暗殺チームの背後に<施設警備サービス>ダール・ジャマイル/イラク情勢ニュース

2006-11-18 19:19:32 | イラク

URUK NEWS イラク情勢ニュース           
□□□□□ □■ □□□□□ □■ □□□□□ □■ □□□□□ □■
――――――――――――――――――――――――――――――――――
2006/11/18 (土)

  [飛耳長目録 today's news list]

☆施設も国民も守りはしない 
   --暗殺チームの背後に<施設警備サービス>

--------------------------------------------------------------------
☆★施設も国民も守りはしない
  Protecting Neither Facilities nor People
ダール・ジャマイルの中東速報 2006年11月7日
--------------------------------------------------------------------
Dahr Jamail's MidEast Dispatches
http://dahrjamailiraq.com

Inter Press Service (IPS)
インター・プレス・サービス
Dahr Jamail and Ali al-Fadhily

 バグダッド発、11月7日

 2003年のイラク侵攻直後に創設された施設警備サービス(FPS、Facilities
Protection Service
)がイラクにおける暗殺チーム(death squads)の主力となった--有力政治家
が語る。

 イラクのある中央省庁の顧問は、「ポール・ブレマー(イラクの元米国行政官
、文民代表)がイラクで最初にしたことはイラク軍とすべての治安組織を解体す
ることだった」と匿名(とくめい)を条件にIPSに語った。「この人物はりっ
ぱに仕事をしたとして大統領から最高の賛辞を贈られた」。

 アメリカの占領当局および彼らと一緒に仕事をしたイラク人指導者たちは、多
国籍軍(MNF)の監督のもとに新しい軍隊と警察部隊を設立した。そして、そ
れぞれの省庁が内務省および国防省の統制から独立した独自の警備部隊を設置す
ることが可能とされた。

 有志連合暫定当局(CPA)指令27号のもとに、FPSはバグダッド陥落直
後の2003年4月10日に設立された。

 この指令文書は次のように述べる--「FPSは中央省庁もしくは州知事に契
約を通じてでサービスをおこなう民間警備会社の従業員で構成され、そのような
民間警備会社と従業員は内務省によって資格を与えられ公認される。」

 アメリカに本部を置く安全保障問題の研究グループであるグローバル・セキュ
リティ(Global Security.Org)は、次のように述べている--「施設警備サービ
スは全省庁と政府機関にサービスを提供しているが、その作業基準は内務省によ
って定められたものが課せられる。FPSは私的に雇うこともできる。FPSは
省庁、政府、あるいは民間の建物、施設、関係者といった特定された場所の警備
を仕事とする。」

 グローバル・セキュリティのウェブサイトはさらに次のように述べている--
「FPSスタッフの多くは元兵士や元警備員で構成される。FPSは現在、その
地域内にある病院、銀行、送電施設、公共施設の安全確保にあたる。訓練を終え
た警備員が米軍部隊とともに学校や病院、発電所のような危険な場所の警護にあ
たる。」

 ハリス・アル・ファハド元イラク軍将軍は、FPSはそんなものになるはずじ
ゃなかったと言う。遠くから爆発音が聞こえるバグダッドの喫茶店で、彼はIP
Sに、「彼らは権力の座についた各党派に割り振られる形で編成されたことから
、すべての部隊が実際には民兵さながらで、統率のある部隊にならなかった」と
説明した。

 「こうした政治家連中は自分の支持者をいわゆる治安部隊に引き入れた。そう
でない者は応募者から500~700ドルを賄賂として受け取り、定められた基
準を無視して採用させた。」

 サマッラのシーア派聖廟が今年2月に爆破されたあと宗派主義の暴力がイラク
全土に広がると、「FPSがバグダッドにおける暗殺実行の主力部隊になったよ
うで、彼らが金のために暗殺をやっている証拠がある」。

 これは今も続いている。イラク警察を訓練している米軍将校は先週、IPSの
記者に、警察部隊への民兵の浸透がイラク人治安部隊への権限委譲を何年も遅ら
せるかもしれない。

