イラク解放後の課題は占領時代よりも難題と抵抗勢力は覚悟/アラビア・ニュース

2005-10-07 20:55:24 | イラク
イラク人民との連帯会議にサラーフ・アル・ムフタール氏が託した演説原稿。/今月3日にローマで読み上げられた。イタリア外相は同氏ならびに、アフマド・ハサニー・バグダーディー師、ジャワード・ハーリシー師(両師ともイラクのシーア派権威)などに「治安上」を理由にビザを発給しなかった。

友と同志よ

 まず最初に、アメリカ合衆国によるイラクに対する植民地的占領と戦っているイラクの人々との連帯会議を組織頂いたことに感謝申し上げたい。我々は、イラク国民に対する占領軍の犯罪、占領者と連中の傭兵どもによるイラク全土の破壊を明らかにする権利を奪われてきた。西欧でも、アラブ本国でもアメリカ政府がマスメディアに命令するか、或いは圧力をかけて、バース党員や民族主義者に対し、アメリカとイギリスがイラクで行っている上記の犯罪を暴露する機会を決して与えまいとしている。そこで、皆さんの会議は、皆さんがイラクの現在の状況を客観的にとらえる偉大な機会となろう。

友と同志よ

 イラクが過去二年半苦しんでいるのは、典型的な植民地主義であり、それはイラクに対する血まみれの武装侵略の形をとって、地域の空爆、或いは都市や村を丸ごと破壊し、住民をそうした都市や村から立ち退かせ、砂漠で、食糧も水も、電気も、他の人間にとって不可欠なサービス類も無しに暮らさせることから、今日までにおよそ25万人が亡くなっている。最適の例は都市丸ごとの破壊で、それがファルージャや他の都市で起きたことだ。他の大量虐殺の方法として、アメリカ兵士が、いわゆるテロリストと判断さえすれば、たとえその男性なり女性が無辜の民であったにせよ、いかなるイラク国民に対して手当たり次第砲撃して良いという許可を公然と与えていることだ。そして25万人の殺害は、アメリカ軍が作った何十もの刑務所における拷問による死亡を含んでいる。

 省庁、経済機関、医療センター、治安機関、報道機関等々、イラク国家のあらゆる組織に放火して、破壊するよう占領軍が傭兵を雇い、そそのかしたことで、イラク侵略の最初の瞬間から、占領の植民地的な本質は明快に現れた。唯一残された官庁は、石油省だった。アメリカ軍は傭兵や訓練されたギャングどもからこの省を守っている。その前に、イラク国土占領の初日に、アメリカ軍は、地域のいかなる軍事目標を破壊、占領するよりも前にイラク南部のイラク油田を制圧したのだ!

友と同志よ

占領の明らかな植民地的な性格上、イラクの迅速な占領を保証すべく最大の兵力使用に依存しており、 日々侵略の過程でイラク民間人大量虐殺を行ってきたが、まさ
にこの本質が、イラク人による報復の本質を規定し、占領軍の最大の力が、イラク武装レジスタンスの最大の力を生みだしたのだ。バグダッド占領後、武装レジスタンスは、イラクの最終的選択肢として最初から大規模に開始され、北から南、東から西のイラク国境に至るまでの大半のイラクの市町村を網羅していた。人民による支持と、組織メンバーの数が漸進的に増えるというゲリラ戦の第一の法則に矛盾して、イラク・レジスタンスが巨大な民衆の支持を得た武装活動として開始したのは何故かと、疑問を持たれることだろう。イラク武装レジスタンスのこの独自の特徴を説明させて頂きたい。

 最も顕著かつ独特なイラク・レジスタンスの特徴は、イラク全土で占領と戦うよう準備されていた大人数の、支持された組織が瞬時に出現した点である。バグダッド占領時、アメリカ軍はバグダッドの様々な場所で強力なレジスタンスと直面し、サダム・フセイン大統領像の倒壊というハリウッド風ニュース報道とは離れた場所で、少なくとも四つの大きな戦闘が起きた。バース党は、地下に潜れという指示を受け、この即座の武装レジスタンスを開始し、戦争の第二段階を開始した。つまりゲリラ戦だ。ゲリラ戦の幾つかの歴史的な教訓と規則を思い出して、イラク・レジスタンス独自の特徴に目を向けて頂きたいと思う。現代史をひもといてみれば、外国による占領に対する武装レジスタンスは漸進的に始まっている。限られた数の自由の戦士によって行われる攻撃から始まって、より複雑かつ大規模な軍事作戦となる。武装レジスタンスの増殖は、いわゆる武装プロパガンダに依存している。つまり、自由の戦士は、敵軍隊を攻撃し、重大な損失を被らせることによって、人民の意識を高めてゆく必要があるのだ。そうすることによって、人々は段々と武装レジスタンスに参加し始め、長年経て、武装レジスタンスは武装革命に至ったりする。この歴史的な事実は、中国、キューバ、パレスチナの革命にもあてはまる。

