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北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

ウクライナ情勢-春季反攻本格化,レオパルド2主力戦車にM-2A3ブラッドレイ装甲戦闘車投入とロシア軍トレフォイル縦深陣地

2023-06-12 07:00:50 | 防衛・安全保障
■臨時情報-ウクライナ情勢
 今回の反攻作戦は日本の防衛を考える上でもどうしても見ておかなければならない戦訓がいくつもあるのです。

 ウクライナ軍の反撃が本格化しました。レオパルド2主力戦車にM-2A3ブラッドレイ装甲戦闘車、AMX-10RC装甲偵察車にPzH-2000自走榴弾砲やカエサル自走榴弾砲にMLRSとHIMARS,M-113装甲車からVAB軽装甲車にマックスプロ耐爆車両からブッシュマスター輸送防護車まで、ほぼすべての供与車両が惜しげもなく投入され、既存車と協同します。

 ロシア軍はトレフォイル縦深陣地という前哨陣地8kmと主陣地12kmの三つ葉葵のような陣地を組み相互に防御する方式を演練し、また一年間の占領期間によりかなりの規模の防御陣地、地雷原などを広げています。近接戦闘部隊の宿命でしょうが、かならず一定数の損耗を強いられる事になります。ウクライナ軍は今回の反撃に10個旅団を投入するという。
■南部戦線と東部戦線
 戦闘ヘリコプターの恐ろしさを改めて痛感させられたのは地雷原で行き場を失った戦車に戦闘ヘリコプターが襲いかかったらしい状況から。

 ウクライナ軍の攻撃軸は東部方面と南部方面の複数、そしておそらく主攻撃軸は一つです、が、こればかりは作戦が終了するまで分析の仕様が有りません。南部方面ではウフレダール近郊でロシア軍占領地がウクライナ保持地域に突出した地域がありましたが、先ず此処が攻撃されている。そして南部のトクマク占領地に向け一部で前線突破に成功した。

 ウフレダールはドネツクの鉄道拠点都市であり昨年11月にロシア海軍歩兵2個旅団とウクライナ2個機械化旅団が戦闘を繰り広げウクライナ軍が撤退した地域です。現在戦闘はウクライナ軍が大隊規模の威力偵察を繰り返している状態と推測でき、防御陣地の薄い地域が突破、対して今回ロシアは防衛用に戦闘ヘリコプターを大規模に投入しているもよう。
■レオパルド2A6損耗
 近接戦闘部隊において損耗は宿命的なものです、これは日本の場合で冷戦時代の戦車1200両編成が今や300両まで定数が削減されていますが、予備の車両を真剣に考えなければ300両の戦車の維持は時に1000両の調達費よりも高くつく事がある。

 レオパルド2の撃破映像について。恐らく地雷原などの処理不充分である地域での正面突破を図った際に撃破されたのでしょう、撃破された車輛の一部にはA6型が含まれ、砲塔後部の弾薬庫を隔離するブローオフパネルが吹き飛んだ後で数カ所破損個所が見受けられる事から相当数のミサイルを命中させられています、ただ、驚いたのは全損していない。

 レオパルド2A6,乗員が脱出したあとが蜂などから見受けられ、また開いたままのハッチ部分には炎上の痕跡が無い音から、行動不能となっていますが修理可能です。その周辺には米軍が供与したM-2A3ブラッドレイ装甲戦闘車の破損車体も確認できますが、うち少なくとも3両は全損の可能性が。なお短時間でこれだけM-2A3が破壊されたのは恐らく初だ。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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