 アレクサンダー・ショウ大尉は、「警察がわれわれの仲間を殺さないとはわれ
われでさえ信用できないのに、どうして一般のイラク人が警察を信用すると期待
できるかね?」と指摘した。ショウは西バグダッドの全イラク人警察の訓練を監
督する第372憲兵大隊(ワシントン)の警察移行チームを指揮している。

 「本音で言わせてもらうと、民兵の影響を受けてない警察をわれわれが育てて
いるという確信がないんだ」と彼は言った。

 警察に浸透している民兵のほとんどは、2つの大きなシーア派民兵のメンバー
である。1つは、親イラン派であるイラク・イスラム革命最高評議会の武装部門
であるバドル旅団で、もう1つはシーア派聖職者ムクタダ・サドルの民兵組織マ
フディ軍。

 ショウの話では、イラク人警察の約70%がそうした民兵メンバーであり、警
察幹部も首都のあちこちをパトロールするのを恐れているという。

 西バグダッドの警察本部長サラハ・アル・アニ警視は、最近、「イラク人警察
の誰1人として自分の国をよくするために働いている者はいない」と語った。「
彼らは民兵組織のためか、金をフトコロに入れるために働いているんだ」。

 ナミール・ハディ医師が主要病院であるバグダッド病院を最近辞職した理由は
、FPSに脅されていると感じたからだ。

 「ある女性患者がスンニ派部族指導者の妻だとわかると冷酷に彼女を殺害する
のを私は見た」と彼はIPSに語った。「私はシーア派教徒だが、この種の犯罪
には耐えられない」。

 これら施設警備サービスこそが2003年4月、米軍の侵略が始まった頃に、
銀行と政府機関を略奪した犯罪者の主力だったことはバグダッドでは常識である
。略奪者たちは盗んだ金を使い果たすと新しい収入源を必要とし、新たな犯行を
企てるために大小の地方権力者にかくまわれる--これもまた多くの者が確信し
ていることである。

 イラクの内務大臣ジャワド・アル・ボラニは先月、イラク警察とイラク軍が暗
殺チームで大きな役割を演じていることを否定した。彼は天文学的レベルの暴力
の犯人を施設警備サービスだとし、その人数を15万人になると推計してみせた

 「誰かを捕まえたとして、それが政府省庁の従業員だとは滅多にわからないが
、大抵の場合、施設警備サービスの者だった」とボラニは述べた。

 10月21日に放送されたアル・アラビヤTVのインタビューでは、イラク政
府の広報官アリ・アル・ダッバグ氏が治安部隊は「純化」される必要があること
を認めた。彼は「ブレマー時代」になされた間違いが今ほどの殺害事件につなが
ったと非難した。

 政府を狙った攻撃が増えるなかで、施設警備サービスが施設の警護にどれほど
の効果があるのか、わかったものではない。


――――――――――――――――――――――――――――――――――
□□□□□ □■ □□□□□ □■ □□□□□ □■ □□□□□ □■
※URUK NEWS イラク情勢ニュース (webサイト) 
    http://www.geocities.jp/uruknewsjapan/  
    メーリング・リストへの参加・退会手続きはここでもできます
※イラク・レジスタンス・レポート
    http://www.geocities.jp/uruknewsjapan/Iraqi_resistance.html
□□□□□ □■ □□□□□ □■ □□□□□ □■ □□□□□ □■
――――――――――――――――――――――――――――――――――
米退役司令官が明かす手負いのイラク駐留米軍の容赦無い起死回生戦略

現在提案されている撤退のための選択肢には、イラク分派間の内戦の炎を燃やし続け、内戦当事者の物質的、人的資源を消耗させるべく弱い側の敗北を防ぐために、米国諜報機関の支援を得て米軍が介入する(勝者側を叩く)。米国は敗北した弱者と見られるよりも、凶暴で獰猛な鬼として見られることを望む。「米国の選択肢」と題した一文で政治研究家のアル・サリム氏は、米軍のある退役司令官が語った米国の本音の証言を紹介、15日付のイラクのネット・サイト、イラク・パトロールが掲載した。
--------------
 イラクに対する戦争とその結果により戦略を練り直しを決定するために、何をすべきかを廻って、諜報機関や国防総省部局内の米国の各戦略研究所は、現在大忙しの状態である。米軍のある退役司令官は、「より悪い状態に備えるのではなく、どうしたら苦境を逆手にとって、我々の有利に転換させるかだ」こう説明した。以下は同司令官の発言要旨である。
--------
 米国政府が現在検討すべき選択肢には、駐留継続か撤収かの戦略決定がある。


