靴を投げたイラク人の裁判初公判、次回は3月/イラク情勢ニュース

2009-02-19 23:53:13 | イラク
URUK NEWS イラク情勢ニュース           (転送・紹介歓迎)
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2009/02/19 (木)

  [飛耳長目録 today's news list]

☆靴を投げたイラク人の裁判 2009/02/19
☆写真: ザイディの行為はアラブ世界で称賛される
 http://english.aljazeera.net/mritems/Images//2008/12/17/2008121794742156734_5.jpg
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☆★靴を投げたイラク人の裁判は3月まで休廷
イラク情勢ニュース 速報&コメント 2月19日
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Iraqi shoe-thrower’s trial adjourned
ミドルイースト・オンライン
2009年2月19日
By Ines Bel Aiba - BAGHDAD
http://www.middle-east-online.com/english/iraq/?id=30503

 ジョージ・ブッシュ大統領に靴を投げたイラク人記者は19日に開かれた法廷
で、ブッシュ元米大統領を見ていると感情がこみあげてきたと述べ、堂々とみず
からの行為を弁護した。

 ムンタザ・アル・ザイディは、ブッシュ大統領がホワイトハウスを去る前に、
別れのイラク訪問を行ったさい、12月14日にブッシュの頭をめがけて靴を投
げたことで世界的な名声を得た。

 彼の弁護士は、裁判の冒頭陳述で、この素晴らしい抗議は合法的だと主張した
が、裁判官はブッシュのイラク訪問についてもっと情報が必要だと述べ、90分
の休廷を宣言した。

 記者は法廷で、2003年3月にイラク侵攻を命令したブッシュが話し始める
と、怒りがこみあげてきて、その激情を抑えることができなくなったと語った。

 「私はブッシュだけを見ていた。私の目には何か黒いもののように見えた」と
、彼は被告席で話した。彼の肩にはイラク国旗がかけられていた。

 「それで最初の靴を手にし、それを投げたが、彼には命中しなかった。そこで
二つめの靴を取り上げたが、これも彼に当たらなかった。私はイラク占領軍の司
令官を殺そうとしたわけではない。」

 裁判はバグダッド市内で厳重警備のなかで開廷された。ザイディは、ブッシュ
がマリキ首相と並んで会見し世界に配信された共同記者会見について、詳細な報
告を行った。

 「私が記者会見に出席すると、アメリカの警備担当者がイラク人記者は外に出
るように告げ、彼らは私たちをチェックし始めた。私たちはイラクの領土にいな
がら、ある記者は彼らから侮辱的なやり方で身体検査をされた」と彼は言った。

 「ブッシュが冷たい笑みを浮かべて、『イラクでの勝利と業績』について話し
はじめたので、・・・私はあんなことをした。」

 証言のあと、ザイディはブッシュのイラク訪問は公式訪問ではなかったと反論
した。そのとき、3人の判事のなかの1人、アブドラマル・ハッサン・アル・ル
バイが、法廷は3月12日まで休廷となると宣言した。

 「ブッシュ元米大統領の訪問が公式訪問だったかどうか、首相府に問いあわせ
て確認するために、裁判を休廷にする」と彼は言った。

 もし記者が外国指導者を「攻撃」したことで有罪になると、彼は禁固15年と
なる。検察による彼に対する大げさな起訴は、アラブ世界で酷評されている。

 傍聴につめかける人々はあらゆる電気製品をとりあげられ、車は検査されると
いう、厳しい警戒措置がとられた。

 裁判官は最初、ザイディに氏名と職業、住所を述べるよう求めた。すると記者
の弁護士は、彼の行為に対する起訴は、「社会的・政治的・心理的な理由」によ
るものだと批判した。

 記者の家族も法廷にやってきた。

 彼の兄弟の1人ウダイ・ザイディは、「イラクの裁判制度が試されている」と
語った。「もし彼が釈放されるなら、それは司法が独立していることを示すこと
になり、彼は英雄になるだろう。しかし、もし有罪なら、司法は恥をさらすこと
になる」。

