が解消されるまでの15時間は、下手をすれば核兵器が使われかねぬ緊張があった。
大ごとになった、驚かされたのはロシア連邦軍や国家親衛軍などロシアには多数の部隊がウクライナ侵攻作戦とは独立して防衛に当っているのですが、ワグネルは驚くべき速度でモスクワに迫り、しかし15時間後に突如として進撃を停止した。ロシア軍の国内防衛が此処まで杜撰だとは考えられず、また、大規模衝突が回避されたのも、僥倖でまた驚く。
ロストフの南部軍管区司令部は、ウクライナ戦線を担任する司令部であり、陸海空の統合司令部であるために、クリミア半島というロシアがもっともその併合後の占領を重視している地域に司令部を隣接させる黒海艦隊も南部軍管区司令部隷下にあり、そしてなによりもウクライナの戦場で戦うロシア軍部隊の兵站拠点でもあり、ここの占拠は衝撃でした。
■大統領演説と脱出
ロシア軍の軍管区司令部が占領される等は前代未聞でソ連八月クーデターやモスクワクーデターとよばれた1991年以来の危機となったのは明白でした。
プーチン大統領は24日1600時に緊急のテレビ演説を行い、ワグネルの行動は反逆である、とこれがクーデターである事を大統領が認識している事を示したうえで、反逆者に対する行動は厳しいものとなる、こう発言しており、しかしロシア軍が投入できる第1親衛戦車軍などはウクライナ派遣中、厳しい措置とは何を意味するかは非常に大きい関心事です。
大統領専用機のモスクワからの脱出が航空機運航情報開示サイトフライトレーダーに示されたのは日本時間24日2030時でした、モスクワを離陸した政府専用機は予備機を含んだもので、続いてIl-80国家戦争指揮機もモスクワを脱出し、サンクトペテルブルクへと向かい、これはクレムリン宮殿からプーチン大統領が逃げたのではないかと憶測されました。
クレムリンからプーチン大統領が逃亡したのではないか、こうした憶測に大統領府のペスコフ報道官は、大統領は執務室に居ると発表しますが、しかしプーチン大統領自身がテレビ等を通じて呼びかける事は無く、憶測が広がった形なのですが、実際問題としてプーチン大統領が逃げたのかどうかについては日本時間25日1900時では未だわかりません。ただ、クーデターを珍sネイ化させたトルコのエルドアン大統領程の度量は無い。
■ワグネルと国防省
ショイグ国防相とプリゴジン氏の政治闘争というべき背景が在った為にもともとプーチン大統領を狙ったものでは無かったという意味で、何故か関ヶ原の戦いを思い出してしまった。
武装蜂起に至ったのは、ワグネルとしてはロシア国防省が突き付けたワグネル戦闘員の国防省への編入要求、つまり、ワグネルを事実上認めない措置というものは認められない為、これを拒否し続けたプリゴジン氏に対して、再三兵站面や指揮運用で対立したショイグ国防相を、プーチン大統領が支持している状況はワグネルの存亡を賭けた状況といえます。
民間軍事会社であるにもかかわらず正規軍より強いのは何故か、こう問われますとワグネルは、アフリカ地域や中東地域など、“国家として正規軍を国際政治の観点から派遣できない地域へロシアが派遣できる戦力”という位置づけであり、ロシアとしては“軍事介入はしていない、やっているのは民間企業”と強弁できる位置づけ故、強化されていました。
存亡という表現は大袈裟ではなく、ロシア国防省の求めた“ワグネル戦闘員一人一人を国防省と個人契約を結ばせる”という要求はワグネルの指揮系統を破綻させるものですが、ワグネル戦闘員への意図的といえる誤射や弾薬補給の遮断は、日本でいえば大戦中のガダルカナル送りのような状態で消耗させる事も可能であり、消されかねなかった状況です。
■ワグネルはモスクワへ
ロストフ南部軍管区司令部占拠だけでも充分大事件でしたが、今後は司令部を包囲する鎮圧部隊という展開が有るかと思えばワグネルはモスクワへ向かうとプリゴジン氏が宣言し事態は一転する。