 反乱軍に対抗できるほどイラクの状況を制御する能力をイラク政府が完了するまでは、我々は短期間の駐留を続ける。イラク政府による治安回復が達成出来ず、明確に憲法に則って選ばれた政府をイラク国民自ら防衛することを望まないなら、我々は彼らの国に軍事駐留し続けなければならない。必要なら1世代間もね。

 反乱運動が拡大し、イラク政府が米軍の助けにならない場合、つまり数ヶ月内にイラクの治安軍が政府の敵である反乱軍を鎮圧させる能力を示せなかった時には、イラクに於ける我々の夢は希望がないと我々は感じるに違いない。

 長期駐留案としては、(北部の)クルディスタンや南部の重要拠点など安全な場所に基地を建設し長期間駐留し、油田とその輸送ルートを確保することが挙げられる。

 イラクからの全面撤退は、即時撤退か段階的撤退になる。現在提案されている撤退のための選択肢には、イラク分派間の内戦の炎を燃やし続け、内戦当事者の物質的、人的資源を消耗させるべく弱い側の敗北を防ぐために、米国諜報機関の支援を得て米軍が介入する(勝っている側を叩く)。

『予想想定』
★ イラク国内のシーア派民兵分子を支援するためにイランが介入してきたら?

* イランの核兵器開発地点に対して一度か数度の攻撃を加えるか、その一部を占領する。

★ スンナ派民兵組織を支援するためにサウジアラビアやシリアが介入してきたら?
* サウジアラビアの油田を制圧し、(イスラムの聖都メッカの)カーバ神殿周辺でイスラム教徒同士の戦争状態を造りだす。この国は西洋式民主主義体制に激しく敵対する(イスラムの復古主義である)ワッハーブ派運動の源泉であるからだ。そうなれば、全てのイスラム過激主義の源泉を撲滅し消耗させるから、自由世界が喜ぶ宗派間戦争の引き金になろう。

★ イスラエルの支援の下にシリアを短期的に占領する。
* この占領は容易だ。イラクで起こしたような失敗を繰り返してはならない。


★ クルド人が分離独立し、トルコがクルド国家に軍事行動をとったなら?
* クルド国家を支援し(産油都市)キルクークを与える。キルクークは戦火の及ばない場所で米軍のための安全な避難場所になるからだ。同時に石油が豊富なイラク北部のアラブの土地の一部をトルコに賄賂として与え、キルクークの(トルコ系)少数民族トルクメン人の安全を保障する。

『結論』 我々はイラク人に過去に例の無いチャンスを与えた。我々の邪魔をしても、敗北するのは我々ではなく彼らだ。米国の今回の失敗は、成功に変えなければならない。米国政府は敗北への用意が無いし、それを受け入れない。米国は敗北した弱者と見られるよりも、凶暴で獰猛な鬼として見られることを望むのだ。米国の選択肢は豊富で、何処にでも手が届く力を持っていることを世界に認識してもらいたい。

 イラクでの失敗を我々は、脅威の源泉を殲滅し、イスラエルの治安確保を実現するために、中東を絶え間無い「ムスリム対ムスリム」の戦争と「アラブ対ペルシャ」の戦争の海に沈めるよう利用しなければならない。ある米国の研究者は、この戦争が米国の利益のための米国の代理戦争になるよう提案している。

http://www.iraqpatrol.com/php/index.php?showtopic=17255

【アラビア・ニュース】  齊藤力二朗 転載は一日1記事、再転載は見出しと序文、URLのみに限定
http://groups.yahoo.co.jp/group/arabianews/

 



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。