 30歳になる記者は、民間テレビ会社アル・バグダディアに勤務している。

 裁判はテロ事件を扱う中央犯罪法廷で開かれ、そこはバグダッドのグリーンゾ
ーン近くに位置し、一帯にはイラク政府と西側大使館もある。

 ブッシュは体をかがめ、かろうじて靴をかわした。その身振りはアラブとイス
ラム政界では、象徴的な侮辱と受けとめられている。

 イラクの宗派抗争にまきこまれてゲリラに誘拐されたこともあるこの記者は、
言葉でもブッシュを侮辱し、警備員にねじ伏せられる前に、「これが別れのキス
だ、この犬野郎」と叫んだ。

 ブッシュはその後再び姿を見せると、事件を笑い飛ばし、報道陣に靴は「サイ
ズ10」だったとジョークを言った。

 外国の指導者を「攻撃」した罪の刑期は、5年から15年の間である。

 この事件に触発されて、「Sock and
Awe」という靴投げサイト(www.sockandawe.com)
を作ったイギリスの学生アレックス・チューは、インターネット上では、860
0万以上がブッシュ元大統領の顔に命中した、と語った。



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 「空を飛ぶ靴」という詩を作ってくれた、どすのメッキーさんのブログに、2
月17日付で、<「チェ・39歳別れの手紙」を観て>という一文があります。

 映画「チェ・39歳別れの手紙」の感想なのですが、そこに綴ってある筆者の
深い思索もすばらしいと思いました。

 (by山本史郎)

sometimes a little hope
先日、映画「チェ・39歳別れの手紙」を観て来ました。見終わって暫くは、辛くて言葉が出ませんでした。ゲバラがなそうとしてきたこと、そして実際になしてきたことに対して、あまりにも不釣合いな最期でした。

 この世の中は決して善なるもの、謙虚なものにいつも幸いがあるようにはできていません。

 ゲバラとその多くの同志は、そんな世界を変えようとしました。そして、救おうとした農民に裏切られて殺されました。ボリビアの農民は、単に軍の脅迫や懐柔に屈したというより、余りの貧しさゆえに、当時未来を描く想像力をも奪われていたのだと思います。

 「もしわれわれが空想家のようだといわれるならば、救いがたい理想主義者だといわれるならば、できもしないことを考えているといわれるならば、何千回でも答えよう。そのとおりだ、と」は、ゲバラの言葉の中でも最も好きな言葉です。理想は空想ややけっぱちとは違います。そうでなければ、同志に同じように命をかけさせることはできないでしょう。

 ボリビア潜入時、すでにゲバラの名はカリスマ化していました。ボリビア政府は、世論を有利に導くために、ゲバラの名前を出すタイミングを慎重にはかります。しかし、ゲバラ自身は、最後まで、カリスマをかさに仲間を統率することはなかったと思います。悲観にも楽観にも偏らず、どんな状況にあってもあるべき世界の姿がぶれずに見えていたからこそ、あの過酷な状況下で(脱落者はいたにしろ)ゲリラ部隊が崩壊することはなかったのではないでしょうか。

 ゲバラ達と地元の牧師が話をする場面がありました。牧師は、いかなる暴力にも反対だし、自分達が住む場所で暴力を行使してほしくない、と言います。それに対し、ゲバラ達は、権力が行う暴力は認めるのにか、と聞き返します。鉱山労働者がわずかな賃上げ要求のデモを行っただけで、無差別に虐殺される国で、消極的な非暴力主義は意味を成しません。

 わたしがこれまで主張してきたことと矛盾すると受け止められるかもしれませんが、革命前のキューバや、当時のボリビアの状況で、不正義に目を瞑り自己保身に走りながら暴力を否定することが果たして誠実な行動なのか。例えば、日本でも長らく暴徒と蔑まれてきた秩父困民党の蜂起のような出来事が、権力や国家が行う暴力と同じように括られることが果たして公正なのか、わたし達は回答を避けることはできないと思うのです。

 シンディが怒りを込めて語っていたように、正義の戦争などいうものはありません。戦争~それは国家が行うものです~は例外なく邪悪です。わたしは、人類がこれまで築いてきた土台の上に、現在、徹底して武力でない選択肢が模索されるべきだ、という考えを変える積もりは、全くありません。

 しかし、大国から貧しい国、権力から一般市民へ間のほとんど一方的な暴力の行使にあたっても、喧嘩両成敗の判断を機械的に下すことには抵抗を覚えます。平和を求める主張が、結果として権力の犯罪を既成事実化したり、虐げられた人々に最後の一撃の様な重荷を負わせることであってはならないと思います。まず、虐げられた人たちの声を聞くことが始まりでなければなりません。武力を行使せずに紛争を解決することの困難さを心に刻んだ上での、平和主義、戦争放棄であってこそ、値打ちが輝くように思うのです。