モスクワへ進撃する。ワグネルによる南部軍管区司令部占拠は、なにしろ第二次世界大戦の独ソ戦以来という事態ですので大変な事になったと驚かされました。しかし、プリゴジン氏としてはFSBロシア連邦保安局により過去の発言から、ワグネルに叛乱を呼びかけた疑いでの捜査が開始された為、動かなければ消される状況でしたが、動く規模がおおきい。
T-72B3戦車やパンツーリ複合防空システムなど、ワグネルの装備がワグネルの信仰経路であったM4高速道路やM2高速道路沿線住民が撮影し投稿したテレグラムなどSNS画像により改めて明らかになりまして、もともとは若干の戦闘ヘリコプターと装輪装甲車を持つ軽歩兵部隊から始まった民間軍事会社でしたが、変な話、本州の師団以上の装備という。
ウトキン元GRU中佐、更に注目したのはモスクワに向かい北上していたワグネル部隊の指揮官がもとスペツナズ旅団長を務めたGRU退役中佐が指揮していたということで、そもそもレストランオーナーであったプリゴジン氏が民間軍事会社を創設した際の軍事部門創立に関わった主導者という指揮官が率いていた為、モスクワへの北上の早さは際立っている。
■モスクワ南方200km
200kmという距離は姫路市と京都市の距離なのですが装輪装甲車ならば短時間で到達出来る距離です。
200km、モスクワの南方200kmまでワグネル部隊が展開していましたが、ロシア連邦軍は戦闘ヘリコプターによる攻撃を行っていましたが、ワグネル自身がウクライナ最前線での無人機攻撃や航空攻撃に曝された際の実戦経験とともに、機関砲と短射程ミサイルとレーダーを一体化させたパンツーリ複合防空システムを装備、複数機が反撃で撃墜されている。
進撃停止。正直、日本時間今朝0230時頃にこの速報が入るまでは、ロストフに核攻撃が加えられるのではないかという事を真剣に危惧していました、プーチン大統領が執れる選択肢は限られ、一方でモスクワ市では対戦車壕掘削や陣地構築などが開始されていたため、モスクワでの市街戦が必至であるとされ、モスクワ市長は月曜日の学校休校を発表した。
ロシア人同士で血を流す事態を避けたい、プリゴジン氏は日本時間25日0200時にこうした発言を行いまして、ロシア側と和解に居たたというロサ報道があり、しかしプリゴジン氏自身がSNSを通じてその発言を否定したりという、明日には映画の“モスクワ大攻防戦”か、南部軍管区の核兵器で映画“クリムゾンタイド”再現かと危惧したところですが。
■ルカシェンコ大統領
今回の騒擾で評価を挙げたのは雲隠れしサンクトペテルブルクへ逃げたとも云われるプーチン大統領ではなく、実力と覚悟を見せつけたプリゴジン氏とベラルーシのルカシェンコ大統領なのかもしれません。
ルカシェンコ大統領、ワグネルの北上を停止させた背景には隣国ベラルーシの大統領であるとされています。隣国の大統領に此処まで交渉が出来たのかは当初懐疑的に思いましたが、ワグネルの北上停止とともに、プリゴジン氏とベラルーシのルカシェンコ大統領の個人的関係により、事実上、プリゴジン氏をベラルーシに追放する事で停戦に至ったという。
罰せられるものは誰もいない、ロシア大統領府のペスコフ報道官がこうした発言を日本時間深夜に突如発表します。ベラルーシ大統領がロシアの国家危機を収束させられるのかについては、実際にワグネルの停止が確実となるまでは懐疑的でしたが、今回のワグネル武装蜂起に対して刑事的に罰せられるものはいないと、発言、一応危機はさったかたちです。
プーチン政権には、しかし大きな爪痕を残したといえる。大統領の権威は傷ついたとしか言えません、強い発言でワグネルを罰すると発表しましたが、15時間後、まさに朝令暮改というかたちで圧しきられた構図であり、また国家親衛軍もFSB軍も連邦軍もワグネルの北上を停められず、モスクワまで十数時間であと200kmまで前進させられたに他ならない。
■民間軍事会社ワグネル