 だがイラクでは状況は異なっており、武装レジスタンスは侵略の何年も前から準備されていて、実際1991年侵略後に、本格的活動が行われ、バース党の民兵であったイラク人民軍がイラク武装勢力を支援し、ゲリラ戦に対し、集中的、専門的軍事訓練を受け、さらにバース党は、あらゆる侵略と戦うべく、フェダーイン・サダム(サダム挺身隊)と言う名前の新たな組織を立ち上げており、それには25万人以上の若者が加入している。バース党は、7百万人からなるエルサレム軍と呼ばれる新たな軍をも設立したが、これは最大の人民民兵である。いかなる外国勢力にも依存せぬよう、バース党は数百万丁の銃をイラク国民に配布し、秘密の倉庫に、数百万の中級、軽量兵器、10年間いかなる外部の支援も必要とせずに戦うのの十分なだけの弾薬を蓄えている。更にバース党は、多数の科学者や軍事指揮官を、地下での、武器製造、弾薬製造、武器修理のために割り付けた。

友と同志よ

 およそ一千万人からのイラク国民が、イラクがなんらかの侵略に会った際に、ゲリラ戦を開始すべく、訓練されて、準備しており、イラクの指導部はイラク侵略の直後に人民の武装レジスタンスを開始する為、極めて選りすぐりのエリートを選び出していた。それが、イラク革命では、小規模部隊による小規模で限定された攻撃から始まったのではなく、占領の初日からより大規模な軍事作戦が始まった理由だ。この事実は、イラク人はアメリカ軍を花束をもって迎えるだろうと信じていたアメリカ政権にとって、最大の衝撃と驚愕だった。一年も過ぎないうちにイラク人武装レジスタンスは、占領者に対しては極めて敵対的で、武装レジスタンスの自由の戦士には友好的にすることで、イラクの主要都市をほぼ解放していた。レジスタンスがイラクを完全に支配しているという好例は、アメリカ軍司令部とアメリカ大使館とバグダッド傀儡政府がおかれているいわゆる(グリーン・ゾーン)だ。アメリカも、連中の傀儡も、グリーン・ゾーンの外では動けず、アメリカ軍に対する指示は、レジスタンスの諜報部隊がレジスタンス中央司令部に連絡し、アメリカ軍への攻撃が不可避となるのでイラクのいかなる地点においても10分以上留まるなというものだ。

友と同志よ

 数ヶ月後には、侵略前に作られた元々の組織に参加したり、或いは、占領者に対して古い組織と共に戦う新たな戦闘組織を作りだすことによって、何千人ものイラク人が武装レジスタンスに加わった。従って武装レジスタンスは、バース党のレジスタンスとして始まったという事実にもかかわらず、当面の間、全てのイラク人、アラブ人、クルド人、トルクメン人、シーア派の人、スンニ派の人、民族主義者、左翼、イスラム教徒、部族の指導者等々を代表する。この事実は、イラク・レジスタンスは生来国家的な活動であり、全ての政党、宗派、人種、地域を代表することを意味している。

友よ

 最近アメリカ合衆国の多数の高官、あるいは準高官達が、昨年アメリカの議員であるテッド・ケネディが言っているように、イラク侵略は大きな誤り、あるいはひょっとするとアメリカの史上最大の過ちであったかもしれないことを認めている。数日前アメリカ軍のリチャード・マイヤーズ将軍が、イラク武装レジスタンスをうち破ることは、第二次世界大戦における我々の勝利より重要であり、イラク戦争はヴェトナム戦争より重要だ。イラクにおけるアメリカ合衆国の危機状態の様子を理解するには、元アメリカ合衆国国務長官であったマデレーヌ・オルブライトが、やはり数日前に、イラクでは暗い日々が続くと考える必要があると語ったことを思い出す必要がある。大事な疑問は、なぜこうしたアメリカの高官たちや、将軍、もと高官達が、これほど悲鳴を上げているのかということだ? 答えはきわめて単純明快
だ。イラク武装革命がその最終的段階に達したのだ。この段階で、占領者達は、完全な軍事的壊滅に直面するか、イラク・レジスタンスの前提条件、特に、イラクからの無条件完全撤退を受け入れるかを強いられる。

