■防衛情報-ウクライナ戦争
日本の防空制圧任務に関しても大きな戦訓と云える事例がウクライナとロシアの国境付近で発生しました。日本本土の一部は中国やロシア本土の地対空ミサイル射程圏内です。

防空システム、地対空ミサイルの存在は戦闘機などによる航空阻止や近接航空支援を徹底して阻害する為に厄介な存在で、アメリカ軍などは専門の防空制圧部隊を、欧州NATOでは攻撃機に対レーダーミサイルを搭載しその無力化に努めてきましたが、1973年第四次中東戦争では戦車部隊が直接ミサイルを撃破した事もありました、そして2024年には。

HIMARSとS-400の対決という非常に稀有な状況があったようです、ISWアメリカ戦争研究所6月3日付ウクライナ戦況報告によれば、ウクライナ軍は1日と2日にかけ、ロシアベルゴロド州からウクライナハリコフ州の攻撃を支援していたロシア軍S-300/S-400地対空ミサイルに対して、HIMARSによるGMLRS精密誘導攻撃を実施したとのこと。

世界最長クラスの射程と弾道ミサイル迎撃能力を誇るS-400地対空ミサイルシステムと、世界最有力といわれる精密誘導ロケット弾GMLRSを投射するHIMARSの戦闘はHIMARSの勝利に終わったようで、3日にベルゴロド市郊外のキセリョヴォ平原地帯に破壊されたS-300乃至S-400の発射器2基と射撃統制装置が確認されました。
■アメリカ政府の理解
今回の精密誘導ロケット弾と長射程地対空ミサイルの戦闘について重要な点はロシア領内ベルゴロド州で起きたという事でしょう。

HIMARSとS-300/400ミサイルシステムの戦いは、GMLRSロケット弾を迎撃できなかった事でS-300/S-400が敗北する事となりましたが、このミサイルシステムはロシア領内からウクライナを狙っていたもようです。S-300/S-400ミサイルシステムはハリコフ州最前線から60km、ハリコフ市中心部からは80kmを隔てているとの事でした。

GMLRSの射程から考えた場合はぎりぎりの射程といえるでしょう。アメリカ政府はウクライナへ供与したアメリカ製兵器によるロシア本土攻撃に消極的でしたが5月下旬からこれを容認する立場へと姿勢を変えていた矢先のことでした。アメリカ政府の態度変更は、ウクライナが戦略目標ではなく戦術目標に対応する事を念頭と理解した上でのことなのか。

モスクワやサンクトペテルブルクに対してウクライナは無人機攻撃や特殊部隊越境攻撃を行っているとされていますが、ここにアメリカ製兵器を使うならばアメリカは反対した事でしょう、しかしウクライナロシア国境付近のロシア側に対して原則論に拘る事でウクライナの行動を抑制する事は全般状況に影響するとアメリカ側が判断したのかもしれません。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
日本の防空制圧任務に関しても大きな戦訓と云える事例がウクライナとロシアの国境付近で発生しました。日本本土の一部は中国やロシア本土の地対空ミサイル射程圏内です。

防空システム、地対空ミサイルの存在は戦闘機などによる航空阻止や近接航空支援を徹底して阻害する為に厄介な存在で、アメリカ軍などは専門の防空制圧部隊を、欧州NATOでは攻撃機に対レーダーミサイルを搭載しその無力化に努めてきましたが、1973年第四次中東戦争では戦車部隊が直接ミサイルを撃破した事もありました、そして2024年には。

HIMARSとS-400の対決という非常に稀有な状況があったようです、ISWアメリカ戦争研究所6月3日付ウクライナ戦況報告によれば、ウクライナ軍は1日と2日にかけ、ロシアベルゴロド州からウクライナハリコフ州の攻撃を支援していたロシア軍S-300/S-400地対空ミサイルに対して、HIMARSによるGMLRS精密誘導攻撃を実施したとのこと。

世界最長クラスの射程と弾道ミサイル迎撃能力を誇るS-400地対空ミサイルシステムと、世界最有力といわれる精密誘導ロケット弾GMLRSを投射するHIMARSの戦闘はHIMARSの勝利に終わったようで、3日にベルゴロド市郊外のキセリョヴォ平原地帯に破壊されたS-300乃至S-400の発射器2基と射撃統制装置が確認されました。
■アメリカ政府の理解
今回の精密誘導ロケット弾と長射程地対空ミサイルの戦闘について重要な点はロシア領内ベルゴロド州で起きたという事でしょう。

HIMARSとS-300/400ミサイルシステムの戦いは、GMLRSロケット弾を迎撃できなかった事でS-300/S-400が敗北する事となりましたが、このミサイルシステムはロシア領内からウクライナを狙っていたもようです。S-300/S-400ミサイルシステムはハリコフ州最前線から60km、ハリコフ市中心部からは80kmを隔てているとの事でした。

GMLRSの射程から考えた場合はぎりぎりの射程といえるでしょう。アメリカ政府はウクライナへ供与したアメリカ製兵器によるロシア本土攻撃に消極的でしたが5月下旬からこれを容認する立場へと姿勢を変えていた矢先のことでした。アメリカ政府の態度変更は、ウクライナが戦略目標ではなく戦術目標に対応する事を念頭と理解した上でのことなのか。

モスクワやサンクトペテルブルクに対してウクライナは無人機攻撃や特殊部隊越境攻撃を行っているとされていますが、ここにアメリカ製兵器を使うならばアメリカは反対した事でしょう、しかしウクライナロシア国境付近のロシア側に対して原則論に拘る事でウクライナの行動を抑制する事は全般状況に影響するとアメリカ側が判断したのかもしれません。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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