ワグネルはどうなるのか。今回の騒乱に参加したワグネルは罪に問われないというロシア政府の方針が示され、これまでのウクライナでの戦果を考えれば罰せられないというロシア政府の発言は千夏に向かい撃墜されたロシア軍航空機搭乗員の家族や戦友には響く。
ワグネルは、ロシア民間軍事会社からベラルーシとロシアの多国籍企業となって生き残る可能性がある、独裁政権と欧米から非難されるルカシェンコ大統領は親衛隊に当る信頼できる武装組織を必要としています。一方、ロシアもアフリカの鉱山警備や希少金属掘削などでワグネルを必要としており、国防省直轄にしてしまえばその利点は失われてしまう。
ウクライナ戦争の最中に生じた、六月の十五時間、ロシアウクライナ戦争全般の情勢には変化はない事をロシア政府は強調していますが、しかしロシア具軍事機構が一枚岩ではない事を示した構図ですし、ロシア軍の防衛力が低い事を改めて証明した形、なにより想定外の事態に何も対処出来ないロシア軍官僚主義を露呈しました。この影響は、大きい。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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1991年のモスクワクーデター以来、2020年代ではロシアウクライナ戦争と並んで国際政治上の世界危機と成り得る最大の関心事が昨日午後から本日未明までロシアで展開されていました。
悪をまき散らす国防省上層部を止めなければならない、兵士たちの命にかかわる問題として立ち上がる。ロシアの民間軍事会社ワグネルが昨日突如として武装蜂起しました、国防省批判発言などから関係が悪化し、FSB連邦保安局の国策捜査が始まる直前にワグネル創設者プリゴジン氏自身もロシア軍の攻撃を受け、ロシア連邦軍南部軍管区司令部を押えた。
日本国内報道があまり関心が無いような状況でしたが、もう少し報道特別番組を組んで関心を持つべきであったのではないか、ソ連崩壊の際には自衛隊も北部方面隊を中心に非情勤務体制をしきましたし、映画の“クリムゾンタイド”のように核兵器が関わる非常事態に世界が巻き込まれる懸念もあった、僅か15時間で終わるとは誰も思わなかったでしょう。
■六月の十五時間
ワグネルへのロシア当局捜査が行われるという前日までの報道からウクライナ戦争での貢献もロシア国防省批判の行き過ぎの前には無意味かとと思われたその時、事態は起こった。
六月の十五時間、ワグネルのプリゴジン氏がワグネル部隊により占拠された南部軍管区司令部に入ったのが日本時間24日1330時、そこから日本時間25日の0500時にモスクワに向かったワグネル部隊が北上を停止し南部軍管区司令部の占拠状態がワグネル撤退により危機が解消されるまでの15時間は、下手をすれば核兵器が使われかねぬ緊張があった。
大ごとになった、驚かされたのはロシア連邦軍や国家親衛軍などロシアには多数の部隊がウクライナ侵攻作戦とは独立して防衛に当っているのですが、ワグネルは驚くべき速度でモスクワに迫り、しかし15時間後に突如として進撃を停止した。ロシア軍の国内防衛が此処まで杜撰だとは考えられず、また、大規模衝突が回避されたのも、僥倖でまた驚く。
ロストフの南部軍管区司令部は、ウクライナ戦線を担任する司令部であり、陸海空の統合司令部であるために、クリミア半島というロシアがもっともその併合後の占領を重視している地域に司令部を隣接させる黒海艦隊も南部軍管区司令部隷下にあり、そしてなによりもウクライナの戦場で戦うロシア軍部隊の兵站拠点でもあり、ここの占拠は衝撃でした。
■大統領演説と脱出
ロシア軍の軍管区司令部が占領される等は前代未聞でソ連八月クーデターやモスクワクーデターとよばれた1991年以来の危機となったのは明白でした。
