100,000年後の安全 上映中

2011-04-29 19:10:32 | 映像・美術
毎日、世界中のいたるところで原子力発電所から出される大量の高レベル放射性廃棄物が暫定的な集積所に蓄えられている。その集積所は自然災害、人災、および社会的変化の影響を受けやすいため、地層処分という方法が発案された。

 フィンランドのオルキルオトでは世界初の高レベル放射性廃棄物の永久地層処分場の建設が決定し、固い岩を削って作られる地下都市のようなその巨大システムは、10万年間保持されるように設計されるという。

 廃棄物が一定量に達すると施設は封鎖され、二度と開けられることはない。しかし、誰がそれを保障できるだろうか。10万年後、そこに暮らす人々に、危険性を確実に警告できる方法はあるだろうか。彼らはそれを私たちの時代の遺跡や墓、宝物が隠されている場所だと思うかもしれない。そもそも、未来の彼らは私たちの言語や記号を理解するのだろうか。

コンセプチュアル・アーティストとしても活動する監督のマイケル・マドセン自らが、既に建設が進行中の施設に潜入し、このプロジェクトの実行を決定した専門家たちに、未来の子孫の安全性について問いかける。

 圧倒的な映像美はまるでSF映画のように、荒廃し人類が去った後の地球、機械だけが永遠に動き続ける地球の姿を映しているようだ

映画『100,000年後の安全』

公式サイト

監督 マイケル・マドセン
1971年生まれ。映画監督、コンセプチュアル・アーティスト。
ストリンドベリの「ダマスカスへ」をベースに、都市と景観を上空から撮影した映像作品「To Damascus」(2005)のほか、何本かのドキュメンタリー作品を監督。また、コペンハーゲンのタウンホール広場の地下にある、面積900平方メートルのサウンド・ディフージョン・システムを備えたギャラリー「Sound/Gallery」の創始者及び、芸術監督を務める(1996-2001)。ニューミュージック&サウンドアート・フェスティバル SPOR 2007のデザインやデンマークのオーデンセの音楽図書館のコンセプトを考案。また、ゲストスピーカーとして、デンマーク王立芸術学校、デンマーク映画学校、デンマークデザイン学校で講演している。

監督の言葉10万年もの耐久性がある世界初の放射性廃棄物の最終処分場を造るオンカロ・プロジェクトは、建築学的にも哲学的にも、これまでのどの先人の試みをも越えるものです。現代の異様な解決法は新しい何かを表しており、我々の時代の象徴になると思っています。

記録しがいのある(暴きがいのある)現実が1つの実体のみで構成されているとは思いません。むしろ、現実とは、その解釈によって決まる、解釈の余地があるものだと信じています。つまり、私は、どのように現実が解釈できるか、解釈されているのか、その可能性とそれを構成するものに興味があるのです。


映画『100,000年後の安全』
(2009年/79分/デンマーク、フィンランド、スウェーデン、イタリア/英語/カラー/16:9/ビデオ)
監督・脚本:マイケル・マドセン
脚本:イェスパー・バーグマン
撮影:ヘイキ・ファーム
編集:ダニエル・デンシック
出演:T・アイカス、C・R・ブロケンハイム、M・イェンセン、B・ルンドクヴィスト、W・パイレ、E・ロウコラ、S・サヴォリンネ、T・セッパラ、P・ヴィキベリ
配給・宣伝:アップリンク

2010年パリ国際環境映画祭グランプリ
2010年アムステルダム国際ドキュメンタリー映画祭 最優秀グリーン・ドキュメンタリー賞受賞
2010年コペンハーゲン国際ドキュメンタリー映画祭 有望監督賞受賞


上映劇場

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フィンランドのオルキルオトに建設中の、原発から出る高レベル放射性廃棄物の最終処分場“オンカロ(隠された場所)”と呼ばれる施設に、世界で初めてカメラが潜入したドキュメンタリー作品『100,000年後の安全』。安全になるまで10万年を要するという高レベル放射性廃棄物を、果たして10万年間も安全に人類が管理できるのかという問題を、フィンランドの最終処分場の当事者たちに問うている本作を通し、日本の今とこれからを考えます

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→詳細・予約方法についてはこちら

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◆4/28(木) 19:00開場/19:30上映
「チェルノブイリの今とフクシマ」
ゲスト:広河隆一(ジャーナリスト)
※4/28(木)はご予約が定員に達したため、受付を終了いたしました。

◆4/29(金祝) 13:35開場/13:50上映
「世界の原発事情~フィンランド編」
ゲスト:須永昌博(スウェーデン社会研究所)

◆4/30(土) 13:35開場/13:50上映
「廃炉という選択~日本の核廃棄物処理の現状」
ゲスト:舘野淳(元中央大学商学部教授)

◇料金
【一般・シニア・学生】 当日:2,500円 / 予約:2,000円
【アップリンク会員】 当日・予約:1,800円
(会員は当日加入されてその日から適用されます。当日会員に加入される方でイベントに参加される方は事前に予約を入れてください。満席になり次第予約は終了します)
※入場料より200円を福島県の社会福祉課に義援金として寄付します

◇会場
渋谷アップリンク・ファクトリー(東京都渋谷区宇田川町37-18 トツネビル1F

詳細・予約方法についてはこちら
4月2日より緊急公開された『100,000年後の安全』。渋谷のアップリンクでの朝1回の上映から始まり現在全国で40館での公開が決まっている。アップリンクでは、拡大公開後も連日満席札止めが続き、上映後にはほぼ毎日、映画を観た方との意見交換が行われ、原発推進、脱原発という意見に係わりなく、10万年間も危険な放射性廃棄物を人間が管理する事が可能なのかどうかということを考えさせられたという意見が多く寄せられています。

本作は、フィンランドのオルキルオトに建設中の、原発から出る高レベル放射性廃棄物の最終処分場“オンカロ(隠された場所)”と呼ばれる施設に、世界で初めてカメラが潜入したドキュメンタリー作品で、安全になるまで10万年を要するという高レベル放射性廃棄物を、果たして10万年間も安全に人類が管理できるのかをフィンランドの最終処分場の当事者たちに問うています。
このドキュメンタリー映画は、まるでSF映画のようであり、怪物が出てこないホラー映画のようでもあり、観客を静かな恐怖と絶望に導きます。
「ある日人類は新しい火を手に入れた、その火は強力すぎて消すことができなかった」とは映画の中で観客に向かって語るマドセン監督の言葉。それは、今この映画を観る私たち日本人の観客に向けて語られている言葉のようです。

現状日本では、原発から生まれる放射性廃棄物の処理をどうするか、未定のままです。
今、福島の状況はどうなっているのか?今後どうなっていくのか?諸外国ではどうなっているのか?ゲストの方のお話を伺いながら、本作を通し、今の日本の原発の現状、既にある廃棄物の処理方法、原発に変わるエネルギーについて考え、話し合いたいと思います。

*入場料のうち200円を東日本大震災の義援金として寄付致します。義援金は家屋が全半壊したり、東京電力福島第一原子力発電所の事故に関連して避難指示を受けたりした計約6万5000世帯に分配されます。
※義援金振込先:ゆう貯銀行 福島県災害対策本部 00160-3-533

このイベントへの参加予約をご希望の方は
(1)お名前、
(2)人数 、
(3)電話番号、
(4)日時を明記の上、件名を「○月○日/『100,000年後の安全』レクチャー付上映会」として、
factory@uplink.co.jpまでメールでお申し込み下さい。


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