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京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

ウクライナ情勢-フランスマクロン大統領ミラージュ2000戦闘機供与方針とロシア軍の概況

2024-06-10 07:00:06 | 国際・政治
■防衛情報-ウクライナ戦争
 ミラージュ2000はラファールとの置き換えにより退役機が中古市場用に残されているものもあるといいますが空軍力は重要です。

 フランス政府はウクライナ軍事支援としてフランス空軍が運用するミラージュ2000戦闘機の供与を発表しました。これはマクロン大統領主導のもので今回供与されるのは空対空戦闘能力の高い、ミラージュ2000-5戦闘機で、フランス政府によれば機種転換訓練の所要期間を考えた場合、今夏から訓練を開始する場合年内に完了するとしています。

 ミラージュ2000戦闘機はフランス空軍では順次ラファール戦闘機へ置き換えが開始されていますが、ミラージュ2000-5の場合、F-16block50程度の空中戦能力を発揮できる見込み。フランス政府はどの程度の機数を供与するか具体的筋は示していませんが、一定数を供与するとしています。F-16戦闘機供与とともにウクライナには朗報でしょう。

 F-16戦闘機供与について、やはりF-16はMiG-29とは根本から異なるため訓練期間が長引いている。開戦当時ウクライナ空軍には170機程度の戦闘機がありましたが、長期にわたる戦闘により半数以上を喪失しているとのことで、F-16戦闘機とミラージュ戦闘機、そしてスウェーデンのアーガス早期警戒機の供与により空軍を建て直す事を期待しています。
■防衛情報-ウクライナ戦争
 退役装備は保管しておく必要性を改めて。

 ロシア軍は毎月ロシア兵5000名が戦死している、これはISWアメリカ戦争研究所6月6日ウクライナ戦況報告においてプーチン大統領が不作為で5000名戦死者という数字を口にしたことを紹介したもので、負傷者の比率から毎月1万5000名が負傷している事を示します。この数字はウクライナ国内報道の戦果に関する下限とほぼ一致しているという。

 ロシア軍はこうした中でクピャンスク南東とヴォフチャンスク南西、チャシブヤールのシヴェルスキードネツドンバス運河東岸、アウディイフカ北西のドリヴカで前進しているという。現在ウクライナ軍は人員不足に見舞われていて、ウクライナ人権社会復帰委員会のボルベンコ副委員長によれば2024年に10万から11万の兵員入営を必要としている。

 ウクライナ軍の悩みは人員不足と共に装備不足も挙げられ、10万から11万の兵員により旅団を複数編成しようにも、欧米からの軍事物資供与に依存している為、短期的には新編部隊を作戦水準に到達させる事は難しいともボルベンコ副委員長が発言しています。ウクライナ軍は国産装備や老朽装備復旧も並行して実施していますが、やはり不足しています。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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