プーチン大統領は24日1600時に緊急のテレビ演説を行い、ワグネルの行動は反逆である、とこれがクーデターである事を大統領が認識している事を示したうえで、反逆者に対する行動は厳しいものとなる、こう発言しており、しかしロシア軍が投入できる第1親衛戦車軍などはウクライナ派遣中、厳しい措置とは何を意味するかは非常に大きい関心事です。
大統領専用機のモスクワからの脱出が航空機運航情報開示サイトフライトレーダーに示されたのは日本時間24日2030時でした、モスクワを離陸した政府専用機は予備機を含んだもので、続いてIl-80国家戦争指揮機もモスクワを脱出し、サンクトペテルブルクへと向かい、これはクレムリン宮殿からプーチン大統領が逃げたのではないかと憶測されました。
クレムリンからプーチン大統領が逃亡したのではないか、こうした憶測に大統領府のペスコフ報道官は、大統領は執務室に居ると発表しますが、しかしプーチン大統領自身がテレビ等を通じて呼びかける事は無く、憶測が広がった形なのですが、実際問題としてプーチン大統領が逃げたのかどうかについては日本時間25日1900時では未だわかりません。ただ、クーデターを珍sネイ化させたトルコのエルドアン大統領程の度量は無い。
■ワグネルと国防省
ショイグ国防相とプリゴジン氏の政治闘争というべき背景が在った為にもともとプーチン大統領を狙ったものでは無かったという意味で、何故か関ヶ原の戦いを思い出してしまった。
武装蜂起に至ったのは、ワグネルとしてはロシア国防省が突き付けたワグネル戦闘員の国防省への編入要求、つまり、ワグネルを事実上認めない措置というものは認められない為、これを拒否し続けたプリゴジン氏に対して、再三兵站面や指揮運用で対立したショイグ国防相を、プーチン大統領が支持している状況はワグネルの存亡を賭けた状況といえます。
民間軍事会社であるにもかかわらず正規軍より強いのは何故か、こう問われますとワグネルは、アフリカ地域や中東地域など、“国家として正規軍を国際政治の観点から派遣できない地域へロシアが派遣できる戦力”という位置づけであり、ロシアとしては“軍事介入はしていない、やっているのは民間企業”と強弁できる位置づけ故、強化されていました。
存亡という表現は大袈裟ではなく、ロシア国防省の求めた“ワグネル戦闘員一人一人を国防省と個人契約を結ばせる”という要求はワグネルの指揮系統を破綻させるものですが、ワグネル戦闘員への意図的といえる誤射や弾薬補給の遮断は、日本でいえば大戦中のガダルカナル送りのような状態で消耗させる事も可能であり、消されかねなかった状況です。
■ワグネルはモスクワへ
ロストフ南部軍管区司令部占拠だけでも充分大事件でしたが、今後は司令部を包囲する鎮圧部隊という展開が有るかと思えばワグネルはモスクワへ向かうとプリゴジン氏が宣言し事態は一転する。
モスクワへ進撃する。ワグネルによる南部軍管区司令部占拠は、なにしろ第二次世界大戦の独ソ戦以来という事態ですので大変な事になったと驚かされました。しかし、プリゴジン氏としてはFSBロシア連邦保安局により過去の発言から、ワグネルに叛乱を呼びかけた疑いでの捜査が開始された為、動かなければ消される状況でしたが、動く規模がおおきい。
T-72B3戦車やパンツーリ複合防空システムなど、ワグネルの装備がワグネルの信仰経路であったM4高速道路やM2高速道路沿線住民が撮影し投稿したテレグラムなどSNS画像により改めて明らかになりまして、もともとは若干の戦闘ヘリコプターと装輪装甲車を持つ軽歩兵部隊から始まった民間軍事会社でしたが、変な話、本州の師団以上の装備という。
ウトキン元GRU中佐、更に注目したのはモスクワに向かい北上していたワグネル部隊の指揮官がもとスペツナズ旅団長を務めたGRU退役中佐が指揮していたということで、そもそもレストランオーナーであったプリゴジン氏が民間軍事会社を創設した際の軍事部門創立に関わった主導者という指揮官が率いていた為、モスクワへの北上の早さは際立っている。
