北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

軽装甲機動車後継研究【5】やはり国産開発すべきではないのか?ハーケイ軽装甲車とイーグル装甲偵察車

2023-06-17 20:11:07 | 先端軍事テクノロジー
■三菱重工-ハーケイ
 軽装甲機動車、日本が抜本的な調達改革と予算制度の自衛隊特例制度でも構築しない限りは後継装備は国産化すべきではないかと思う。逆に装備一括調達制度という改革を決断すべきとも思うのだけれど。

 軽装甲機動車の後継装備、三菱重工業はタレスオーストラリア社のハーケイ軽装甲車のライセンス生産を、丸紅エアロスペースはスイスのモワク社製イーグルⅣ装甲偵察車を、それぞれ提案しています。個人的には難しいところですが、発展性を考えれば四輪型に加えて六輪型が開発されているスイスのモワク社製イーグルⅣを推したいところです。

 モワク社といえばピラーニャ装輪装甲車を生んだ現代の装輪装甲車における象徴的なメーカーです。イーグルⅣ軽装甲車は重量7t型と10t型があり、乗員1名と兵員4名を輸送可能、出力180kwのカミンズISB6.7-E3-245エンジンを搭載、最高速度は110km/hです。四輪駆動ですが六輪駆動型のイーグルⅤが開発され、M-113装甲車の後継に充てられる。

 イーグルⅣ、元々イーグル装甲偵察車としてアメリカのハンヴィー高機動車の車体を基に装甲車体と光学監視装置搭載銃塔を載せたものがイーグル装甲偵察車でした、大量に配備するというものではありませんし、車体が装甲化されているとはいえ元がハンヴィーですので、歩兵の野戦機動用というよりは掩蔽地域からの警戒監視用という装備でした。

 ハンヴィーが原型の装甲車はトルコのコブラ軽装甲車、これは詰め込めば11名も乗れるという装甲車両ですが、幾つか事例があります、しかしこれはイーグルの原型であり、イーグルⅣについてはデューロ中型トラックを原型として開発されている。故に車体の懸架装置などがハンヴィーよりも優れていますので車体の収容能力も、そして汎用性も高い。

 デューロ中型トラック、空虚重量は3.7tで150hpのディーゼルエンジンを搭載し、全長6.3mと全幅1.96mの中型トラックで2.2tの貨物を輸送、スイス軍には3000両が調達されウニモグSトラックの後継となりました。自衛隊が仮にイーグルⅣを軽装甲機動車の後継に充てるならば、六輪型を追加導入し高機動車後継に装甲車を充てることも可能だ。

 ヤク軽装甲車として、実はデューロ中型トラックそのものの装甲車型も存在します、この装備は2006年にドイツ連邦軍がアフガニスタンでの装甲車不足を受け調達した多種多様な装甲車の一つで、空虚重量9.5tの六輪駆動式、乗員は運転士と車長に加え8名が乗車可能、見た目は装甲トラックそのものですが小銃弾や地雷には対応する防御力を持っている。

 73式中型トラック、いまは1-1/2tトラックでしたか、イーグルについて一つ考えさせられるのは原型となったデューロ中型トラックの性能が自衛隊に広範に装備されている1-1/2tトラックと重なる点で、敢えて似たようなトラック、しかも別物のトラックを原型としたものを導入して補給体系を複雑化させずとも、1-1/2tトラックを基に開発できないか。

 1-1/2tトラックは全長5.49mと全幅2.22mで空虚重量3.04t、積載能力は2tです。いや、車体の製造はトラックの名門日野自動車が担っていますので、ニノノニトンといいますか日野自動車の車体を基に、装甲車体を別に設計し改造した方がイーグルよりも良いものができるのではないか、特に1-1/2tトラックは高機動車と車体が共通化されている。

 高機動車と1-1/2tトラック、良いものができるというのは比較論ではなく自衛隊の整備補給体系という面で、です。一つ整備できれば大袈裟な話で起動車両から装甲車に輸送車両まで整備できますし有事の際に前線での整備で部品が枯渇した場合でも部品取りに応用できる。つまりいいたいことは、といいますと、イーグルは良い装備だが国産できないか。

 ハーケイについて。三菱重工がライセンス生産するとの事ですが、何故これにしたのか。輸送防護車こと同じタレスオーストラリア社製のブッシュマスター輸送防護車が、配備からまだ数年ですが勢いよく思った以上の黒煙を吐いて装甲する様子を数年前の駐屯地祭で見た際に、これは大丈夫なのかな、と友人が思わずつぶやいたのを思い出すのですね。

 ブッシュマスターと同じメーカーのハーケイですが、オーストラリア軍は2015年に1100両を13億ドルで調達する契約を結びました、しかし2018年にオーストラリア国家監査局、日本の会計検査院に当たる機関が、ハーケイよりもオーストラリアが開発計画に参加し脱退していたアメリカのJLTV統合軽量戦術車両の方が妥当、と報告書を出しています。

 装備の信頼性について、ハーケイは2018年末に評価試験に際し不具合を起こし量産開始が一年以上遅延、2022年から本格量産が開始されるもブレーキ不良により3か月後に量産が一時停止しています。三菱はこの問題発覚から5か月後に防衛省にハーケイを提案しているのですが、果たして問題は起きないものなのか、実車を知っているのか不安なのです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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【京都幕間旅情】榛名さんの総監部グルメ日誌:京都-一乗寺,曼殊院や詩仙堂と駅前イタリアンでカメラ考察

2023-06-17 14:11:07 | グルメ
榛名さんの総監部グルメ日誌
 お散歩といいますか寺社仏閣巡りの際にやはり持ち歩くカメラというのは関心事のひとつ。