「硝煙の中に身をおきたい」としたゲバラの生き方を何らの留保無しで賛美することはできません。しかし、ラテンアメリカや世界の人民の解放のためにためらいなく2度も自分の人生を捧げた一途さ、たった一度だけ来日した際、靖国参拝の誘いを断ってヒロシマを訪れた倫理観、そして彼の根底に流れる温かさを否定することはできないでしょう。

 処刑される前夜、見張りの若いボリビア兵と交わす会話が印象的です。共産主義の国でも宗教はあるし多くの人は神を信じていると話すゲバラに、兵士は、あなたはどういう神を信じているのか、と尋ねます。するとゲバラは、「わたしは人間を信じている」と答えるのです。信じていた人に裏切られ、仲間を殺され、自分も間もなく殺されることが分かっているとは信じられない心の清澄さではないでしょうか。この言葉にゲバラが旅してきた人生が凝縮されているような気がします。

「わたしは人間を信じている」



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正式名称: イラク戦争に関する世界情勢のニュース
   http://www.geocities.jp/uruknewsjapan/index.html
※過去のメッセージ一覧(FreeML)
http://www.freeml.com/organizer-news
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イラク:「靴投げ」記者初公判 「イラク人の誇り、取り戻したかった」/毎日
 【カイロ高橋宗男】昨年12月に記者会見中のブッシュ前米大統領に靴を投げつけ、外国指導者に対する侮辱罪で起訴されたイラク人テレビ記者、ムンタダール・ザイディ被告(30)の初公判が19日、バグダッドで開かれた。同記者は「武器を使わずにイラク人の誇りを取り戻したかった」などと動機を説明した。AP通信が伝えた。

 ザイディ記者は「(私に靴を投げさせたのは)米国の占領と罪のない市民の殺害によってイラクが受けた屈辱だ」と証言。さらに、ブッシュ前大統領が「勝利と成果」を強調したことで不満が抑えられなくなったと述べた。

 ザイディ記者は事件後、イラク国内やアラブ世界で英雄視された。傍聴席の支持者らは拍手と歓声で同記者の出廷を出迎え、同記者は親類から手渡されたイラク国旗風のスカーフにキスした。裁判長は傍聴者に「静粛にしなければ退廷を命じる」と警告したという。

 同記者には最大15年の禁固刑が科される可能性がある。審理は来月12日に再開される。

http://mainichi.jp/select/world/news/20090220ddm007030040000c.html

「ブッシュが邪悪なものに…」 イラク靴投げ記者初公判/朝日
【カイロ=田井中雅人】昨年12月にイラクを訪問したブッシュ米大統領(当時)に靴を投げつけたイラク人記者に対する初公判が19日、バグダッドの中央刑事裁判所で開かれた。朝日新聞のイラク人助手によると、法廷でムンタゼル記者(29)は、親類から手渡されたイラク国旗をあしらったスカーフにキスをして、肩に羽織った。

 記者会見中のブッシュ氏に靴をぬいで投げつけた行為について、同記者は「攻撃しようと思っていたわけではないが、私の目にはブッシュが、何か邪悪なもののように映った」と法廷で述べた。

 事前に米国の治安要員らからイラク人記者は記者会見場に入らないよう求められたり、無礼な身体検査をされたりしたことに反発。ブッシュ氏が会見で「イラクでの勝利と成果」を語り始めたとき、多くの無実のイラク人が殺されたことを思い出し感情を抑えきれなくなったという。

 「外国の大統領への暗殺未遂」の罪で最高15年の禁固刑判決を受ける可能性があるとされるが、弁護側は「社会的、政治的、精神的な理由」によって靴投げ行為に及んだと主張。同記者の精神鑑定を求める一方、ブッシュ氏は公式訪問ではなかったので重罪には該当しないと主張している。
http://www.asahi.com/international/update/0219/TKY200902190270.html


靴投げは「占領への抗議」、イラク記者が初公判で証言/CNN

靴投げのイラク人記者初公判、数時間で休廷に/AFPBB


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