■モスクワ南方200km
200kmという距離は姫路市と京都市の距離なのですが装輪装甲車ならば短時間で到達出来る距離です。
200km、モスクワの南方200kmまでワグネル部隊が展開していましたが、ロシア連邦軍は戦闘ヘリコプターによる攻撃を行っていましたが、ワグネル自身がウクライナ最前線での無人機攻撃や航空攻撃に曝された際の実戦経験とともに、機関砲と短射程ミサイルとレーダーを一体化させたパンツーリ複合防空システムを装備、複数機が反撃で撃墜されている。
進撃停止。正直、日本時間今朝0230時頃にこの速報が入るまでは、ロストフに核攻撃が加えられるのではないかという事を真剣に危惧していました、プーチン大統領が執れる選択肢は限られ、一方でモスクワ市では対戦車壕掘削や陣地構築などが開始されていたため、モスクワでの市街戦が必至であるとされ、モスクワ市長は月曜日の学校休校を発表した。
ロシア人同士で血を流す事態を避けたい、プリゴジン氏は日本時間25日0200時にこうした発言を行いまして、ロシア側と和解に居たたというロサ報道があり、しかしプリゴジン氏自身がSNSを通じてその発言を否定したりという、明日には映画の“モスクワ大攻防戦”か、南部軍管区の核兵器で映画“クリムゾンタイド”再現かと危惧したところですが。
■ルカシェンコ大統領
今回の騒擾で評価を挙げたのは雲隠れしサンクトペテルブルクへ逃げたとも云われるプーチン大統領ではなく、実力と覚悟を見せつけたプリゴジン氏とベラルーシのルカシェンコ大統領なのかもしれません。
ルカシェンコ大統領、ワグネルの北上を停止させた背景には隣国ベラルーシの大統領であるとされています。隣国の大統領に此処まで交渉が出来たのかは当初懐疑的に思いましたが、ワグネルの北上停止とともに、プリゴジン氏とベラルーシのルカシェンコ大統領の個人的関係により、事実上、プリゴジン氏をベラルーシに追放する事で停戦に至ったという。
罰せられるものは誰もいない、ロシア大統領府のペスコフ報道官がこうした発言を日本時間深夜に突如発表します。ベラルーシ大統領がロシアの国家危機を収束させられるのかについては、実際にワグネルの停止が確実となるまでは懐疑的でしたが、今回のワグネル武装蜂起に対して刑事的に罰せられるものはいないと、発言、一応危機はさったかたちです。
プーチン政権には、しかし大きな爪痕を残したといえる。大統領の権威は傷ついたとしか言えません、強い発言でワグネルを罰すると発表しましたが、15時間後、まさに朝令暮改というかたちで圧しきられた構図であり、また国家親衛軍もFSB軍も連邦軍もワグネルの北上を停められず、モスクワまで十数時間であと200kmまで前進させられたに他ならない。
■民間軍事会社ワグネル
ワグネルはどうなるのか。今回の騒乱に参加したワグネルは罪に問われないというロシア政府の方針が示され、これまでのウクライナでの戦果を考えれば罰せられないというロシア政府の発言は千夏に向かい撃墜されたロシア軍航空機搭乗員の家族や戦友には響く。
ワグネルは、ロシア民間軍事会社からベラルーシとロシアの多国籍企業となって生き残る可能性がある、独裁政権と欧米から非難されるルカシェンコ大統領は親衛隊に当る信頼できる武装組織を必要としています。一方、ロシアもアフリカの鉱山警備や希少金属掘削などでワグネルを必要としており、国防省直轄にしてしまえばその利点は失われてしまう。
ウクライナ戦争の最中に生じた、六月の十五時間、ロシアウクライナ戦争全般の情勢には変化はない事をロシア政府は強調していますが、しかしロシア具軍事機構が一枚岩ではない事を示した構図ですし、ロシア軍の防衛力が低い事を改めて証明した形、なにより想定外の事態に何も対処出来ないロシア軍官僚主義を露呈しました。この影響は、大きい。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)