 EOS-M5ミラーレス一眼を使い始めて一か月となりました。お散歩カメラ、としては、まあまあなのかな、しかしEOS-7D、mark2ではなく無印の、つまり2010年のカメラと比較しても、ちょっと幾つかの点でミラーレスの性能不足を感じるのだよなあ、と。

 ドッピオゼロ、お散歩の際に、ここは叡山電鉄一乗寺駅の、友人の家の近くなのですがちょっと立ち寄りました。イタリアンのお店で駅前通りを曼殊院の方へ歩むとすぐ。ちょっと珈琲とともに生トマトのショートパスタと、そしてトリッパというモツ煮料理を

 EOS-7Dと比較して、ピントの合致で、特に暗いところがまだまだ駄目で、M5はその前にお散歩カメラの主力であったM3と比較してよくなっている、筈だったのですが、持ち歩いてみるとミラーレスの限界をまだまだ感じる、もっとも軽量ではあるのですが。

 EOS-R7、同じミラーレスカメラで、これはもう過去とは比較にならない、すごいぞ、といわれてもM3が動きものにダメダメで、M5についても及第点は、あげられないよねまだ、という段階なので、何時か買おうと思うも気長にR7mark2をまつべきなのかな。

 トリッパを、トマトソースの味わいが欲しかった。というのはショートパスタだけでは物足りない気がしまして、メニューをよく読んでいなかったのですが生トマトのパスタはトマトベースソースでなかった。まあ運転が無ければここでワインを入れるのですがね。

 G7Xmark2とお散歩カメラで勝負しますと、どうなのだろう。電源を入れてからレンズがポップアップする時間差はあるのかもしれなけれど、この時間差が重要になってくるのは動きものというM5が苦手な被写体に限る話で、G7Xはこの点動きものにも強い。

 M3でこれまでのミラーレスとは違うといわれていたのですが、名前が違う以外に何の違いがあるのかというM5の印象を受けるとともに、ただ、相手が動かない場合には、まあ、軽量だし持ち歩くときのバッグから取り出す際には気難しさはないよね、となる。

 7Dか7Dmark2は、しかしこの場合もカメラバックに収めずに出歩くには勇気がいる。確かに重いのだけれど、これを持たずになにか有力な被写体、京とれいんとかトワイライトエクスプレスとか、こういうものと出会った時のことを考えると、手元に必要だ。

 写真を肴に、というわけではないのですけれど、お散歩とともに写真を見ながらちょっと一息入れました。平均的なイタリアンのお店ですが、曼殊院に圓光寺や詩仙堂といった歴史的景観が広がるこの一角で一寸お休みするにはドッピオゼロは、良い休みどころです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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ウクライナ情勢-ロシア武器密輸カスピ海南北輸送回廊と欧州通常戦力削減条約廃棄戦車の再生と実戦投入

2023-06-17 07:00:07 | 国際・政治
■臨時情報-ウクライナ情勢
 ロシアは此処まで国際公序を無視する国であったのかとNHK解説で示された”巨大な北朝鮮”という表現が正に当て嵌まるところです。

 アメリカ政府はイランからの自爆用無人機ロシア輸出に対する不快感を改めて示し、各国へ新たなイラン制裁へ協力を呼び掛けています。この点を明確に示すべくアメリカ政府はイランからロシアへ輸出される貨物輸送機の“カスピ海南北輸送回廊”の航空機飛行情報を開示し、ロシアへの武器輸出を停止するよう改めて警告しているかたちですが。

 イギリス国防省ウクライナ情報として、ロシアは新たにカスピ海南北輸送回廊によるイランからの無人航空機調達へ船舶輸送を開始した、と発表しました。輸送手段に航空機を用いても船舶を用いても国連安保理決議2231号違反には違いないのですが、船舶は航空機よりも大量の武器を積載可能である点から更なる無人機輸出拡大へ留意が必要です。
■ロシア軍廃止T-80再生
 自衛隊の場合は条約に関係なく退役した装備を解体していまして少々勿体ないといいますか問題のようにも思うのですが。

 ロシア軍の再生T-80戦車と思われる車両がウクライナのザポリージャ付近において鹵獲されたもよう。この“思われる”という背景にはロシア軍は既にT-80戦車を投入しており、今回鹵獲されたものは特性から廃棄されたものを再生させた戦車であるということですが、仮に現役車両ではなく廃棄された戦車が戦線復帰した場合、問題を引き起こします。

 再生T-80戦車とは、1992年欧州通常戦力削減条約により廃棄された戦車を示すものですが、ロシアは廃棄戦車を解体待ちのまま事実上30年間保管していたことが2023年にロシア国防省発表により明らかになっています。今回鹵獲されたものは暗視装置が旧式のPN96-MT-02であり、維持部品が枯渇している為、再生戦車が疑われています。
■ウクライナ支援
 アメリカの凄さと云いますか、逆に日本の場合は有事の際に破損した戦車を以下には約修理し予備の人員を予備の車両にのせるかを考えなければなりません。

 アメリカ政府は12日、新たに3億2500万ドル規模のウクライナ軍事援助を発表しました。その内訳は、ブラッドレイ装甲戦闘車15両、ストライカー装輪装甲車10両、HIMARS高機動ロケットシステム及びGMLRS精密誘導ロケット弾、TOW対戦車ミサイル、スティンガー携帯地対空ミサイル、そして155mm砲弾と105mm砲弾などを含みます。

 ブラッドレイ装甲戦闘車15両とストライカー装輪装甲車10両だけで、陸上自衛隊が年間に新規調達する装甲車両数に匹敵する規模であり、ウクライナ軍が喪失した装甲車両が着実に補填されている点は重要でしょう。他方、これをみますと自衛隊の予備装備の備蓄などはもう少し考えなければ現状の皆無では意味を成さないことをしめしているよう。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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