友と同志よ

 イラク・レジスタンスが実現しているこの歴史的勝利の背後にある秘密はなんだろうか? イラク人の圧倒的大多数が無制限にレジスタンスを支持しているという
事実を別にすると、イラク・レジスタンスの勝利の背後にある、二つの主な理由を説明せねばならない。一つは、レジスタンスは、それまでのあらゆる準備とともに、とりわけ侵略の2年前に、イラクでアメリカ合衆国を財政的に疲弊させる戦略を採用していることがある。あらゆる手段によって、イラクのアメリカ軍を出来る限り破壊し、戦費が、必ずアメリカ国民によって支払われた税金によって賄われるようにするのだ、これで、イラク侵略は、イラクから略奪された膨大な資産と共に利益の源となる代わりに、大変な重荷となるのだ。この計画のもう一つの側面は、石油を計画的に輸送するパイプを攻撃して、アメリカ合衆国がイラクの油田を食い物にするのを防ぐことだ。レジスタンス勝利の二つ目の大きな理由は、アメリカ兵士の殺害と負傷が、アメリカ国内における民衆の反戦の動きを次第に促進してしまう為、アメリカの人的死傷を最小化する目的でイラク・レジスタンスと戦わせるよう、アメリカ合衆国が自軍を守るためにでっちあげようとしている新しい軍隊、新たな治安組織、新たな警察といった、あらゆるイラク人の楯を破壊するという決意だ。イラクの光景を見れば、イラク・レジスタンスが、こうしたイラク人軍隊や、様々な名前の元でイラクに送り込まれる傭兵、特に民間軍事サービス企業のようなものの本体を見事に破壊して、無力化し、活動できなくしていることが分かるだろう。アメリカ合衆国がイラクの石油という財源を利用することを阻止し、アメリカ軍に多くの死傷者をもたらすことによって、イラク・レジスタンスはアメリカのモラルと財源、両方の壊滅を保証する。

友よ

 これまでに述べた事実にかんがみて、占領が崩壊するまでの時間を短縮すべく、イラク・レジスタンスは、アメリカ軍と傀儡政権の双方に対する軍事作戦をエスカレートし、拡大した。この発展の中で、武装レジスタンスは主要なレジスタンス組織の統一性を主張し、主要レジスタンス活動の統一指導部を確立し、イッザット・イブラヒム同志(サダム時代のイラク革命評議会副議長でサダムに次ぐNo.2)を、イラク・レジスタンスの現地司令官として選出した。

 さらにレジスタンスは再三次のように主張してきた。解放後のイラク政権は、現在武装革命に参加している全ての組織を代表する、民族的、宗教的、部族的指導者に加えて、武装レジスタンスを支持或いは、参加した人々の連合政府だ。自由総選挙が行われて、新たイラク政権を選出する。武装レジスタンスこそが、イラクにおける主要勢力で、他には主要なイラク人勢力は存在しないことをお知らせしたい。全ての政党は、旧も新も、2003年9月に発表された政治的、戦略的なプログラムを支持すべきなのだ。武装レジスタンスを離れて、イラクにおける平和的なレジスタンスにはいかなる正統性もなく、イラクにおける全ての政治組織はこのプログラムを支持すべきなのだ。占領勢力とのあらゆる妥協の拒否に基づき、いわゆる政治過程に対するあらゆる参加を拒否し、アメリカ政府がイラクに押しつけた、イラクを宗派的、人種的基盤に基づく三つの小国家に分解することを保証する憲法草案に対する国民投票への参加を拒否するのだ。レジスタンスは、いかなる選挙或いは、国民投票への参加も占領の承認であり、でっちあげの正統性を与えるものだと確信している。

友と同志よ

 我々はイラクにあって、武装レジスタンスの最終的な勝利について、全く楽観的であり、やがて現れる解放政府が、全ての国民の運動、全国的、民主的共同戦線によって代表されることに幻想を抱いてはおらず、イラクにおける民族主義的、進歩的勢力の間の約半世紀におよぶ内部抗争を終わらせるため我々は懸命に努力している。新たなイラクは、生来民主主義的で、全国的共同戦線によって統治されるべきだと考える。それは、やがてくるこの課題のほうが、占領という難題以上により困難であることを覚悟しているだけでなく、全国的政党間の違いは、抗争や血まみれの戦いの理由になるべきではなく、同胞同志間の、正常で自然な差異の表現であるべきだと我々が確信しているためだ。世界にとって、アメリカ合衆国に対するイラク人レジスタンスの勝利の最も重要な結果は、世界にとって新たな時代の始まりとなる。世界に対するアメリカの独裁を終わらせれば、社会的公正、法の正義、すべての国家の平等、全ての人の為の自由、全ての繁栄、あらゆる人類の尊重によって特徴付けられる、新たな世界秩序に向けて、真摯に働くことが必要になるのだ。

 メソポタミア(イラク)から歴史は始まった。そこに最初の文明が現れ、そして今、バビロニア人の子孫である我々イラク人が、歴史作りを繰り返そうとしている。アメリカ合衆国という悪の帝国に対する武装革命の首都バグダッドから、人類解放の行進が始まったのだ。そして、自由な人類という高貴な原理のために、何十万人ものイラク人が命を投げ出す覚悟ができているので、それを押しとどめることは不可能だ。

イラク武装レジスタンス万歳!

解放と社会主義に勝利あれ!

世界のあらゆる場所で民間人を暗殺する連中よ、恥を知れ。

イラク占領アメリカ軍の監獄に閉じこめられている全てのイラク人、とりわけ、イラク・レジスタンスの生みの親サダム・フセイン大統領に自由を

サラーフ・アル・ムフタール イラク友好・平和・団結連合議長  2005年9月29日

http://www.albasrah.net/ar_articles_2005/1005/mukht_051005.htm

【アラビア・ニュース】  齊藤力二朗  会員以外の転載希望者は個メールで受付
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